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手を合わせてちゃんと謝っときます🙏(短編小説)

ここはとあるスジャータと言う名の床屋さん。

ここには、毎日沢山のお客さんがきます。

お客さんは、主に仏像さん達です。

〇〇如来様や、〇〇菩薩様。
沢山の仏像さん達で店内は満席、店主のシャーリーさんと店のスタッフは、毎日がてんてこ舞いです。

店内の壁には名だたる著名人の写真が貼られています。

写真には何やら一言も書かれてます。

ここでは、聖徳太子さんののみ紹介しますね。

聖徳太子の写真と一言
「誰や勝手に俺の事を教科書から消した奴は!舐めんなよ!わしゃ実在したわ!」


そんなお店に、一人の仏像さんが来店されました。

扉が開く
「カランカラン」

「いらっしゃい、どうぞこちらに」
と、店主のシャーリーが椅子に案内した。

「パンチパーマでよろしいか?」と店主のシャーリーが言うと

仏像(客)は
「いや、パンチパーマはやめて、ストレートあてて短髪に切ってほいしんやわ。」


シャーリー
「どうしはりました?仏像さんはパンチが基本でしょうに…」


仏像(客)
「…たい」

シャーリー(床屋の店主)
「え?」

仏像(客)
「いや、だから俺はモテたいねん!」

シャーリー
「誰に?」

仏像(客)
「女性に!」

シャーリーの心の声
(エロ菩薩め!煩悩の塊やな君は…修行してるお坊さん達が聞いたら泣くぞ!)

仏像(客)
「店長、ちょっと聞いてる?」

シャーリー(床屋の店主)
「えっ、えーあー、はいはいちゃんと聞いてますよ」

仏像(客)
「でね、なんで俺が持てないか考えてたらね、やっぱ髪型かなあ?って、今時パンチパーマなんて、反社の人でもしてなさそうやのに、なんで、仏像の俺がパンチパーマなんかしてるんやろ?と気づいてね」


シャーリーの心の声
(君がモテないのは、パンチパーマのせいではなく、他に原因がきっとあるぞ!)

仏像(客)
「でね、高野山の仏像さん達はエラいモテてるんよ!高野山て、いつも人気やしなぁ!どんなイケメンの仏像達かと思って、俺が直接高野山に歩いて見に行ったんよ!」

シャーリーの心の心
(そういうのは、実体で行かんと、霊体とか、エネルギー体とかで普通行くんじゃないのか?…仏像が二足歩行で他の仏像に会いに行くってどんな絵面だよ…)


仏像(客)
「いや〜そしたらね、高野山の仏像達は、パンチパーマやなかったんよ!俺はそこでピンときたんよ!これや!これからの仏像のヘヤースタイルはパンチパーマやなくて、短髪や、短髪したら俺はモテモテなはずや!ってね」


シャーリーの心の声
(煩悩菩薩め!世の中の女性舐めんなよ!短髪なだけて惚れるか!アホめ!仏像は中身で勝負や!)

そんな時、店の電話が鳴った。

プルループルルーガチャ

シャーリー(床屋の店主)
「はい、
こちら日本一のパンチパーマ職人が運営する、
床の上でも床上手!
床上手は私はテクニシャンでお馴染みの床屋のスジャータでごさいます!」

仏像(客)の心声
(どんなキャッチフレーズだよ!意外とやべー奴なのか?ここの店主は…
よく見ると、店内変な客ばっかだな…
うおっ!

なんだ、あの仏像は、手が千本くらいあるぞ!爪切るの大変だな…

ん?なにかタバコみたいなのが売られてるぞ…

商品名「ザッ!ヤバい葉っぱ!」

てか、ヤバいとか言うてまうんや…

ん?値段一本10000円だと!
誰が買うねん!なになに、「これであなたも宇宙の彼方へ旅立てる!」って書いてある…

ヤベー、やべーぞこの店…

でか、まだ電話してやがる…)


そして、
店主シャーリーと電話の客の会話が聞こえてきた…

シャーリー(床屋の店主)
「えーお客さんの大きさがなに?15メートルもある、なんと、顔の幅だけで3.2メートルとあると!」


仏像(客)の心の声
(どんだけデカイねん!)


店主
「えー!わざわざ奈良から来られると…」


仏像(客)の心の声
(奈良から…そうか、あれやな…あの有名な大仏さんやな…

てか、あんなん散髪できんやろ!無理に決まってるやん!

そもそも、店に収まれへんサイズやし!

髪の毛の幅何センチあんねん!

これは、完全に断られるな…
大仏さん可哀想に…)


店主
「あーはいはい、では、お待ちしてますね!」


仏像(客)の心の声
(受けるんかい!)


電話を切ると店主のスジャータは仏像の方に戻ってきた。

店主
「すいませんね、お待たせして…」

「いやいや、全然大丈夫ですよ!」
と、動揺しながら答える仏像の客


そして、仏像は続けて話した
「いや〜さっきの電話の会話が耳に入って来たんですけど、

あれ、奈良の大さんですよね?
15メートルもあるのに散髪できるんですか?」


店主
「できますよ、ウチのスタッフには四天王といって高いところもキントーンに乗って散髪するんですよ!」

仏像(客)
「し、し、四天王!あの四天王ですか?」

店主
「はい」

仏像(客)
「でも、どうやって大仏さんの太い髪の毛を切るんですか?」

店主
「え?どうやってって、チェーンソーで…」


仏像(客)
・・・
(いや、あかんやろ!それはもう犯罪だろ!そもそも、四天王が乗っかってるのってキントーンじゃなくて邪鬼とかじゃなかったか?
で、なんで店にチェーンソー置いてんだよ!四天王て、めちゃくちゃ武闘派だときいてるぞ!
それを、従業員として手懐けるとか…
この店主、只者じゃないな…
やべー…やべーよ…この店…)


そんな会話をしてると後ろの席で待ちぼうけ食らってる客が、しびれを斬らして店主に言った!

さっき見た手が千本くらいある仏像だ

手が千本くらいある仏像
「ちょっとスジャータちゃん!いつまで待たせるつもり、早く切ってよ!」

仏像(客)
(スジャータちゃん?なんだ、常連の客か…)

店主のスジャータ
「うっさいなぁ!あんた、手が沢山あるんだから、そこの道具使って自分できりないよ!」

手が千本くらいある仏像
「えー!また〜…はーい」


仏像(客)の心の声
(うわっ…雑!

てか、アンタも言う事聞いて自分で散髪するんかいな!

常連には雑!そもそも、客に向かって「うっさい!」はあかんやろ…

駄目だ、この店…ヤバすぎる…さっさと髪切ってもらって早く出よう…)


そして、仏像(客)の散髪が始まった。


そうこうしてるうちに、仏像(客)は気持ちよくなって、うたた寝をしてしまった…


しばらく時が、経つと店主が仏像を、起こすように言った。


店主
「はーい!お客さん!お待たせしました!」


仏像(客)
「あっ、ごめんなさい、俺、気持ちよくてつい寝ちゃってた…」


店主
「全然かまいませんよ!気持ちよさそうに寝られてましたね!」


「えへへへへ」
とちょっと照れくさそうに笑う仏像(客)


そして、仏像(客)は鏡を見た。


仏像(客)
・・・
なんや、これ?…


店主「お客さん、どうかされましたか?」



仏像(客)
「角刈りなっとるやないかい!」



終わり


ps.
お坊さんとかに怒られないかな…
なんか、すいません…


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