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同時代性

本日7月30日日曜日、劇団チョコレートケーキの、「ブラウン管より愛をこめてー宇宙人と異邦人ー」を観劇した。今年のメニコンシアターAoiでの主催公演だ。

本当は初日の土曜日に名古屋入りしたかったが、我が家の7歳さんが発熱した。7歳さんは昔から、私が忙しくなると鼻を詰まらせ、小屋入り(劇場に準備に入ること)あたりで発熱するのが定番だが、今回は私の大阪の本番をスルーしチョコレートケーキに合わせてきた。夫の方は保育園でシフト制、急に休むと人が補充できずに現場が困るため、私が休むことにした。

そして日曜日の本日。母といつもそばにいたいと公言する3歳が泣き叫ぶドアを閉めて、名古屋までやってきた。7歳は鼻水を啜りながら、笑顔で外まで出てきて私を送り出してくれた。どちらも少し前の私には耐え難い現象なのだが、最近は笑顔で「いってきまーす」と言える。私は成長した。

とはいえ3歳さんの必死の縋りつきに負けて、家を出るのがギリギリになってしまい、乗ろうと思っていた新幹線をつかむためにタクシーに飛び乗ったら幸いにもタクシーの運転手さんが福の神みたいな方で、できる範囲で飛ばしますねといってくださり、いつもより8分ぐらい早く京都駅に着いた。8分も縮まる距離なら普段の運転手さんは一体何を?と一瞬何かが頭をよぎったがいいんですいいんです、今日の運転手さんがすごかったんです。

さて福の神にも笑顔で送り出され、私は無事、時間前にシアターにつくことができた。上演中、斜め前で知り合いのお客さんがみるみる涙と笑いに包まれていくのを見ながらたくさんのお客さんの熱い拍手にジーンとなった。大好きな劇団チョコレートケーキを、メニコンシアターAoiに呼べたことがとても嬉しかった。

で、お芝居はとっても素晴らしかった。俳優さんたちは300席の空間をそれぞれの存在感でしっかり埋めてくださって、両端にある二つの別空間と真ん中の模型、そして高さのある夏の空の絵で構成される計算された舞台美術を、正確に生かし切った演出がすごかった。派手なことをしないのに、ひとつひとつのシーンが印象深く頭に残るようになっている。

何より驚いたのは、脚本の内容が私がこの間作った芝居にめちゃくちゃ似てたというか、差別がなぜ起こり、それに立ち向かうには何を大事にすべきなのか、と言うようなことがテーマとして共通しすぎていて、ギョッとしてしまった。

さいきん、同世代の方の作るものや考えていることが、自分の作りたいもの考えたいテーマと酷似していて、これが同時代性なのかもしれないと思う。若い頃は「同時代性」という言葉が感覚としてよくわからなかったのだが最近よく痛感する。

ただ、作るものが作りたいものと似ている、と言う点は外せないポイント。つまり、私が作ったと思っているものが、それに至っているかどうかという点は、私にはわからない。人の作ったものが至っているかどうかはもちろんわかるけど。

あと、私の場合は今回は童話を大枠にして作ったのと、入管の問題をテーマにして書いたので、題材は違うのだが、しかし。

さて今回はこのまま京都に蜻蛉返りして、来週は名古屋三昧だ。「ワレワレのモロモロ」オーディション、そして「ピンポン」と、主催事業が続く。皆様是非、メニコンシアターAoiへ、足をお運びくださいね。


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