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【タロット】夢破れた者が手にした、かけがえのないもの『魂物語Vol.2』

プロローグ ~『魂物語』とは?~

「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える、魂の物語

一説によると、私たちの魂は何度も転生を繰り返しているそうです。
“前世(ぜんせ)とは、ある人生を起点として、それより前の人生のことを指す。”
(『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
もし、魂が何度も転生を繰り返すのなら、私たちはいくつもの前世を経験していることになります。

『魂物語』はタロットで紡ぐ、「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える魂の物語。

幾度も転生を繰り返す魂に刻まれた、記憶や想いの“欠片(かけら)”たち。
それをタロットで紡ぎ、物語調に表現したものです。

その目的は、「前世を知ること」ではありません。
そもそも「前世が本当に存在するのか?」という問題ですら、重要ではありません。

何よりも大切なのは、現世を生きる今のあなた自身です。
あなたの『魂物語』を通して……

自分の人生を見つめ、より自由に自分らしく生きること。

そのための気づきやキッカケの一つとして、活用していただけたら、とても嬉しく思います。

(※私の『魂物語』は、占いでも前世療法でもありません。
タロットカードのリーディング結果を物語調に表現した、エンタメ系のコンテンツです。)



あらすじ

あなたの前世は、戦国時代の末期に生きた男性だったようです。
若い頃に日本一の刀匠を目指して故郷を飛び出し、師匠の下で兄弟弟子たちと一緒に住み込みながら、ひたすら熱心に修行に励みました。

刀匠見習いだったあなたは一人前になるべく、がむしゃらに努力を積み重ねましたが、やがて無理が祟って体を壊してしまいました。
更には、他の兄弟弟子たちと自分を比較して落ち込み、精神的にも追い詰められてしまったようです。

その結果、前世のあなたは「日本一の刀匠になる」という夢を諦めて里に帰り、ある農家の婿養子になりました。
優しくて気立ての良い妻、明るくて素直な子供たち。大切な家族と過ごす中で、あなたは慎ましやかな日常に感謝するようになります。
日本一の刀匠になる夢は叶いませんでしたが、その代わりにかけがえのないものを手に入れたのでした。

それに、刀匠の修業をして身に着けた知識と技術も、決して無駄にはなりませんでした。
刀匠の知識を応用して、人を殺すための武器である刀ではなく、人が生きるために必要な道具を造るようになったのです。
豊富な知識と専門的な技術、それを活かす柔軟な発想が前世のあなたの生活を支えてくれました。

前世のあなたが、現世のあなたに伝えたいこと。
それは、未知なる道をも斬り拓く、知的好奇心を持ち続けること。
それさえあれば、人は何歳かでも成長できるからと。例え人生経験を積んでも頭でっかちにはならず、「無知の知」が大切。
未熟であることを恥じず、失敗することを恐れない勇気を持って欲しいと伝えています。

もし、あなたが孤独を感じるようなことがあれば……
自ら殻に閉じこもっていないか、「思い込み」の鎖に縛られてしまっていないか、よく考えて欲しい。
心の目を見開けば、しがらみからも自由になれるから―――と、伝えてくれているのです。


第1章 前世のあなた

理想に燃えた、若き刀匠見習い

トン!テン!カン!、トン!テン!カン!……
灼熱の火で熱せられた玉鋼を鍛える、リズミカルな槌の音。
日本刀を造るための炉の熱気と、刀匠である男たちの喧騒の中に、一人の若者の姿があった。

彼は駆け出しの刀匠で、未だ修行中の身。
刀づくりの名匠と謳われる師匠の下、他の兄弟弟子たちと一緒に切磋琢磨しながら、日本刀の制作に励んでいた。

時は戦国、激しい戦乱の世。
各地で有力な武将たちが台頭し、互いに刃を交えて争った時代。そこでは、よく斬れて頑丈な武器としての刀が求められた。

「俺はいつか、日本一の刀匠になるんだ!」
作業の合間の休憩中。握り飯を頬張りながら、若者が立ち上がって言った。
その瞳には炉の火よりも熱い、情熱の炎が燃えている。

そんな彼に対して、兄弟子たちは
「まーた、言っているよ。兄弟弟子たちの中で一番、ひ弱で力のないお前が、日本一の刀匠になれる訳がないだろ」
と、馬鹿にしたように笑って取り合わない。

ぐぬぬ……と、若者は悔しそうに拳を握って、奥歯を噛み締める。
(今に見ていろ!俺は必ず、日本一の刀匠になって、理想的な刀を造ってみせる!!誰にも折れない、強くて斬れる刀を造るんだ……!!)


第2章 前世で学んだこと

繰り返す平穏な日常の尊さ

夏草や 兵どもが夢の跡―――
後世にてかの有名な歌人が歌った句のように、熱き血潮がたぎった戦乱の世は終わりを告げ、今はただ平穏な日常が繰り返していた。

「俺は結局、日本一どころか、一人前の刀匠にもなれなかったな」
かつて若者だった中年の男は、潰れた豆だらけの両手を見て、静かにそう呟いた。その表情は晴れやかとは言えないが、決して暗くもない。

日本一の刀匠を目指してがむしゃらに頑張るあまり、彼は無理をし過ぎて体を壊してしまったのである。
その結果、若者は道半ばで刀匠になることを諦め、地元農家の婿養子となったのだ。

それから彼は優しい妻に支えられ、子宝にも恵まれた。
そんな日々の中で、刀匠見習いだった時に身に着けた技術を応用し、鍬や鋤、庖丁など庶民の生活に欠かせない道具を造った。
(俺は、日本一の刀匠になるという夢は、掴めなかった。だが……)
大切な家族と過ごす、慎ましくも穏やかな日常を手に入れたのだ。

昔の自分は己の弱さが嫌で、強さの象徴である刀を造ることに憧れていた。
しかし刀は結局、人の命を奪うために使われる武器でしかない。
(だが俺は今、その技術を応用することで、人が生きるために必要な道具を造っている)
そう考えたら、夢破れた後の今の方が満ち足りていて、とても幸せに思えた。

時に荒く、時に穏やかに。
これからも時代は、ただ流れていくだろう。
願わくば、この平穏な日常が少しでも長く続きますように。
眩しい朝陽の下、かつて刀匠を夢見た男は、そう願うのであった―――


第3章 前世で学べなかったこと

二度と目覚めぬ夢

「本当に、刀匠になるのを諦めちまうのか?」
一番仲の良かった、兄弟弟子の声。その声が背中越しに問う。
夢から逃げ出そうとする自分を責めるでもなく、ただ静かに真っ直ぐと。

「ああ。俺の体ではもう、刀は造れねえ。生まれ育った里に戻って、畑仕事の手伝いでもするさ」
幼い頃から体が弱く、百姓出身では刀で戦う武士にはなれない。
それならせめて、武士が戦うのに不可欠な刀を造る刀匠になりたかった。
誰よりも強くて斬れる刀を造る、日本一の刀匠に。しかし―――

「どんなに努力したって、無理なものは無理だったんだ。いくら人事を尽くそうとも、超えられぬ壁があるって、よくわかったよ」
自嘲してそう呟く若者に対し、兄弟弟子は
「そんなの、夢を諦める言い訳じゃねえか!少し休んで、また修行に復帰すれば良いだろう!!」
去ろうとする若者の肩を掴み、ここに留まるようにと説得しようとする。

「身体だけの問題じゃねえんだ。どんどん刀匠として成長していく兄弟弟子たちに対して、まったく伸びない自分……。
それを思い知る度に、俺の心は折れちまった。ポキッとな。
心が折れた刀匠に、折れない刀は造れねえよ。俺はもう、ここが潮時だ。
刀匠になる夢を諦める時なんだ」

その瞬間、若者の「日本一の刀匠になる」という夢は、死んだ。
死んだ夢は、硬くて冷たい棺桶に入れられ、深くて暗い地中に埋葬される。
そして、埋葬された若者の夢は―――二度と、目覚めることはなかった。


第4章 前世から現世への宿題

ペンは剣よりも強し!知識の剣で、軽やかに道を斬り拓け!!

若くて未熟だった頃の俺は、無謀にも日本一の刀匠を目指していた。
まったく、向こう見ずの若さってのは、武器にも凶器にもなる諸刃の剣だな。

残念ながら俺は、刀匠になるために必要な腕力や頑丈な体には、恵まれなかった。
だけどその分、刀の素材や火の扱い方についてなど、刀匠に必要な知識はすべて身に着けた。

そういえば、その知識を応用することで鍬や鋤、庖丁など、力のない俺でも作れる道具を造り始めたんだったな。
我ながら、あれは良い発想だったと思うぜ。まさに「芸は身を助く」って言うことだ。

それにはちゃんと理由がある。
俺が若かった頃は、刀や武力の強さがものを言う時代だった。
だが戦乱の世が終わると、今まで力を持っていた武士が次第に食えなくなっていったんだ。
だからその時、俺は気づいた。力だけがすべてじゃねえ―――ってな。

そもそも時代や環境は、変わるもんだ。抗うことなんて、できやしねえ。
それよりも大切なのは、変わる時代や環境に合わせる柔軟な発想。
その元となる知識の豊富さと幅広さだ。今のお前さんには、それがあるか?

未だ知識の浅い自分、未熟な己を恥じることはねえ。
だが未知なる道をも斬り拓く、知的好奇心だけは失うな。
それさえあれば、自分の足で立って、歩いていける。
他の誰のものでもない、自分の人生(みち)を。

人は何歳からだって、成長できると俺は思う。
知らないものを知り、未体験のものを経験しようとする好奇心さえあれば。
人生経験を積んでも、知ったかぶりの頭でっかちにだけにはなるなよ。
なぜかって?成長し続けるためには、自分が無知であることを知っている、「無知の知」が大事だからな。


第5章 前世から現世のあなたへ

己の目と心を開く勇気!しがらみから自由へ!!

孤立無援―――
環境になじめず、誰からも理解されず、孤立した八方塞がりの状況ってのは、辛いもんだよな。

俺にも経験があるぜ。
俺は年老いた両親の反対を押し切り、刀匠を目指して生まれ育った里を出た。
それなのに修行を始めたばかりの頃は、師匠や兄弟弟子たちとも反りが合わず、正直「こんなはずでは」って、思ったよ。

飛び出してきた手前、里には帰れなくてな。
かといって、刀匠の師匠の下でも居場所がなくて。
まさに、孤立無援で八方塞がりの状況だった。だが……

馴染めなかった俺に、一人だけ手を差し伸べてくれた兄弟弟子がいた。
熱血漢で面倒見の良いアイツは、孤立した俺にこう言ったよ。

「もっと目を開いて周りを見ろ。自分から心を開かないと、誰の心にもお前の言葉は届かないぞ」

ってな。俺はその時、ハッとしたんだ。
確かに俺は、自分のことばかりで、周りの人間を見ようとしなかった。
どうせ何を言っても無駄だと勝手に決めつけ、心も口も閉ざしてしまっていたんだ。
自分でも情けないと思うが、拗ねていじけてしまっていたんだな。

でもそのお陰で、俺は自分で自分を縛り付けていることに気がつけた。
「思い込み」という鎖から、自由になれたんだ。
それからは、師匠や他の兄弟弟子たちとも上手くやっていけるようになった。

アイツからは傷つくことを恐れず、自分から心を開く勇気。そして……
自分で殻を打ち破る強さを教わったよ。
本当に、心から感謝している。


エピローグ ~すべての旅する魂へ~

あなたの『魂物語』、いかがだったでしょうか?
タロットで紡いだ、「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える物語を少しでも受け取っていただけたら、とても嬉しいです^^

『魂物語』が伝えているのは、あなたの前世が何であろうと、現世のあなたがどうであろうと、「前世のあなた」は「現世のあなた」を愛し、応援してくれているということ。

たまに「前世の業(カルマ)が……」という言葉も耳にしますが、私は前世を嘆いて後悔したり、現世を前世の罪滅ぼしの場にはしたくないと思っています。
より現世を楽しんで魂が成長するために、前世から学びや気づきを得たいです。
そのためにこそ、この『魂物語』を魂を込めて作りました♪

正直、前世や来世のことも不確かでわかりません。
でも、私たちは今こうして、現世で生きています。それは確かなことです。
だったら、今生きているという事実を大切に、現世をとことん楽しみたい!自分らしく生きたい!!って、思いませんか?^^

例え何度も魂が転生を繰り返そうと、「今の人生」は、たった一度きりなのですから……

あなたの『魂物語』がこれから、あなたの魂に寄り添っていきますように。


お知らせ

78枚のタロットカードで、あなただけの『魂物語』を紡ぎます♪

タロットリーディング『魂物語』についてもっと知りたい!
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タロットリーディング『魂物語』


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