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ちいさな物語

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2024年3月の記事一覧

彼は怒っていた。 グツグツと煮えたぎる思い。 このままでは誰かに 酷い言葉をぶつけてしまいそうだと思った。 その時。 足元の小さな穴に気づく。 彼は穴に向かって叫んでみた。 するとグツグツの言葉は瞬時に冷やされ 彼の心も落ち着ちついたそうな。 これは彼が出会った不思議な穴のお話。

幼馴染 #シロクマ文芸部

桜色の髪が風に揺られながら桜子さんはふと思います。 私たち出会ってからもうどれくらいになるのかしら、と。 桜子さんのすぐ隣にいるのは透き通るような肌をした真白さん さらにその隣にいるのはグリーンアイが魅力的な若菜さんです。 三人は幼い頃からずっと一緒、今でもとても仲良しです。 「もう春ねぇ。私、久しぶりにあれが食べたいわ」 「あ、私も同じこと思ってた」 「あら、私だって」 小さい頃から三人で歩く時の並びはいつも決まって 桜子さん・真白さん・若菜さんの順番でした。 そう

アルバイト(4コマ漫画)

ーー おふたりさんのアルバイト日記 ーー 【本日のアルバイト】 おふたりさん 今日もアルバイトお疲れ様でした♬ * 前回のアルバイトはこちら。 ではまた。

キャンバス #シロクマ文芸部

目の前には一枚のキャンバス。 題名と作者は、わかる。 けれどそこに描かれてあるものが僕にはわからない。 そこにあるのはただ真っ黒なキャンバスだけ。 時折人が来てはその黒いキャンバスに見入っている。 どうやら他の人には見えているらしい。 「美しい」「色がいいね」 そんな会話が聞こえてくる。 誰よりも長くキャンバスを見つめている人がいる。 僕は聞いてみた。 「ここには何が描かれているのでしょうか?僕にはただ真っ黒にしか見えないのですが」 「おや、そうですか。今あなたには季節