【読書会報告】『江戸の科学者 - 西洋に挑んだ異才列伝』読書会
こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。
今日は『猫の泉 読書会』の読書会のご報告をします。
4月29日の朝、総勢三名で、オンライン読書会を行いました。
課題本『江戸の科学者 - 西洋に挑んだ異才列伝』(新戸雅章/平凡社新書)に書かれている11人の科学者の中から、それぞれ好きな科学者を選んで発表しあい、感想や気になることを話し合いました。
11人の科学者とは、こちらです。
〇印がついているのが、発表者の担当した科学者です。
高橋至時──伊能忠敬を育てた「近代天文学の星」
志筑忠雄──西洋近代科学と初めて対した孤高のニュートン学者
橋本宗吉──日本電気学の祖
〇関孝和──江戸の数学を世界レベルにした天才
〇平賀源内──産業技術社会を先取りした自由人
宇田川榕菴──シーボルトを敬服させた「近代植物学の父」
〇司馬江漢──西洋絵画から近代を覗いた多才の人
国友一貫斎──反射望遠鏡をつくった鉄砲鍛冶
緒方洪庵──医は仁術を実践した名教育者
田中久重──近代技術を開いた江戸の「からくり魂」
川本幸民──信念の科学者、日本近代化学の父
それぞれの科学者の生き様については、本を読んでいただくとして、
読書会で話題になったことをまとめます。
〇関孝和:書斎にいる世界レベルの研究者
・「塵劫記」が岩波文庫(青)にあるらしい。
(当たり前だけど、「数学なのに」)縦書き!
・「誕生日不明」だそうだが、自分の誕生日を本当に知っている人なんているの?
・現在日本で一般に学べるのは西洋由来の数学
・世界レベルの優れた個人への微妙な眼差し
〇平賀源内:イベントプロデューサー
・有名だけど、実はよく知らない。
・「賢さ」とは、何を指すだろう?
・本草学などから、体系的な知識のありようを知っていた。
・エレキテル装置の修理など、仕組みを理解できた
・身近な課題に取り組み、うまくいくように改良できた(薬品会の運営など)
・薬品会を通して、蘭学や海外技術に興味のある仲間ができた。
・とにかく時代を先取りしすぎていた。
・思いがけない死にざま
〇司馬江漢:科学知識コーディネーター
・絵画だけではない! 科学者だった!
・銅版画の世界地図の正確さと美しさ
・晩年は、コペルニクスに心酔して地動説を日本に導入した。
・医師の緒方春朔から種痘法を学び、孫に試した。ちなみに、牛痘法予防接種を広めたあの緒方洪庵は司馬江漢が亡くなる年に、やっと8歳
・活発な出版事情?
・横顔の自画像
・ラッパのような補聴器の引き札(チラシ)
〇全体をふりかえって
・平賀源内と司馬江漢の生まれ年およそ20年の違いが、明暗をわける
・司馬江漢は、平賀源内の絵画の弟子・楠本雪渓の弟子。つまり孫弟子でもある。
〇読書会の楽しみ
・レジュメは、それを書いた人の価値観がでる。
・科学者一人分をきちんと読むことで、他の科学者たちとの違いや幸運が見えてくる
・11人の科学者全部を見れば、江戸時代が見えてくるのかも
以上、猫の泉読書会では、これからも面白そうな本をみつけて、読書会をつづけてまいります・・・♪
■本日の一冊:『江戸の科学者 - 西洋に挑んだ異才列伝』(新戸雅章/平凡社新書)