坊主、風邪、鈍痛、2022年
2022年に突入してすぐに、珍しく風邪を引いた。
その日東京は大雪に見舞われ、ぼくの住む木造のワンルームはあわや吐息も凍りつくかのような冷え込みで、健康であることを唯一の取り柄に生きてきたおのれの小さな自負を、朝方37度の微熱が見事に打ち砕いた。
それぐらい、久しぶりの風邪だった。
二、三日安静に過ごした結果熱はすぐに下がり、外を出歩けるようになる頃には雪もほとんど目立たなくなっていた。路傍に並んだ小さな雪だるまたちの白い体は排気ガスでくすみ、道行く人はちらと一瞥するだけ