僻地でUberEatsは稼げない

久しぶりの投稿になります。
色々あってピザの配達を辞めて8月からUberEatsの配達員になりました。

最近は以前にもましてUberの話題を聞く機会が増え、
UberEatsで一月に100万円稼いだ男性が話題になったり、とにかく今稼ぐならUber、これさえやっておけばあと1,2年は食っていけるだろうと思っておりました。

なので色々調べて6万円のクロスバイクを買い、その他必要な装備をさらに2万ほどかけて取り揃え、これで準備は完璧だとばかりにウキウキで初出勤した結果が下の画像になります。

画像1

6時間39分働いて収入が5006円。

時給に換算したら800円未満です。最低時給にすら届いてない。
しかもこれ一週間の中で最も稼げるとされている日曜の夜の話ですからね。
6時間自転車を漕ぎ続けてこんな小遣いみたいなお金しかもらえないようで、この先どうやって生きていけるのかと絶望的な気持ちでした。

とはいえ、これはあくまで初日の結果であり、このあと数日働いているうちに、クエストやらインセンティブという収入が増えるシステムが解放されたり、現金払い注文が受けれるようになったりして(なんでそんなJRPGみたいな方式になっているのかは謎)、現在ではなんだかんだで調子がいいときは時給1200円くらいは稼げるようになりました。
ただそれでもピークタイムの18時~21時くらいに絞って働いているからで、長時間は働けませんし、鳴らない日は本当にさっぱり仕事が来ません。雨が降る日は危険だから働かないようにしているのもあり、収入は全く安定しません。なので副業としてならともかく、これを本業にするのはちょっと無理がありそうだなという印象です。

さて、冒頭で触れた月収100万円の人はさすがに別格としても、Uberで検索すれば時給2000円とか日給15000円とか稼いでる人達の話はザラに出てきます。その人達と私で一体何が違うのでしょうか、理由は一つです。

僻地では稼げない

私が配達しているのはUber対応エリアの端の端、ギリギリで一応東京都みたいな辺境なのです。生活費を節約しようとして家賃の安い場所に最近引っ越したのですが、それが完全に裏目に出てしまいました。

Uberで稼げるのはとにかく都心です。渋谷とか港区とかそういう人口が多くてお店もたくさんあるところ。あまりにも注文が多くて慢性的に人手が足りていないらしく、そういったエリアではブーストといって配達料が1.2倍とか1.3倍とか割増でもらえるような制度がほぼ常時ついています。うちのエリアでは雨の日に1.1倍つくことがあるだけです。
それに加えてそもそものお店の数も多いので、注文を受けて配達し終わったあと次の注文を受け取るまでの距離が全然違ってくるのだろうと想像されます。
Uberは基本的に配達のリクエストを受けて店に商品を取りに行くまでの「ピックアップ」に配達料が発生しないため、店が近くにあるかどうかがかなり重要になってくるのです。

辺境Uberの実態

辺境で働くとはどういうことか、概略を図で説明すると下のようになります。

辺境

僻地では駅、あるいは街道に沿って店が固まっており、そこから少し離れると急に何もない住宅地(虚無空間)になります。
店といえばたまにコンビニがある以外にはクリーニングとコインランドリーくらいしかない、ショッピングモールどころかスーパーすら存在しないし、道が狭いので車社会というわけでもなく、人間がどうやって生活しているのかいまいち想像できない虚無っぷりで、都心から30キロ離れただけでここまで文明レベルが下がるとは正直想像できていませんでした。

こういったエリアで配達をしているわけですから、駅近くで配達が続いているうちは良くても、一度虚無から呼び出しを食らったら最後です。
たたでさえ配達にかかる時間が長いのに(基本的に短距離を多くこなすほうが割が良い)、虚無まで配達するのに10分かかったとしたら、また10分かけて人間界まで戻らないと次の注文を受けれないのです。
この戻る10分には配達料が発生しないので純粋にロスタイムとなります。僻地はこのロスがでかい。

また、運良く虚無空間にいるうちに次の注文が鳴ったとして、まあ大抵10分とかのロングピックであまり嬉しくはないのですが、リクエストが来ないよりはマシだと受けてみると、隣の町からの呼び出しというケースが多い。これ虚無あるあるです。

呼び出された場所が元よりも栄えていれば嬉しいのですが、そういうところは大体近くの配達員で間に合っているので、虚無空間にまで呼び出しをかけるような店舗というのは、あまりにも虚無すぎて近くに配達員が誰も居ないような街道沿いのチェーン店だったりします。

そうして呼び出されるがままに虚無から虚無へと渡り歩いているうちに、いつのまにか店へのピックアップ距離も、店から客へのドロップ距離も3キロオーバー10分オーバーが当たり前のぜんっぜん美味しくない不毛地帯(しかも件数自体あんまり鳴らない)で働く羽目になるのです。

あまりの不毛さに嫌気が差して虚無地帯から脱出しようとしても、途中で新しい配達リクエストを受けるとやはり虚無からの呼び戻し。いま来た道をそのまま直帰。まるで砂地獄、あるいは海水浴での離岸流。
生半可な覚悟では虚無地帯から脱出することはできません。
元の場所に戻るまで数十分かかったとしてもその間一切リクエストを受けずにひたすら無給で走り続ける意志力が必要なのです。


これが僻地におけるUberEatsの実態です。
原付だったら多少はマシなのかもしれませんが、それでも僻地で稼げるということはないでしょう。本当にUberで稼ぎたかったら都心まで通勤が必要!
そうなると自転車を運ぶにしても現地でレンタルするにしてもまた結構な手間と費用がかかってしまうので、空いた時間で稼ぐという感覚ではなく、完全なUberガチ勢に徹しなければいけないことになります。

そういった理由で、僻地でUberEatsは稼げないという結論になります。
ただし、フィットネスやりながらお小遣いも稼げる副業という意識であればやる価値は十分あるでしょう。2,3時間自転車こいで3000円もらえると考えればスポーツクラブに通ってエアロバイク漕ぐより圧倒的に得だからです。

この記事がUberをはじめようか考えている僻地住民の参考になれば幸いです。

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