久々更新アストンヴィラくんシーズンレビュー

はてさて、ようやっと終わりを迎えた19−20シーズンですが、プレミア昇格1年目のシーズンは楽しんでいただけたかな?みたいなスミスと愉快な仲間たちのシーズンレビューをやってみようと思い立ち、久しぶりにnoteを更新する次第でございます。

まずは全体的な部分から。

プレミアは数年前から開幕前に移籍期間を終えることになったため、プレーオフ決勝まで戦ったヴィラは編成に時間をかけられず、かつ昇格組ということもあり獲得候補は大きく絞られていました。ヴィラにとって急務だったのはローン組の完全移籍交渉と、レギュラーの定まらなかった守護神、タミーのレンタルが期待できなかったストライカーの確保でした。最終的には10名以上を獲得しスタメンを大刷新、夏に投じた移籍金は1億4450万ポンドとも言われ、アーセナルやシティ(バーミンガムではない)を抑えユナイテッドに次ぐ2位に。チームの軸となるジャック、マッギンとの契約を手早くまとめ、ローン組のミングス、ガジ、コートニーともサインに成功。守護神にヒートン、退団したハットンの後釜となる顔面が強いフレッド・ギルベール、カラーコーンの方がマシだと言われたテイラーの代わりとなるスタメンクラスの的ことマット・ターゲット。クラブレコードかと言われたシティローン盥回し組のドウグラスルイスに、即クラブレコードを更新したストライカー、ウェスレイのブラジル人コンビ。サイドでは顔面がトレゼゲに似てると自称したらしい自称トレゼゲのマフムードハッサン。その他コンサ、エンゲルスと球蹴りができるチャラいCBに名前が素晴らしいボランチのナカンバ、バックアップにホタも獲得し、昨季とは全く違うチームに。開幕前は何で見たか記憶が定かではないが「目標はトップハーフ」などと誰かが吐かしておったのを見てハハハと笑っていたが、結果は皆さんご存知の通り17位。35ポイントでギリギリ残留。得点41、失点67。一時は本当に降格すると思った。なんで残留できたのかは全くわからん。たぶん奇跡。19−20シーズンの総評としては大方の予想通りチームが残留争いに巻き込まれた中で、なんとかタレントの力だけで残留を勝ち取った、以外の何者でもなく、チームとしての試合運び、局面における責任の所在が一切感じ取れないシーズンでした。なんとなく失点し、なんとなく得点し、またなんとなく失点する、というプロの試合とは思えないシーンも見られ、本当に伸び代しかないチームだった。これよりよくなる未来しか見えない。これ以下なんて存在しないだろうってぐらい最低だったし、来季はもっと期待できる。

ちなみにマッギンは元アシスタントコーチのあのお方の発言を見たのか「僕らは残留で喜んでいい立場じゃない」と発言、「アストンヴィラというクラブと、費やした移籍金を考えたらそらそうよ」(意訳)と追い討ちをかける畜生発言でシーズンを締めくくった。全くもっておっしゃる通り、返す言葉もない。クラブレコードのストライカーが21試合で5得点、あまつさえシーズン中盤で離脱し復帰は2020年のいつか、みたいな状況ではもうジョンひとりではお手上げよ。8月にダイレクターのスペイン人を解雇し、新たにデンマーク人のダイレクターをコペンハーゲンから招聘。オーナーは今夏も1億ポンドのお小遣いを用意してくれたらしく、今年もまたスタメン入れ替えちゃおっかな〜〜〜!とスミスもウッキウキの夏休みを過ごしていることだろう。


続いては選手について、各々。とはいえ内容が多いメンバーとそうでないメンバーの差が大きいので、かいつまんで4名をレビュー。

まずは押しも押されもしない今季のMVP、キャプテンのジャック・グリーリッシュ。出場36試合、8ゴール6アシストは全てチームトップの数字で文字通りチームを牽引。序盤戦では主にマッギンとコンビを組み中盤中央で4−1−2−3の2の一角を担うことが多く、めちゃくちゃ好不調の波が大きかった印象でしたね。久しぶりのプレミア、開幕戦で自陣ゴール前でとんでもないミスをやらかした時に今季は終わったなと残りの37試合を捨てそうになりましたが、気づけばあれよあれよとプレミアでも屈指のタレントに。メンタル面にまだ波がある様子で、試合の雰囲気や対面する相手の執拗なマークなどで苛立ちを見せ幼稚なプレーをすることも。まだ若いだけに、集中を持続させて試合に挑めればさらにパフォーマンスが上がる余地を残している、伸び代ですね。マッギンやウェスの離脱でより攻撃での貢献を求められ、守備タスクを軽減させた中盤戦以降はキーとなるゾーンやエリアで積極的にプレーするシーンが目立ちましたが、本職はやはり中央ではなく左のアタッカー。大外から中へスライドするドリブルや逆サイドへの展開、また自信がエリア内に顔を出して逆からのクロスに合わせる場面も増えていき、足下だけでなくスペースでも仕事ができることを証明してみせました。またシーズン中も話題になりましたがグリーリッシュが獲得したファウル数は最終的に167まで伸び、1試合に平均4.6回倒されるという数字に。終盤戦は足首をガッチガチに固め、その痛みに顔を歪めることもありましたが、例年より短いオフ期間でどれだけコンディションを戻せるのか。19−20シーズンの残留は間違いなくジャックの活躍あってのもの。お疲れ様でした。

出場時間順で2番手はCBの柱、タイロン・ミングス。シュートブロック48、クリアランス(決定機阻止?)3はリーグトップ。一方でヘディングでのクリアは83とリーグで9番目の数字に。上背がありながらなかなか空中戦で強さを見せる印象がないミングスらしいと言えばらしいスタッツかなと。出場33試合は守備陣でトップ、チームでもジャックに次ぐ試合数でチームの屋台骨としてシーズンを戦いました。昨季冬のローンで加入した当初はレフトバックとの触れ込みでしたが、社畜として勤しんでいた間に気づけばCBのレギュラー。今季は4バックの中央と、3CBでも中央を任され後方のリーダーに。デカい、強い、レフトバックやってただけあって機動力もそこそこあり、現代のCBらしく長いボールを蹴れる左利きの選手ということもありミングスもリーグでそこそこのタレントになったのでは。カタログスペックは間違いない選手なのですが、如何せんメンタルに波があるのか、時折恐ろしいプレーを選択しピンチに絡むこともしばしば。なんでもない空中戦でボールをあらぬ方向に逸らす、そもそも競らない、ロングボールを蹴ろうとしてボールを長く持ちすぎる、受け手が見つからないと自分で特攻する、などなど。あと地味に細かい怪我をしがち、という印象も。長所と短所が表裏一体みたいなことになっており、このまま攻撃的CBとしていくのか、もう少し後ろでのプレーに集中させるのかは今後の課題なので、タイロンくんはしっかりしてください。

3番手はドウグラスルイス。出場試合数は36ながら途中出場が8と、出場時間ではミングスに後塵を拝することに。開幕前はシティに買われたポテンシャルに期待する声と、これまで在籍期間はほとんどなく盥回しにされ、あまつさえ大した活躍もしてなかったことへの批判の声で真っ向から意見が分かれた選手。正直、開幕の頃は本当に、マジで、誇張抜きで目もあてられない酷い選手だった。タックルも下手、カバーにもいかない、競り合いにいかない、パスもつながらないとただのお荷物。マッギンがインタビューで「英語がマジでわからなかった」(ニュアンスを誇張した意訳)と語っただけあり周りと連携も取れず、完全に愛人枠だと思った。徐々にプレミアに慣れてくると、時折ブラジル人らしい攻撃を見せる場面が出始め、中盤戦あたりからは「こいつの適正はトップ下」「いますぐボランチをやめろ」「間違いなく守備的なポジションではない」と俺の中で話題に。Box to Boxのような動き、ストライドとフィジカルをいかしたドリブルやキープ、強烈なミドルと持ち味を発揮できるようになってからはアンカーの位置に固定され、序盤の悪評を覆す活躍で見事残留に貢献。クレバリー以来のゴミかと思ったが、クレバリー以来の大逆転を見せた。とはいえこちらもやはりミスが目立つ、ブラジル人だから仕方ないのだが(偏見)。前述の守備対応はややマシにはなったものの、未だにタックルは荒く、足を伸ばしただけの雑な引っ掛けや後ろから体で潰しにいくプレーを再三エリア内外で繰り返し、相手選手とヴィラサポーターのメンタルを削った。攻撃面も概ねマシになったが、トランジション時に周りを見ない場面が多く、謎フリックでバイタル付近で相手にボールをプレゼント、そのボールを回収しようとしてファール、黄色いおまけつきということを平気で繰り返す。カウンターの起点になることも期待されているが、カウンターのフィードが果たして効果的だったかもイマイチ怪しい。まあパスは受け手側の問題もあるので、ドウグラスは英語を勉強して来季は自分の適正がどこなのかちゃんと話し合って欲しい。

続いて4番手はスコットランドが産んだフットボールサイボーグ、ジョン・マッギン。昨季ジャック、タミーと3枚看板の一角を担った25歳も、プレミアで通用するタレントとしてその才能を発揮してみせた。故障による長期の離脱があったものの、中断期間を挟み見事復帰、そのサイボーグっぷりを垣間見せた。数字としては出場28試合、3ゴール3アシストと当初期待されたものではなかったが、マッギンは戦術的な適応の高さをピックアップしたい。マッギンといえば無尽蔵のスタミナを備え、まさしくクラシカルな英国的なセントラルでBox to Boxで90分貢献する選手、という印象だが、序盤戦においては4−1−2−3の2でジャックとコンビを組むと、ジャックの負担を減らすべく縦運動だけでなくピッチの左右を広くカバーし、さらにはドウグラスの尻拭いにも奔走した。12月に負傷離脱するとシーズン絶望かと思われたが、プレミアが中断、リハビリ、チームトレーニングを経て再開即スタメン復帰を果たした。人外か?再開後は主にジャックが左サイドを任されていたこともあり、マッギンは中央での上下動が主なタスクに。再開後の4−1−2−3では主にフリハン(日本語表記不可)とセントラルでコンビ組み、左サイドを譲ったことで主に中央〜右寄りでのプレーになったが、負傷の影響もあってか、時折鋭いプレスからショートカウンターを見せるものの存在感は薄かった。それでも悪目立ちすることなく仕事をこなすところはさすがの一言。最終盤では守備時にサマッタと2トップを組むような形になり、よりトランジション時の役割を期待されるようになった。しっかりと外へ追い出す位置取りや、切り替えのスピードで自身の役割を果たした。来季はとにかく怪我せず、フルシーズンスタメンで見たい選手。スコットランド代表ではハットトリックを達成するなど得点力に疑いようはなく、トップ下、あるいはシャドーのような動きでストライカーに近い位置でより多くのゴールに絡んでもらいたい。


とりあえず義務感で仕上げたシーズン振り返りと、主力4選手のレビューでした。他にも色々挙げたい選手はいるので、気力と体力とFMで連敗が立て込んできたらやってみようと思います。

PS.20−21シーズンのホームユニが発表になりましたが、僕は初めて袖を通したacorns時代のユニを思い出してめちゃくちゃ好きなデザインです。多分今季はセールかかる前に買うと思いますが、2nd,3rdの発表も待ってからにしたいと考えてます。公式ではまだ個人名入れだけで、オフィシャルで背番号の発表があるまでは選手ネーム入れられないのでそこまでは我慢かな。みんなもユニフォームを買ってアストンヴィラを応援しよう!

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