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私を分割すると脳が見える。オカンメソッド【わたし分割体験】

ガンガジさんという、有名な女性がいます。
本名・アントワネット・ロバートソン・ヴァーナー。銀髪と笑顔と、抑えたトーンで語る声が素敵な方です。彼女は白人中流家庭に生まれ、家族との関係に悩みながら育ちます。拭い去れない不幸せ感を抱え、瞑想・心理療法・数々のワークショップ・チャネリング・ダンスなど、あらゆる方法を試して自身の苦しみを癒そうとしました。

それでも、心は幸せと不幸せをいったりきたり。片方の端には「人生はうまくいっている」という感じがあり、反対側には破滅と絶望がありました。二つの極端の間を、同じルートでくり返し経験するのです。
変われないことに疲れ、師を求めてインドへ行き、彼女はそこで覚者パパジ(H・W・L・プーンジャ)と出会います。

パパジは言います。
「何もしないでいなさい。あなたの問題のすべては、あなたが行動し続けることにある。すべての行為をストップしなさい。信じることも、探し求めることも、言い訳することも。すでに、そして常にここにあるものをあなた自身で見つけなさい。動いてはいけない。何かに向かって動くことも、何かから遠ざかることもしてはいけない。この瞬間に、じっとしていなさい」

『ポケットの中のダイヤモンド』あなたの真の輝きを発見する ガンガジ著 三木直子訳 ナチュラルスピリット刊

そして彼女は言われたとおりにそれをし、(いえ、すべてをしなかったというのが正確でしょうか)ついにその瞬間を経験します。
「自身の不幸の物語」から離れ、その奥底にあった深みへとフォーカスが移動したのです。

オカン流に言えば、
左脳意識から、右脳意識へ
脳神経回路の接続が変わったのです。

こうして彼女は「覚者ガンガジ」になりました。ガンガジ川から取った名を、パパジから与えられたのです。

オカンもなんかこう、大和川とか名乗ればよかった。

ほいじゃぁ、ちょっと私たちもやってみましょうか(うきうき)。
パパジの指示は恐らく世界最速、最強の、覚醒への道であります。

「何もしないでいなさい。あなたの問題のすべては、あなたが行動し続けることにある。すべての行為をストップしなさい。信じることも、探し求めることも、言い訳することも。すでに、そして常にここにあるものをあなた自身で見つけなさい。動いてはいけない。何かに向かって動くことも、何かから遠ざかることもしてはいけない。この瞬間に、じっとしていなさい」

試しにですが、せっかくですから、数分間だけでも、超真剣に。
いいですか。いきますよー。よーい、どん!
さあ、やってみて。

(数分間)・・・

ハイ!いったんOKです。動いてよし! 考えてよし! 尻かいてよし!
どうでしたか?
どんな反応がありましたか?
どんな声が暴れましたか。
どんな思考、どんな印象が駆け巡りましたか。

その、出てきた声、思考、わかりますか。
(え?何?どーゆーこと?何をするって)
(何もしないと死んじゃうよね?)
(は~、なるほど、あとで時間があるときにやろうっと)

それが、あなたの左脳意識なんです。

大きく拡げられた「私」意識

本記事のタイトル「私を分割すると脳が見える。」。
分割する前の「私」は、
ズバリ、オカンの目にはこういうふうに見えています。

ガンガジさんも、恐らくこうした意識状態でインドへ行ったのだと想像します。大きく拡がった「私」とは、左脳意識と一体化した自分です。左脳意識にとって大きく拡がった「私」は、たいへん都合がいいのです。
なぜでしょう?

あらゆる無関係なものに対して、罪悪感を持たせられるからです。

子が親に。大人が社会に。昨日の不運に。ちょっとした頭痛、腹痛、歯痛まで。(すぐ歯が痛くなる私ってなんなの?もう嫌だ…とかですね)
手当たり次第、「私」の中に引き込んで罪悪感にし、悩んだり苦しんだりできます。そして、いつかどこかでこれを解決できるだろう、という未来への希望を作り出し、あなたの物語を作り上げます。それは台風のようにぐるぐる回る思考の渦で、苦しみ・希望(未来)・苦しみ・希望(未来)をくり返すようにできています。

これが、左脳の脳神経回路を活性化し、血流を引き寄せます。そうしてどんどん思考を強く、過剰にし、悪循環をもたらすのです。

「私」意識の本来のあり方

上のイラストが、本来の意識たちのあり方です。左脳意識と「私」意識が離れるだけで、すべてが正常に戻るとオカンは思っています。
ご覧のように、たくさんの意識で個人は構成されています。そしてそれぞれの意識が、思考や直観、身体感覚、表情などの「反応」を生産しています。

「私」意識はその真ん中にいて、それぞれの意識の反応に気づきながら、外の世界と相対して経験してゆく、小さな存在です。
ぶっちゃけていうと、兄弟姉妹のいちばん末っ子で、兄ちゃん姉ちゃんがギャースカ言ってるのを、オロオロしながら見守ってるぐらいの存在なんです。

しかし、人間社会がコミュニケーションを重視していく中、どこかの時点でバランスが崩れました。言葉による思考に血流が集中するようになったのです。刺激が刺激を求めるように、「私」意識が悩みや迷いを取り込み始めました。同時に、社会からの極めて重い責任を負わされるようになりました。

では、これを本来のバランスに戻すにはどうしたらいいでしょう?
上のパパジの指示のように、徹底して左脳を静止しながら、常にここにあるものを見つめると、右脳が活性化します。左脳を静め、右脳を活性化することで、突然、左脳意識と「私」意識が分離するのです。
不幸せの物語の渦巻きから突き抜けて、その向こう側の意識、静かで穏やかな右脳意識につながります。

オカンメソッド【わたし分割体験】

もうちょっと緩やかで、簡単な方法も、あります。オカンメソッドとでも称してみましょうか。
それは、主語をそれぞれの意識に返すこと。
思考の主語は「左脳さん」にします。
身体からくる感覚は「身体さん」に。
あらゆるものから、私という主語を無くしてみましょう。

(はぁぁ、出かけるときに限って雨なの。ほんと嫌になる)
のだね、左脳さんは。へえ。
(いらいら、しんどい)
のだね、身体さんは。へえ。

へえ。って付け加えると、ちょうどいい距離が取れますよ。さらに、愛してるよと付け加えるのもおすすめです。へえ。愛してるよ。
これは言葉遊びに見えますが、そうではなく、脳神経のつながりを変える物理的な効果を期待するものです。

そのままダラダラと左脳意識が思考を出してきたら、主語を返しながらその様子をじーっと見つめましょう。へえ、と思いながら。思考の内容ではなく、その位置や様子を見つめるんです。
「私」と主語を付けさせようと焦っている様子がわかると思います。
ああ、本当にあなたは左脳意識なんだ!?
「私」では無かった!へえ。へえ。へえー。

どうぞ、上の二つのイラストを何度も見比べてみてください。
あなたの「私」はどんな大きさでしょう。
本当は小さな存在が、重すぎる責任を負ってはいませんか。
少しずつほどいてみませんか。

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