22A/W特別号 特集「今から間に合う!この冬"推したい"アストンヴィラ!」

 やあみんな、元気かな?いつの頃からか代表ウィークや国際大会への興味と情熱が薄れてしまったアストンヴィラ限界おじさんだよ。

今回は「今から間に合う!この冬"推したい"アストンヴィラ!」特集ということで、ワールドカップ前に活躍した選手と、中断明けの後半戦で要注目な選手をそれぞれピックアップしていくよ!

これで今日から君も立派なアストンヴィラオタク!後半戦への高まる期待を胸に、レッツ沼落ち!


前半戦振り返り

ジェイコブ・ラムジー

 現地ファンが「One of our own」と表するアカデミー生え抜きのミッドフィルダー。昨季開花した推進力と得点力を活かしながら、今季はより器用な立ち回りで周りを活かす役割もこなす。深い位置からドリブルやランニングで一気呵成に前へ出るスタイルをベースに、ウナイの就任後は一列前で起用されると見事ゴールで期待に応えてみせた。アカデミーでは10番の仕事が多い様子だったが、433の中盤や4222のシャドー、442の左などでも出場経験があり、戦術的な理解度も高い。スタータレントの低年齢化が進む中で21歳という年齢はやや見劣りする感があるものの、まだ伸び代がある期待の若手であることに疑う余地はない。昨季は地元メディアからフル代表入りを推す声があがるなど、元監督スミスが率いるノリッチにローンアウト中の弟アーロンと共にヴィラの未来を担う旗頭のひとり。

自称プレミア通の前で彼の名前を出せれば相当通ぶれる。


レオン・ベイリー

 ブンデス通算119試合28ゴール、推定3200万ユーロという移籍金で加入した昨季は、序盤こそインパクトを残したものの自身の怪我もあり終盤に失速。コンディションも上がらないままシーズンを終えてしまった。今季序盤はシャドーやフリーロールのウインガーとして中央に近い位置での起用が多く、ダイレクトにゴールへ向かうプレーや指向が増えた印象。ウナイの就任後に2トップの一角で起用されるとその真価を発揮し、ユナイテッド2連戦で2連発(カラバオでのゴールは公式記録でダロトのオウンゴールになっている)と猛威を奮った。ドリブルなどのボールプレーに拘った昨季からの変化を見せ、母国ジャマイカの英雄ボルトに負けじと脅威のスプリントスピードで新しいスタイルを確立出来るか。本人が期待していたようなアウトサイドでの起用は減りそうだが、このフォームを維持出来れば今季のキーマンとなることは間違いない。

エミリアーノ・マルティネス

 アルゼンチン代表でゴールマウスに立つと無敗という超人的なニュースが目に飛び込んでくる、アストンヴィラ不動の守護神。今季は序盤から新加入や負傷離脱が目立つ守備陣のミスから危険に晒されるシーンが多く、キーパーにはどうしようもない失点や、自身の判断ミスから苛立ちを露わにするなど立ち上がりは上々と言い難かった。それでも守護神としてのプライドか、彼にしか出来ないシュートストップやキャッチングは健在で何度となく失点を阻止する場面も。ウナイの就任後は積極的にビルドアップに関与する一面も見せ、ますます替えの効かない選手に。ワールドカップも控え、脳震盪のリスクから出場を見送るかと思われたブライトン戦を「このクラブに全てを捧げる」と強行するなど熱い男。自身が同数でタイとなったフリーデルのシーズンクリーンシートの記録更新にも期待がかかり、後半戦も要注目。

レアンドル・デンドンケル

 個人的に前半戦のサプライズ。夏のマーケット最終日にウェストミッドランズのライバル、ウルヴズから滑り込みで獲得したベルギー代表は誰の目にもマルチロールのバックアップとして映っていた。スクランブルやクローザーとしての出場が見込まれていたが、ウナイの就任初戦、ユナイテッド相手に初先発すると自身の価値を証明してみせた。まさしく「黒子」のような目立たないが堅実なポジショニングでチームを支えると、翌週のブライトン戦でも先発出場を果たしヴィラファンの心を掴んだ。これまで同ポジション、ほぼ同じタスクで起用されていたナカンバの弱点だった「高さ」の不安も減り、どんな監督もひとりはこういう選手を手元に抱えておきたくなるだろうという印象。ワールドカップを戦うベルギー代表にも召集され、その経験をクラブに持ち帰る後半戦も仕事人として期待がかかる。

そしてここからは後半戦に期待のかかる選手!サプライズはなし!かなり順当に選んだぞ!

ブバカル・カマラ/ディエゴ・カルロス

 今夏のマーケットでビッグクラブも注視した実力者2人は、シーズン序盤に思いがけない負傷で長期離脱を強いられた。両名ともワールドカップも期待されていた矢先の出来事に、ヴィラファンのみならず多くのフットボールファンにとって衝撃的なニュースとなってしまった。カマラは中盤に君臨し、ディエゴは最終ラインから積極的にパスで攻撃参加するなど非常に好調だっただけに、早期の戦列復帰が望まれる。1枚でアンカーとして被カウンターの対応やカバーリング、逆サイドへの展開が出来るカマラは中盤で起用されるメンバーの選択肢を広げることができ、ボールプレーが得意な現代型CBのディエゴはビルドアップに不安のあるコンサとは違った特徴を数試合で見せていた。ウナイの下でも活躍が期待される2人だが、カマラは既に復帰を果たしている。それでも細かい部分で不安も残り、ディエゴは未だ別メニューで調整中。後半戦でさらにその価値を高め、自身とクラブの地位を確固たるものに出来るか。

ジョン・マッギン

 スコットランドでは既にスターのひとりに数えられ、代表では勿論不動のレギュラーとして戦う「タフネス」を体現する選手。しかしヴィラにおいては昨季中盤以降、坂道を転げ落ちるようにパフォーマンスが低下。パス、ドリブル、守備の全てでミスを犯し、「これ以上落ちるのか」と不安になるほどの地獄を味わった。4月頃からやや復調の兆しを見せたものの、今季も開幕からトップフォームとは言い難く、チームの不調と共に遂にはスタメン落ちも。この中断期間の課題は明確にコンディション調整となり、カマラも復帰した熾烈な中盤のメンバー争いに名乗りをあげたい。代表ではトップ下での出場があるだけに、これまで起用されてきたセントラルのポジションだけでなくシャドーの位置でもアピール出来るか。何としても信用を取り戻し、またヴィラパークにいつものチャントを響かせて欲しい。

オリー・ワトキンス/ダニー・イングス

 昨季は一部で注目を集めた"Watk-Ings"の2人も、今季は起用法の影響もあり15試合を消化して計7ゴールと少し寂しい数字に。共にイングランド代表経験もあり、最前線の脅威となる2人の復調は後半戦において必要不可欠。ウナイの就任後、リーグで戦った2試合はそれぞれが交互にスタメンに名を連ね、ユナイテッド戦ではワトキンスが1ゴールとアシストに繋がるポストプレーを見せ、ブライトン戦ではイングスがPK含む2ゴールと新指揮官へ猛アピール。それぞれ特徴が違うだけに併用も考えられるが、新境地で輝きを放つベイリーが序列争いのトップに躍り出ている。近年最もレベルが高いポジション争いで信頼を得るのは果たしてどちらになるのか、後半戦の要チェックポイント。

モルガン・サンソン

 悔しい思いをした"あの"ユナイテッド戦以降チームから引き離されてきた元フランス代表だが、11月6日、奇しくもユナイテッド戦89分にその姿を現すと、ヴィラファンから歓喜の声があがった。その能力は相変わらず、高い技術力とセンス溢れるプレーでしっかりと試合をクローズする一助に。「彼のことをマルセイユ時代から評価している」という新指揮官ウナイが、後半戦にかけるサンソンへの期待は如何様か。サンソンもシャドー、セントラル、サイドで起用が見込まれるが、やはり中盤の層は分厚く高い壁となる。常に退団報道がまとわりつくだけに、この中断期間がラストチャンスの可能性が非常に高い選手のひとり。外から見て完全に冷え切ってしまっているフロントとの関係がどうなのか、サンソンの心はまだヴィラにあるのか。背番号8の決断の時が、刻一刻と迫っている。


〈了〉

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