見出し画像

私の体

先天性の疾患

私は生まれつきの疾患を持っている。

まず、スプレンゲル変形、別名、肩甲骨高位症。

1万人に1人と言われ、ネットで探しても症例が少ない疾患だ。

そして、左耳先天性難聴。

つまり左耳が聞こえない、片耳難聴だ。

これらが私の生まれつきの疾患である。

手術

私は2歳の時に肩甲骨の手術、幼稚園の時と中学生の時に耳の手術をした。

スプレンゲル変形は、症例が少ないため、手術をできる病院が当時住んでるところからだいぶ遠いところにしかないと言われた。病院に診察に行っても、医者も珍しそうに見てくる。

2歳の時の肩甲骨の手術は、まだ物心ついてないためあまり覚えてないが、私の背中の首から肩甲骨にかけて大きな手術跡があることから、大きな手術をしたのだと思う。

あまり覚えてないと言ったが、全身麻酔をして手術をし、起きたあと、両親が私の顔を覗き込んでいたこと、そしてアンパンマンのシールを持っていたことなどはなんとなくだが覚えている。

手術は成功。私の腕は手術をする前よりも挙がるようになった。

そして幼稚園の時の耳の手術に関しては、私は先天性難聴と同時に、両耳に滲出性中耳炎という疾患も持っていた。これは生まれつきではないと思う。まだ幼いのでこれまた全身麻酔で、鼓膜チューブ挿入手術をした。これは、耳に体液が慢性的にたまらないようにする手術らしい。

そして中学生の時の耳の手術は、幼稚園の時に入れた両耳のチューブが、異物反応を起こしたので、耳から取り外し、それをまた入れるために手術をした。私はもう大人へと近づいている体になっていたので、耳だけ麻酔をして手術をした。本当に麻酔をしているのかっていうぐらいにとっても痛かった。ボロボロ泣きながらチューブを入れられた。痛すぎたので、片耳だけ入れて手術は終わった。どうでもいいが、手術をしてくれた人は、中1の時の数学の先生にとても似ていた。

悩み

私はこれらの手術を経て、今18年目の人生を生きている。私はこの体で生まれてから、悩まなかった日などなかった。

まず、右肩の肩甲骨の疾患だが、腕が上がりにくいのと、肩幅が健康な左肩より狭く、上に上がっている。

私のこの疾患で、1番嫌なところは、肩の見た目がすごくいびつな感じになるところだ。裸になっても服を着ても、その違和感は解消されない。肩の疾患のせいで、首も短い。おしゃれも楽しめなければ、自分の体に自信も持てない。これは一生治らないので、さらに嫌になる。

次に耳の疾患については、左耳が聞こえないので、左で喋られると何を言っているのかわからないことが多々ある。

また、右側も軽度の難聴なので、滑舌が悪かったり少し遠目の声で喋っていたり、私の場合低い声の人などの声は、聞き取りにくい。なので今まで生きてきて、会話を諦めたことも少なくない。それでも最初の方は頑張って会話についていこうと、仲良い子に今あの子なんて言ったの?と聞きまくって必死だった。でもいつの日か、それを聞くのも申し訳ない気がして、聞くことをやめ、とりあえず笑うことに専念した。

つらかった。

自分だけ取り残された気分だった。

なんで私がこんな体にならなきゃいけなかったんだ、と何度も何度も思った。

伝えたいこと

スプレンゲル変形は、手術で少しは上に上がるようになったと思われるが、私は上に腕を挙げるととても痛いので、なるべく挙げようとしなかった。なので18歳となった今も挙がらないままだ。

痛くてももっと頑張って挙げていればと思っている。

左耳先天性難聴は、聞こえないことはあるが、配慮して右側に立って話してくれる友達もいる。それにとても救われている。配慮はなくても、私が片耳難聴だということを覚えてくれているだけでも、すごく嬉しいことだった。

また、静かになりたい時に、片耳だけ塞げばいいところは良いところだと思う。

最後に

自分の体は嫌だし、個性なんて到底思えない。

でも、こんな体でも、自分に自信が持てるように、自分にできることはやっていこうと思う。

いつか、自分の体を少しでも好きになれる日が来ると信じて。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?