(過去作)間違い電話と語ってみる

個人情報保護法ができてから個人情報の取締りが厳しくなっている。
会社の誓約書書くときも、銀行の口座作るときも、必ず「住所、電話番号等の情報はよそには漏らしません」的なことが書いてある。
ここまで徹底されるとそのうち病院に友人の見舞いに行っても、個人情報保護で部屋の番号を教えてくれないんじゃないかと思ってしまうほどだ。


しかし、これほど徹底されている一方で漏れるところでは思いっきり漏れるのが現実。
CD屋やレンタルビデオはたまたカラオケ屋で会員カード作ったときなど、情報が流れる最も多いケースじゃないかと思っている(もちろん一部だとは思うが)。

しかし情報が漏れるケースはこれだけではなく、思ってもみないところで漏れる場合がある。

あれは大学新入生だったころ。
入学式も終わり新たな生活に胸を弾ませていた。
田舎から都会に来たので、大きな街、暖かな気候と毎日の晴天、一人暮らし、全てが初のことだった。
さらに初といえば携帯電話!
高校時代は別に必要ないとわかっていながらも、持ってる人がちょっとうらやましかった。


しかし初めて手にしたこの携帯電話、番号が紛らわしいのか間違い電話が異常に多かった。
一時期は私への用件より間違いの方が多かったくらい。

あまりにもの多さに多少うんざりしながら丁重に諭したりしたものだ。
勿論、「間違っていますよ」と伝えると、「あっ、すいません」と謝ってくれる。
しかし、例外が一部どころか多数あった。


プルルルー♪(知らない番号)
私「はい、もしもし」

相手「あ、お疲れ様す。○○です。」

私「えっ、○○さん??」

相手「はいそうです。今日は本当にお疲れ様でした。」

私「ああ、お疲れ様でした。」

相手の勢いに押されて思わず適当に答えてしまいました。

相手「明日もまたよろしくお願いします。」

私「あの、ところで私ニールと申すものですが、電話番号をお間違えじゃないですか?」

相手「えっ!××さんじゃないんですか?」

私「はい、私ニールです。」

相手「いや、番号これで合ってるんですけど。」


つい話しに乗ってしまった私も悪かったのですが、なぜが相手は相当の確信を持っています。
普通、間違い電話は指摘されたら確認してもう一度掛けるものだが、そのときはちょっと違う。
「あなたがニールだろうがなんだろうが私は××にかけているんです。××を出してください!」と逆ギレされそうな雰囲気です。

私「いや、でも間違いだと思います。この番号、結構間違い電話多いんですよ。」

相手「(ちょっとの間) ん~、そうですか。わかりました。ガチャッ!」

なんとかわかってもらえたようですが、相手は謝ることもなく、不満そうに電話を切りました。

上記は学園祭の初日が終わった日の話。
どうやら私と番号を間違えられた××さんは私と同じ大学で、なにかサークルに所属している二年生以上の男性のようです。


それからしばらく経ってのある日。

プルルルー♪(また知らない番号)

私「はい、もしもし。」

相手「タケシやけど、○月○日のことどうする。」

いきなり相手は本題に入ってきます。
このとき、タケシという名前に心当たりがありそうでなさそうな状況だったため、すぐに間違い電話だと言い切れない状態。
自分が忘れているだけだったらタケシ君に失礼なので、とりあえず話しを合わせることにします。

私「ああ○日か、どうしようか?」

タ「俺たち金ないけどせっかくだからいいものあげたいじゃん。」

私「ああ、それはそうだよね。」
(↑せっかくプレゼントあげるならいいものがいいのは間違いない)
ちなみにこの辺で間違い電話だと気付きました。しかし言い出すタイミングが掴めない。

タ「でも俺ら今あまり金ないじゃん。」

私「そうだねぇ。」
(↑確かにそのときお金なかった)
恐らくこれは母か父の誕生日に兄弟でプレゼントを買う相談だと思います。
声が幼かったので、相手は弟でしょう。

タ「だからどうしようかと思って。」

私「確かに。どいうしようかねぇ。」
(↑そんなことよりこの状況どうしようか)

タ「う~ん(なんかいいプレゼントないかなぁ)。」

私「う~ん(なんかいい気付かせ方ないかなぁ。)」


架空請求など相手に悪意がある場合はいくら遊んでもいいのですが、さすがに悪いのでスマートさは捨てて率直に相手に伝えることに。

タ「だから俺としてはね、」

私「ああ、ごめんなさい。多分電話番号間違えてらっしゃると思うんですけど。」

タ「えっ、そうなんですか。」

私「ええ私ニールと申すものですけど、僕に用ではないですよね。」

タ「ああ、違いますね。」

私「じゃあそういうことですよ。どうもすいません。」

タ「あ、はい。はぁ。どうしようかぁ・・・ガチャッ!」

自分の確信がもてないばかりに間違いの指摘が遅れて申し訳ないことをしました。
しかし、最後の「どうしようかぁ・・・」は笑えた。

この二つの間違い電話からわかるように、私と番号を間違えられた××さんは同じ大学に所属し、何かのサークルに入っているようです。
そして、弟がおり父か母の誕生日にプレゼントをあげるという大変親想いの兄弟です。


間違い電話から結構な個人情報が漏れるものだと実感。

当たり前ですが、こんな個人情報の漏れ方は稀で、ほとんどが前述したように店のカード作るときに書く住所や電話番号からです。
従って、ごまかして書けるものはごまかしましょう(やっても法律に触れないよね、多分)。


ちなみに先週の土曜日にちょっと大きなリサイクルショップで古着を売りました。
都会ではさほど珍しくないブランドも田舎では貴重らしく、10点で1万円強になった。
これは結構嬉しかった。

そして売るときに住所と名前と実家の電話番号を書いたのですが、
その晩にアポイントメントセールスから電話がかかってきましたよ。
こっち戻ってきてその手の個人情報書いたのはそこしかなかったので間違いないでしょう(タウンページでは親の名前だし)。


そんな訳で先週、昼は会社で研修、夜はアポイントメントセールスとバトルという日々でした。
今回の相手はちょっと手強かった。
そのお話しはまた後日。

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