見出し画像

漫画封神演義のファンが覇穹と仙界伝を一気見した感想

dアニメストア契約中に、両作品を視聴できることに気が付いたので


藤崎版封神演義とのファーストコンタクト

  • 子供の頃、親友が封神演義とかいうものが面白いと話す

  • アニメを発見、録画して見る。最終回の4話前だった
    OP・EDの求心力と、終盤のシリアスな雰囲気に惹かれる

  • 漫画を買う。…大熱中!
    絵の力、コミカルさと真摯さのバランスがスッと入れた理由かな。

  • 友達、クラスメイトも皆ハマったようで、一躍ローカルブームに

当時はメディアミックスとかいう商法も分からない年頃で、ドラマCDやキャラクターソング、ゲーム。たくさん買っちゃいました。
(キャラソンは今でも全然好き)
原典小説は図書室で読もうとしたけど、当時の自分には難しすぎて残念ながら途中まで。

さて漫画版他の話はここまで。
アニメに焦点を向けてみます。

アニメ仙界伝、それまでの印象…

🤔原作と比べると絵柄がいまいち。癖が強すぎる。
🤔セル・デジタル混合で画調がバラバラ。流石に気になる。
😀静けさのある空気感が良い、釣り針の話が好きだった。
😇OPEDの歌が全てを補って余りある良さ。
😄声優のチョイスがベスト。
😭そもそも話数が少ない。ジャンプ出身なら1年くらい枠くれても…。

仙界伝は 個人的に印象悪くありません。
このとき原作ストーリーでやってたら、非常にいい作品になったかもしれないけど…
漫画読んだ人ならご存じ、先生は話を変えてやってほしいという希望だったようですし。
それに漫画自体アニメ調フィルムコミックのような、美しく完成された画面・構成なので、わざわざアニメ化する効果が薄いのかもな。と納得してました。

が……私は藤崎版屍鬼のアニメを見たのです

藤崎版屍鬼のアニメはとても良かった

フジリューの特異性をアニメにするのは正直無理だろーと思っていたら
これは……非常によくやってくれたと思う。
封神アニメは必ず、いつか可能になると思わせてくれる良い出来でした。

フジリューファンは是非見て癒されてほしいのですが、
なぜかネット配信がほぼない
ノイタミナだから?いや、のだめとか普通にあるしな……まさかG〇CKT?

いつか再アニメ化するだろうと思っていたら

封神演義といえば、ストーリーが綺麗にまとまった名作ジャンプ漫画として紹介されることも多い。
世代的なファンも少なくなかろうということで、〇周年にかこつけて、いつかアニメ化する可能性は高いだろうな、と思っていた。

当時、覇穹が発表されるより少し前…
2016年6月16日がどうやら "連載開始20周年"
このタイミングに発表がないなら、25か30周年までアニメ化はおあずけか…

と、あきらめていたら突然アニメ化の情報が入ってきました。覇穹です
やはり考えることは皆同じかと、この時は思った。


しかし不安が。20周年に合わせるにしては発表が遅いし…

  • アニメ公式サイトに、もう一歩気迫が感じられない

  • 声優変更はアニメに合ってればそれでよい……と思うが個人的に微妙な選出。

  • 制作会社がアニメ屍鬼の童夢ではない。
    (童夢は16年以降に事業撤退されたそうです、残念…)

しかもよく見ると仙界大戦がメインであるとの表記…。
この時点でまぁ期待していたものは望めないかなと。
仙界大戦編はもちろん好きだし見せ場もたくさんあるけど、
封神演義を好きな人でここだけアニメ化されて嬉しい人はいるだろうか…
「老賢人に幕は降り」までは仙界伝がアニメ化していると言えなくもない。
初見向けを捨ててOVA風に仙界大戦編をアニメ化するつもりなら、個人的には悪くない。

少々残念なことに、私が大好きな趙公明はアニメ化しないことは確定かと思われました@´・ω・`@
(※視聴後: 全然嬉しくない形で出てた!!@´;ω;`@)

さて…………

これほど期待ゼロで見たうえでの覇穹1話は、想像以上でした。


非常に残念ですが、多方で言われている通りの感想です。
原作を無闇に切り貼りしたような構成が非常に心地悪い。
3話の楊戩で早々に限界を迎え、その後は見ずじまいに。


そして今更ですが覇穹を一気見してみました


残念承知で見るならば、案外悪くないところもあるのではないかと思い、ゆるーい気持ちで視聴再開。
それでも12話くらいまでは辛かった。

作業用BGM程度の気持ちで見たくても、声優陣の声質が青年イケメンボイスに偏っており、いまいち聞き分けができない…
画面を見ていてもちょっと紛らわしい。
太公望と武吉、申公豹と哪吒の声がそっくりに聞こえるんですが、自分の耳がダメなのか?
(個々の声優さんはそれぞれ好きなはずなんですが…不思議なものだ)

ところが謎のオリジナル描写が炸裂する総集編…?
13話「鏡」を境に、どういうわけか普通に見れるようになってきました。

単純にオリジナル色が出たことで別物認識が可能になったのか

作中時間軸?原作付きアニメ化という常識?をぶち壊されたおかげで、
こちらも漫画版にとらわれず見ることが出来るようになったのか??

13話「鏡」の個人的に好きなところ

鏡の部屋で、太公望と仲間キャラが描かれているオリジナルカット。

覇弓太公望はさんざん活躍を削られ、内面の魅力にとことん欠けるというか、何を考えてるのかいまいち理解できない。
漫画版と同一視するのも心情的に厳しい。

太公望は戦果的な活躍に価値があるわけではなく、こずるい…ふざけた振る舞いの中に、強い真摯な精神が覗くところが魅力だと思う。

13話「鏡」は、アニメオリジナルの「描写」があることで、やっと覇弓太公望が他キャラに対して感じている心を垣間見ることができた。
こういう描写は嫌いではないです。

今までは、冒頭末尾に意図不明の回想/未来シーンが挟まれていて気を削がれてきましたが、この回はほとんどが太公望の追想シーンで構成されている。
中途半端さにやきもきさせられない。
(仙界大戦中心なのに伏羲や女媧、道標エピソードを入れてしまうのは質の悪いネタバレみたいで気分良くないですが、この辺はもう手遅れです)

王天君と妲己の描写味付けが、流石に原作から読み違えてる気がするなど、モヤモヤはあげればキリがないですが……

あと、ここから視聴感がマシになってきたのは、次の14話からOPが変わったせいもあるかな。後期OPはわりと好き。
もともとラスベガスのアニメ曲は、知ってる範囲では好きなのばかりだったけど、覇穹前期OPはいまいち好きになれなかった…
封神にラスベガスをあてるセンス…うーん……

構成、制作体制の謎、なぜアニメ化を急いだのか


覇穹といえば冒頭末尾中間にさえ、終盤のネタバレ映像が頻繁に入る。
ただでさえ2クールしか尺がない、足りないのに、同じシーンを3度4度も繰り返し挿入することも。
終盤のふさわしいタイミングで見れば普通に良いシーンに見えるのに「なぜ尺を削ってまで唐突に挿入してきたのか?」という疑問が付きまとう。
この構成の意図はどういうものだったのか…

アニメ放送とは、序盤でいかに視聴者を捕まえるかの工夫が重要だという考えがあるらしい。
(まどマギの3話衝撃の理論、異世界転生系アニメのスピード展開など)

その観点で見れば、初見視聴者向けに「このアニメは決戦やシリアスなシーンがある作品だ」と序盤で伺わせることは重要なのかも…しれない。
今の時代はネットの評判が大きなウェイトを占める気がするけど…。
そうでもないのかな。TV放送する以上はTVの法則に縛られるのかな。

単純にこの構成がエモいという感性もあり得るかもしれない。
その場合、私とは合わない感性だが…

一番あり得るかも、と思ってるのは
制作に全く余裕がない企画で、放送を落としかねない。その対策だった線。
最初に終盤のシーンをつくり 尺稼ぎに使う。
画面や色のこだわりが十分に見て取れる覇穹なので、イメージボードみたいに重要なシーンを先に作って、あとはそれらを参考に作っていく流れだった……とか?

どうやら総集編サンドがあったらしく、放送を落としてしまう程の困難な制作状況であったことは伺える。
そういう観点で見れば、よく頑張ったと言えなくもないけど、そもそもアニメ企画を急ぐ必要はどこにあったのだろう?


ジョジョアニメも周年記念からスタート

昨今のジョジョアニメ……も調べてみると、25周年企画(荒木先生デビュー30周年)のお祝い企画で始まったものらしい。
終了済み漫画のアニメ化は、周年記念を逃すと商業的に厳しいとか?

そもそも藤崎版封神演義は、当時の自分ら世代にはヒットしていたけど、他の層ではどうだったのかは知らない。
漫画の発行部数は調べるといろいろ出てくるけど、十分売れてるけど中堅に入るのかも。
藤崎先生のマンガは独特の癖が強いタイプ。封神は氏の中でかなり読みやすい部類に入るとはいえ、ハマらない人も多いかも。

ジョジョ1・2部のアニメ化も原作ファンからしてみれば、当然不満いっぱいだったと思う。自分にはいいアニメだったけど。
ジョジョは真面目なファン以外にも、妙に有名なフレーズ、ネタ性や、ファッション・アート性の高さ、漫画の総合部数なんかが、商業性に大きく結びついているように思う。

そういう意味では封神演義のコンテンツ的な弱みは、共有可能なネタ性が薄いことなのか?

もっとも有名なネタがハンバーグって……、怖いよね😂😂


各キャラクターや声について

太公望

初動の活躍をカットされただけでこんなにも信用に欠けるキャラクターに…。漫画既読でも「なぜこんな奴を軍師に?」と思えてしまうのが本当に悲しい。
声は、結城さんが使えないなら現代ではこの方がベストかなと思った。私はけんしょーさんの声好きです。

スープ―

櫻井さんは、この頃から遊戯王のAiといいコミカルキャラをやるようになりましたね。初期は違和感ありましたがもうすっかり慣れました。(Aiもだけど、進化スープーを前提にしたチョイス?)

奇しくもこのアニメ、遊戯王声優が多いのでそういう意味でも面白かった。
遊矢がAiカバにのる主人公。Ⅳを父親に持つ十代などなど。

天化

KENNさんはそのまんま十代に聞こえることがあるけど、天化のキャラクター性を考えたら悪くないなと思った。味のある役者さんです。

飛虎

最初は飛虎役に細谷さんはまだ早いのでは…、と思ったけど別段そうでもなく、今回は全くナチュラルに聞けました。
Ⅳのイメージが強いせいなのか、細谷さんは100%善性の声質には聞こえないのでちょっと不思議な感じも。
(仙界伝の飛虎の声は、今聞くと細谷さんより声が高いね)

黄飛虎や聞仲はそもそも中年男性枠なのか?ギリ青年男性枠なのか?フジリューはどういう印象だったんだろう。二人とも道士系だしなあ。

申公豹と哪吒 声似てる?

申公豹自体は悪ないなと思ったけど、問題は他にも似た声質の人が多数おり、画面をしっかり見ていないと誰が誰の声なのか…
特に哪吒が同じ声に聞こえてしまう…。前作哪吒の声質がキャラに合ってたと思うので少年系の声が良かったかも。

普賢

彼も大目に見て、単体ではこれもありかと思えるのに、大多数が青年イケメンボイスなのでどうしても引き立ちにくいものが…
緒方さんの声質はピッタリすぎたね…。
あと、普賢って漫画で見ると違和感ないのに、アニメになるとデザインがいまいち気になって仕方ない…

妲己ちゃん

彼女はヒロインというか、個人的に太公望にとってなくてはならない重要ライバルと思ってるけど、仙界大戦では待機モード。
だから出演自体サービスかもしれないけど、できれば海より深くて分かんない魅力……を表現してほしかったなぁ!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?