小学校の冬の思い出

 小学校の冬の思い出



 もう、ぅん十年前に卒業した私の小学校の話です。


私が、卒業した小学校、仮に○西小とします。○西小には、毎年十一月から翌年三月までマラソン朝会なる朝会がありました。

放送室から流れる音楽が終わるまでひたすらグルグルとグラウンドを走らせるという朝会。

これだけなら、子供の体力作りの一環なんでしょうが、我が母校である◯西小のグラウンドは、冬場は走りにくかったんです。


グラウンドが、昼はグチャグチャ、夜に土が凍って、デコボコのカッチンカッチンになるからです。

 これでは、わけからんのんで詳しく説明させて頂きます。


私の母校◯西小学校は、山の中にあると言っても過言ではありません。

昔、大正か昭和のはじめぐらいの頃、◯西小は、線路脇にあったそうで、それでは列車の通る音でやかましくては勉強にならんだろうと、地域の地主さんが、自分が所有する山をポーンと◯西小に寄付してくれたそうで、◯西小は、線路脇から線路の上にある山の中腹へ移転したそうです。

ですが、山の上ゆえに水捌けが悪い。

 冬場、霜が降りて霜柱が立つくらいの時期になると、◯西小のグラウンドは、昼間は田植えの時期の田んぼようにグチャグチャの泥化とします。

 その上で子供が遊ぶと足跡が残り、夜にそのまま凍り、朝には、カッチンカッチンでデコボコのグラウンドが出来上がる訳です。



 そんな状態の中、冬の間、ほぼ毎朝全校児童がクラス毎に背の順に並んで、集団で走るんです。

走るんですが、先程書いた通り、カッチンカッチンのデコボコのグラウンドだから、足を引っ掛けて転ぶ可能性大です。

 

 ビビりの私は、足を引っ掛けぬよう慎重に走るのですが、マラソン大会で、学年で二番目に足のトロかったのでクラスの群れからはぐれて、気づけば、

他のクラスの子からめちゃくちゃ注目を浴びてました。

 



「ねこた、お前またクラスからはぐれっとったろ〜。足、マジでトロいの〜!流石クラス一のどべ(

ビリ)じゃ」

「お前、ちんたら走るけぇ、邪魔なんよ」


 とまあ男子に言われて悔しい。

悔しいけど、ズッコケて頭打ったりしたら嫌だし、どうやって、うまく走れるか考えましたが、答えが出ないまま卒業してしまいました。




 しかし今考えたら、かなりデンジャラスな朝会ですよね?

 よくドミノ倒しにならなかったなと思います。

今は、地元から飛行機の距離ですし、私自身、とある事情から二度と地元に帰らないと決めていて、地元の友人、知人の連絡先も消しているので、知る術はありませんが、今でもこのマラソン朝会はあるのでしょうか?

私は無くなっていてほしいと思います。

 大事故に繋がるのは、火を見るよりも明らかなので……。








 

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