富士ニャン、MUTIAN投薬 1週間経過

富士ニャンがFIPウェットタイプと確定診断受けてから、細ーいミシン糸の上を、落ちないように必死に歩いているような2週間でした。いつ切れてもおかしくない。あらゆる葛藤と立ちはだかるいくつもの難題、FIPウィルスの猛威、猫の全身を蝕むスピードの速さ、時間をかけて迷っている暇はない。すぐの決断と行動が必要。何よりも、富士ニャンは生き残れるのか?

FIPの噂の薬、MUTIAN をはじめるまで。
この薬は、未承認薬です。普通の動物病院では取り扱っていません。
2019年2月に、実験によりはじめて効果があったと世に発表された。今世に出てるのはコピー品で、自己責任で入手し、自己責任で投薬する。
2919年5月頃から、投薬を始めた猫のオーナーからの報告が、ネット上でちらほら上がるようになる。私は知らなかった。5月は、岩ちゃんがちょうどFIPになり、診断から10日で亡くなった頃。
この薬は、84日間、毎日同じ時間に、投薬する。1日でも抜けたり、量を減らしたり、吐き戻したりすると、また1日目からやり直し。そして、1日分が1万円前後。富士ニャンの場合の薬の値段です。
ウェットタイプか、ドライタイプか、FIPの初期か中期か末期か、重要なのが体重。これで必要な薬のmg数を出し、84日間24時間毎に確実に投薬又は注射する。体重の軽い子猫ならもっとずっと安くなるし、体重の重いドライタイプの末期だと、これよりももっとずっとかかるのかと。
よーくよーくネットで調べないと、必要なmgの計算方法、入手の仕方、誰に聞けばいいのか?いつ手に入るのか?症例は?途中で死んでしまうことは?間に合うのか?等、自分で調べなければいけない。未承認薬だから。

私は、10月28日に、富士ニャン、FIPウェットタイプ確定診断を受けてから、はじめてこの薬の存在を知った。
11月4日から、投薬をはじめた。

難題1
まず、富士ニャンが生き残れるのか?
日に日に落ちていく容態。
しかし、富士ニャンは、気合の入っている猫で、病気が進み食欲がなくなっても、いつもの習慣で、美味しいものをオレに一番にちょうだいよ、と気力で食べていた。それも日に日に少ししか食べられなくなっていた。
助かるかわからない。でも、富士ニャンは生きる気力がある!私はそれを信じて決行に踏み切りました。富士ニャンの気合がなければ、やらなかったかもしれない。

難題2
金!
高すぎる!!!!!!!!!
富士ニャンの症状、体重、から計算して、1日に必要な薬の値段は、9600円です。税別で。ここから消費税10パーセントです。
個人輸入も出来て、その関税がいくらなのかは、まだはっきり把握していない。ちゃんと届くのかも不安。
私はどう見ても貧乏。実際貧乏。
個人の自営で、店舗もなしい信用もない。
84日の投薬で、ざっと100万から120万はかかるこの治療。払えるのか?それは払いましょう何があっても!だけどまず最初のお金がない。貯金もない。借金しかない。その金の工面です。
貯金がある人は使えばいいのでは。ふつうに。
クレジットカード持ってる人も使えばいいのでは。分割払い出来ました。でも利用限度額が足りない。
私は金の工面の心労で、ジムに行ってる時よりも体重が減りました。

難題3
投薬。
薬はカプセルです。
注射もあるけど、値段がカプセルの1.5倍はするらしい。そして超痛くて猫が暴れるらしい。獣医さんでも失敗するらしい。
カプセルしか選べない。富士ニャンは、投薬大っ嫌い。上手に拒否し、出します。そのまま出してくれるのならまだしも、途中で噛まれて泡ぶくで出されたら、9600円パーです。
富士ニャンにいくら生きる気力があっても、いくら借金の工面が出来ても、毎日の投薬が出来ないようなら、この子は死ぬのです。
かかりつけの先生による投薬の仕方教室を受け、なんとか出来るようになる。よかったほんとうに。。。。。。。ありがとうございます。。。。。
これから富士ニャンは拒否の腕を上げるだろうから、日々の戦いはつづく。4日目の朝に飲ませて成功した!と喜んでいたら、翌朝にカプセルが1錠床に転がってるのを発見した。。必要量は2錠だから、半分は入っているけど、もしかしたら、初日から4日まではそれでおじゃんになり、次の日からが1日目と、やり直しパターンなのかもしれない。。。。。失敗したのは11月7日。書いておこう。。

難題4
富士ニャンの経過
投薬初日の夜から、少し食べ始める。気力だけによるものではなく、食欲がある食べ方をした。
投薬3日目には、ごはんをねだり鳴くようになる。
投薬5日目には、すっかり食べれなくなって久しい、ドライを食べるようになる。
腹水で大きかったお腹は、徐々に小さく戻っている。
体重は、
投薬前日 3.775
投薬2日目 3.900
投薬3日目 3.715
投薬5日目 3.700
投薬6日目 3.635
食べる量は少しずつ増えているのに、体重が減っているのは、腹水がなくなっているのかと。

黄疸による、オシッコのオレンジ色は、日に日に薄くなっている。

FIPウィルスには、確実に効いています!

ただ、まだFIPの猫です。FIPは末期になると多臓器不全を起こすし、違うことでだめになるかもわからない。貧血もある。白血球が少ない。感染症を起こしやすい。
この薬が効かなかった猫の例もある。
投薬期間半ばで亡くなってしまった猫の例もある。
富士ニャンに頑張ってもらうしかないのはもちろん、日々の観察。定期的な検査。
私は考えて、いつものかかりつけの先生に、経過を診てもらうことをお願いし、了承していただけました。薬は自己責任で自分で手に入れる。病院自体では、この薬を取り扱う予定はないとのことです。

難題5
5にして、これが1番の難題かもしれない。
上のすべての難題に、自分のメンタルが勝てるのか。
これまで治療法がなく、あっという間に猫を死に追いやる病気、FIP
新薬という選択が出来て、それは本当にすごいすごいすごいことです。でも、それを選択するかどうかという葛藤に、選択した後も、毎日毎日追い詰められます。私の選択がこの子を生かすも殺すも出来る。追い詰められる。
私はもう、気が弱り、自転車で車道を走れなくなったほど(わかりづらい)自転車の車道走行は、殺しにかかってくるトラックとか地方ナンバーとか、ギリギリで寄せてきてビビらせる男とかいるから、それに動じずに顔色ひとつ変えないかつ負けないビビらないハートの強さが必要。もうむり。。車道あぶない。。と歩道ばかり走っている最近。
SNSもなんか出来ない。

自転車の話はよくて、
私は、この今のところのすべての難題を、少しずつ少しずつクリアしてゆき、何よりも富士ニャンが元気になっているのを毎日見て、細ーいミシン糸から、ロープくらいの太さになった上を、今歩いている状況です。
Facebookに、FIP Warriors という、アメリカのグループがあり、全世界のFIP猫のオーナーや保護主が、沢山投稿する。色々な症例が見れる。無事に84日間の投薬を終えた猫、その後も再発なく元気にしている猫、薬の到着の前日に亡くなったしまった猫、期間半ばで亡くなってしまった猫、投薬がうまくいかないオーナー、お金の工面が出来ずやむなく諦めるしかなかったオーナー、この子は治ったら里子に出せるのか意見を集う保護主、などなど。
英語弱者だから、単語を調べつつ、めちゃくちゃな翻訳と見比べつつ、雰囲気で読み解いているけど。このグループが本当に私に力をくれて、励みになっています。何も投稿出来ないけど。
FIPの猫を看取ったことのある者は、FIP恐怖症になる。二度といやだ。
私は、6月に岩ちゃんをFIPで失った。幸せにしようと、保健所から連れてきたのに、結局死に追いやり亡くしてしまった。
幸せにしようと迎えた猫を、迎えてすぐにここの病気で亡くしてしまうの、もう絶対にいやだった。
岩ちゃんの時に、この新薬のことを知っていたら、考えても仕方ないけど、やっていたと思う。岩ちゃん。

つづく。

投薬はじめる1日前の富士ニャン。11月3日。
腹水でお腹が大きい。
https://vimeo.com/372154799

今日の富士ニャン。11月10日。
お腹小さくなった!
https://vimeo.com/372154946


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