2023年の振り返り

はじめに

今年は自分の人生でも稀有なくらいたくさん現場にいき、その分だけ幸せになったり泣いたり心が動いて、そんな前後にそばにいてくれるともだちすみーに感謝した1年間でした。みなさんほんとうにありがとう!と共に、なんだかいろいろ葛藤していた今年の私を振り返って締めくくろうと思います。

記憶に残ったステージ

1.Display


初日埼玉から最終日横浜まで一緒に駆け抜けたDisplay。いろいろあった1月は進んでも進んでも先の見えない沼に肩まで浸かってもがいて嘆いて意識のないまま時だけが進んでいたような1ヶ月で、そんな月が終わってもなお”1月”がまとわりついたままだったゾンビこと私が会場ごと浄化された初日のステージ。強くいるための努力や覚悟を隠したまま楽しさや笑顔のベールで暗黙のうちに強さを知らしめる胆力。そこから始まったツアーは全公演楽しくて頼もしくて、OCTPATHのエンターテイメントに照らされる人生なんてものがあったらそれはもう最高だなとその先の人生にOCTPATHを描いてしまうまでで。私自身全ステというのが初めての経験だったのもあり、なんかOCTPATHと一緒ならどこまでも行けるみたいな無双感とかさえ感じそうなくらい、一体感が骨の髄に侵食したのがこのツアーだった(後から振り返るとここで感じた"一体感”が尾を引く影になるとはこの時は思いもよらなかった)。

2.シティガーデン(豊洲)


本番まで1週間切った段階で発表されたにも関わらず、しゅぽ現場?!最高?!の脳直で元々あったユニバ行きの予定蹴って臨んだシティガーデン(なおユニバ行きメンバーは奇跡的に全員しゅぽ狂いだったため全員が全員仲良く約束蹴り上げてニコニコ豊洲集合)。

個人的にはなぜかこの1年でHIPHOPにも片足突っ込んでいたものの、自分が好きなラッパー達とは宗派が違うから生で見ることはないだろうなと思ってたラッパー達が勢揃いの現場。それでもステージを見るとものすごく魅了されて、こうやって一続きにいろんなラッパーのステージを見ると、トラックにもフロウにもリリックにもそれぞれに痛いくらい各々の個性とスタイルが露呈されていて。自分というものにスッと切り込みを入れてぐりんとひっくり返し内臓を全て外に出すような作業を見ているみたいに、”自分”というものに肉薄していてそれがすごく魅力的で。正直パーソナリティもバックグラウンドも全然知らない人たちなのに不思議なくらいのめり込めるステージが続く中、たどり着いたしゅぽラップステージ。

正直マジで記憶ない。記憶ないくらい最高でとりあえず良かったという感覚だけすごく残っていて、ケンザさんに喰らいつくその姿、それを目の当たりにするまではあるなんて夢にも思ってもみなかったけれど、これは確かに待望したものだったと全身全霊五臓六腑(?)うなるようなステージだった。

と同時に、前段までのステージで喰らいすぎてた私としては、こんなに自分を削ってエンタメに昇華してるラッパーたちと名を連ねて"ラッパー”と名乗ってしまったからには、下手なことできないしアイドルだからとかそういう御託並べてらんないんだと、こりゃえらいことになったなと、そう思った訳です。

しゅぽのステージで感じた「すごさ」は、「海帆くんがレベル分けで披露した『インファイト』を、その時のトレーナーであるケンザさんとその時の仲間であるMaisonBのふたりとそしてチームメイトとして小競り合いしながらも高め合ってきた柊と、こんな最高のステージで披露した」という文脈に基づくものが少なからずあるわけですが、これから「ラッパー」と名乗るためにはそういうの抜きにしてマジで人の心惹きつけないと、”ダセェよ”になっちゃうんだなあと思って、このステージに立たせたケンザさん本当に親ライオンですね………と、後から思い至って鳥肌でした。

この時のOCTPATHを取り巻く環境は本当に混沌としていて、大好きなメンバーが1人いなくなった空虚をさらに抉るように大好きな友達が1人また1人といなくなるという現実を、私はただ手のひらから砂がこぼれ落ちるのを傍観するように無力に無気力に見守ることしかできませんでした。OCTPATHを起点として繋がっていたからこそ、繋がれなくなる理由もきっとそこが大半で、それは自明なのだけれど、実際に共に好きだったはずのOCTPATHを理由として人がいなくなっていく現実をどう受け止めていいのか分かりませんでした。

そんな現実の情景から少し、いやだいぶ、視点とスケールを広げてくれたシティガーデンのステージは、非常に貴重で最高な現場でした。泥くささが反転して気高さに変わる瞬間まで、見届けたいと思いました。

3.THE OCTPATH


なんか、すごく正直なことを言うと、どう形容したらいいのかわからない現場No.1でした。

海帆くんはいつもどおりピカピカキラキラしていて、でも全体のあれこれをうまく受け入れられていない私には、その価値や色彩が上滑りしているようにも感じられる瞬間がありました。海帆くんをいつも通り楽しく嬉しく享受したい気持ちと、だいじょうぶ、これは慣れの問題なんだと思う気持ち(原文(?)そのまま)が拮抗して、楽しいのに涙が出そうみたいなアンビバレントを自覚せざるを得ませんでした。Be with youのイントロが流れた瞬間、自分でも何が起こったかよくわからないまま嗚咽が漏れていて、隣にいた友達が静かに背中をさすってくれた手の感触とただただ混乱する思考の中、8人はしっかりとこの曲を歌い上げていました。時が流れるのと同じくらい自明なこととして、人は変わるしもちろんOCTPATHも変わる。私は臆病すぎて、そういう当たり前に背を背けていたんだと思う。とにかく自分でも訳のわからないほど涙が溢れてきて。そのとき脳裏に浮かんだ「誰のためにこれを歌うんだろう?」という問いに対する自分の答えが、きっとこれから先この8人の口からは発せられない答えであろうと思ったその虚しさからなのかもしれない。この曲は今までずっと彼の曲で、でもこの局面できっとその答えは許されないと分かって、それでも前を向いて発信してるんだろうなあと。セトリの中盤にいきなり登場したのも、意味を重くしすぎない考慮なのかなと思い至ってしまってダメだった。私にはまだ全然意味重いよと思ったし、彼とそんな彼を待っていたみんな(メンバーとオタク)が全員優しいスタンスであったことを忘れられないので、そこを誰も踏まないで、土足(被害妄想)で………という。もうこればっかりは主観なのでなんも言えないけど、なんだかすこぶる感傷的になってしまって、曲終わりまでずっと涙と嗚咽が止まなかった。あれはなんかこれまでもこれからもあんまり経験しないタイプのステージかもしれない。

こうやって少しずつ彼がいない8人に慣れていくのだと思うし、そこに伴う痛みが”前向きな痛み”であることも分かる。分かるけど、その痛みを"前向き”と捉えることに罪悪感があるのだと思う。きっとそれは誰も望んでいない罪悪感なので感じたところでしょうがないのだけど、でも彼がいなくなって新しい体制になるにつれて傷ついた人を、その名前と顔と言葉を、知っている私には綺麗事ではない痛みである。

正直、2023年の後半になって、Displayの時に感じていた"一体感"なるものはあの体制のOCTPATHに対する執着だったのだと気づいたりどこまで行ってもエゴだよなというのを思い出したりもして、なんかそういうので辛くなったり一方でなんでこんなことで辛くなってるんだと自分を嘲笑したり、心を情景に例えるならば荒野にあるシーソーが不意な風で大きな音を立てギッタンバッコンするみたいな感じの半年だった。

とは言えじゃあ痛いよと言えばいいのか、つらいからどうにかしろと言えばいいのか、そうではないだろうと思うくらいには歳をとっていてでもそれを心に留められないくらいには未成熟で、そんなことを最後に共有してあーだこーだ言っていたら2023年が終わろうとしています。

終わりに


今年1年間遊んでくれて会ってくれたおともだちたち本当にありがとうございました。

いつもラインしてるあなた、出会って1年弱くらいなのにずっと友達みたいにそこにいてくれるあなた、趣味が同じでずっと会いたかったあなた、たまたま神社で会ったあなた、TLでずっと見ててやっと会えたあなた、偶然1年ごしに席が隣で再会したあなた、現場に行ったらきっと居てくれるあなた、みんなみんな大好きで会えたら嬉しくて最高で誰も居なくなってほしくないです。

みんな最高だけど特に楽しかったのは、OCTPATHが沖縄進出しちゃったりしたもんだからオタクと一緒に沖縄旅行!みたいなのもして、みんなのお名前の由来とか聞いたの本当に愛だったなあって今でも思い出す(ばかすぎて半分くらい記憶薄れてるから今度会ったらまた教えてね、あと全然その場にいなかったすみのも知りたい)。

もともとファンコミュニティに属するのあんま得意じゃないので、こういうの書くのムズムズしつつでもそれ以上に嬉しいことがたくさんあって伝えたくなって、そういう自分を大切にしたいなと思いました。

OCTPATHくんたち、私の人生にこんなにおもろいこと起こしてくれてありがとうな、来年もどうぞよろしく!!!! 



蛇足-2023年行った現場(備忘録)


1. 1/20  FM802 公開収録(大阪)
2. 2/11  DISPLAY 埼玉
3. 2/23 仙台昼
4. 2/23 仙台夜
5. 3/2    大阪
6. 3/3   大阪
7. 3/12  福岡昼
8. 3/12  福岡夜
9. 3/19  名古屋昼
10. 3/19  名古屋夜
11. 3/28  横浜
12. 3/29  横浜
13. 4/22  tune(三茶の女子大)
14. 8/2    サマステ(六本木)
15. 9/6    黒フェス(豊洲)
16. 9/24  オキコレ(那覇)
17. 10/28  シティガーデンしゅぽ(豊洲)
18. 10/29  甲南女子大学祭(神戸)
19. 11/22   ミュージックトライブ(水道橋)
20. 12/18  THE OCTPATH(立川)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?