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老猫への皮下点滴

うちの三毛猫ちゃんは今現在、22歳と4ヶ月である。彼女が14歳になったばかりの頃、日本からアメリカへ連れてきた。彼女が産まれて二週間目で父の猫になった。その父が亡くなった後、母が面倒を見ていたが、諸事情により我が家に引き取ることになった。我が家に来て8年ちょっとだ。

さすが雑種の三毛猫ちゃん、身体が丈夫であり生命力が強い。猫の病院の先生も驚くくらいのご長寿さんである。聴力は衰え、聞きたいことだけ聴こえるという老人特有の選択制難聴というものもあり、関節リウマチも発症し、ボケも始まり昼夜逆転して夜中に叫びまくるという生活を何年もしてきた。

二月前のこと、3日ほどご飯を全く食べなくなった。たまに気が向かなくて食べない時もあったり、またはどれだけ食べるんだ、お腹大丈夫?っていうくらい食べる日もあって、2日目までは食べムラかなと様子を見ていたのだが3日目になっても全く食べない。流石にまずいと猫の病院へ連れて行った。もう歳だし寿命が来たのかなと、ある程度覚悟を決めつつあった。まず先生に言われたのは、脱水症状を起こしていること、ほぼ腎臓が悪くなっているであろうということ。血液検査をしたが、腎臓の数値がかなり悪いという結果であった。その場では点滴をしてもらい、かつその先生は私に点滴のやり方を説明しながら見せて教えてくれた。

その後、自宅で皮下点滴を毎日行うことにした。背中の肩甲骨の間を摘み三角を作り、その真ん中に並行に針を刺す。小さな三毛猫ちゃんに毎日針を刺すのは、かわいそうで本当に心が痛い。でも、その点滴のおかげで、もう今にも行ってしまいそうだった彼女が、今は針を刺されるのが嫌で、私を見ると走って逃げていくほど元気になった。

毎日の点滴の針を小さい猫ちゃんに刺す行為が辛い。点滴を行うことで猫ちゃんの体が楽になると頭では理解しているのだが、感覚的に、針を刺す行為が辛い。インターネットで色々調べてみても、自宅で皮下点滴を行うのは最終手段でその期間は、よく見るのは大体3日ほどで、長くても1週間ほどで最後の時がくる。うちの猫ちゃんは毎日皮下点滴をし続けて2ヶ月になる。まだまだ元気で走り回っている。猫の先生に聞いた話によると、最長6ヶ月の点滴生活という猫ちゃんも過去にいたそうだ。うちの猫ちゃんも生命力が強いから、このままだと1〜2年いくんじゃないかと思い始めている。

もし自宅で皮下点滴をしようか迷っている猫の飼い主さんへお伝えしたいことがある。針を刺すのはかわいそうなのはとても共感するが、ぜひ自宅で皮下点滴を行ってほしい。体調の悪い猫ちゃんをいちいち獣医さんに連れていくのは猫ちゃんにとって大変であるし、そこまで体調が悪くなる前に皮下点滴をすることによってあなたの猫ちゃんの身体が楽になるからだ。

私にとって私の猫ちゃん達は私の子供と同様であり、私の家族である。猫ちゃんが少しでも楽になるのなら、私にできる限りのことをしてあげたいと思う。

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