三点リーダー芸人の『PHANTOM』雑魚感想文

最期の選択について(超)個人的見解

 ファントムを観てから、ずっとエリックの最期について考えていました。彼の最期について、私の見解は先日ツイートした通りです。

 私の言いたいことは大体これに集約されているのですが、こまごました話をせっかくなのでここに書き留めます。

 これは個人的な感想なのですが、私にはエリックがずっと演劇の中を生きているように見えていました。自分の人生と演劇、現実とフィクションが混濁しているような……もちろんエリックの身に起きた出来事も彼が抱いた感情も本物であることに違いはないのですが、それをひっくるめて彼という物語の完成度をずっと気にしている感じがするというか……

 この世に生まれてからずっと頭上から漏れ聞こえてくる演劇で人生を学んできたエリックにとって、「物語の結末」には大きな意味があるのではないか……その感覚が、最後の分岐点を前にしたエリックに「今ここで死ぬ」という選択をさせたのではないかと感じました。父と初めて心を通じ合わせた夜にその手で命を奪われるなんて、まるで脚本があるかのような終わり方じゃないですか……彼はそれをこそ望んでいたのかもしれないなと

 あの晩オペラ座で起きたとある父子の事件が、パリに住む人々の間で「やるせなくて 美しい悲劇」として語り草になるためには警察に身柄を確保されるわけにはいかなかったんですよ……センセーショナルで野次馬の興味を引くだけの事件ではいけなかった。ロープに吊られながら、残された道は死のみと悟ったエリックは 悲しいけれど満ち足りた心地だったのではないでしょうか……

 ファントムの劇中には私が理解しがたい気持ちの移り変わりが沢山あって、この物語を好きになれるかがわかりませんでした。(自分の中にないものに触れられるのが観劇のいいところでもあるのですが)でもキャリエールがエリックを撃ったのを観て、他の納得のいかなかった何もかもがどうでもよくなっちゃいましたね……これで”完成”するのかもな、と思ったら肩の力が抜ける感じがしたといいますか……

 もちろん彼にはハッピーエンドを迎えてほしかった気持ちもあるにはありますが、これから幸せになるには罪を犯し過ぎたかもしれないですね……

雑多な感想たち

 読後感というか、観賞後の後味は良かったですね……余韻に浸りつつ拍手を送りました

 音痴だって教えてやれよ‼︎でめちゃ笑ってしまったり、怯える割に積極的に話しかけに行くところが行動力のある変態(※褒めています)って感じがしてウケてしまったり……

 個人的ナンバーワンシーンは愛している、呪ってやる!と絞り出すように歌う例のシーンでした。あそこは1番の笑顔で観ちゃったな……(ニチャ) サイコーだったので。申し遅れましたが私、矛盾した2つの感情が鬩ぎ合い苦しむ人間が大好き芸人と申します。クリスティーヌがエリックの顔の恐ろしさに逃げ出した時は「ア"ーーーン泣 」てなっちゃいましたけど、エリックに紙一重の愛憎を教えたと言う点ではグッジョブではありましたね(クソ)

 それと物語に集中するあまり忘れていましたがエリックさん、チョギュさんなんだよなあ。貴方演技も""できる""のね……参ったわね……

ご静聴に感謝

 読んでくれてありがとう。気をつけて帰ってください

p.s.  楽屋?の鏡、集合体恐怖症には辛いものがありました





 

 

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