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【本】『神聖喜劇 第四巻』 (大西巨人/のぞゑのぶひさ/岩田和博/幻冬舎)

今日は四巻を読みました。
この漫画が描いている時代は太平洋戦争中の1942年です。
対馬要塞に召集された若者たちが陸軍二等兵として新兵訓練を受ける姿をとおして軍隊の生活を緻密に描いています。

さまざまな階層からかき集められた感じの新兵たちの中で、主人公の東堂は大学中退者のインテリで異彩を放っています…。

四巻も面白かったですが、新兵たちの顔が同じように見えて区別がつかない…。
特に四巻に入って、軍隊の建物の中の描写が続いていて、特に新兵は誰もかれもがずっと似たような服装で坊主頭ばかりなのです。

主人公の東堂だけが、きりりとした顔つきで、理知的なことを言うのでそれと分かるのだけれど、その他の人たちは、もう区別がつかない。

そもそも軍隊というものが同じ服を着せて全員丸刈りにして、個性を封じるのだから仕方がない。まだ戦場でないものの‥と思っていたら、物語の中でも取り違え事件が発生していました。

そもそも、なにか重大な事件が起きたらしい。関係者は口留めされているらしくて、ハッキリしたことが全く分からない。ただ異常事態だということは皆感じています。

そこで新兵たちは噂話をかきあつめてきて、東堂とそのまわりの仲間に意見を聞きにきます。そんなふうに右往左往している新兵たちの中で、東堂は落ち着き払っています。

インテリだというだけでも軍隊の中では、遠巻きに見られたり、嫌われたりするのじゃないかと想像してしまうのだけれど、東堂はけっこう同期の新兵たちに慕われている。上に媚びる態度をしないのと、賢いはずなのに、どこか抜けているところがあるせいのようだ。

自分に抜けたところがあるのを東堂はとても承知していて、率直に仲間たちに説明を求めます。そういった飾らず、素直にお願いできる人柄が好かれる理由なのかもしれない。

…なんて思っているうちに、東堂がこんじょわる上官に呼び出されてしまいました。絶対いいがかりです。いじめられるかもしれない。殴られるかもしれない。東堂がどれほど賢い男でも、どうなるのだか、心配だよ! 

…五巻へつづく♪


■本日の一冊『神聖喜劇 第四巻』 (大西巨人/のぞゑのぶひさ/岩田和博/幻冬舎)
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