いい気になってんじゃねえよ

今日、仕事終わり帰宅した後、自転車でドラッグストアに行った。
欲しいマスカラがあったからすぐ手にとって買った。
夜の風が気持ち良くてスイスイ進んでいた。
信号待ちで足元を見ると、沢山の足をこっち向けてうねうねやってやつがいる。
セミの幼虫。

セミの幼虫は、土から出てすぐ壁などに登って蛹にならないと死ぬと何かで見たことがある。

そいつは、周り、半径2、3メートルはアスファルトの道路で、あーでもないこーでもないと、コンクリの小さい丸いモニュメントの周りをぐるぐるゆっくり何周もまわる。

もうそこにしろよ。
さっさと登ってしまわないと死んでしまうよ。

周りはわりと車の通りが多く、虫なんかすぐぺちゃんこにひかれてしまいそう。

なんとなく、助けてみようとおもった。

マスカラの入ってるプラスチックの包装を外し、そこに幼虫を登らせようとした。
幼虫は、なぜか2.3歩あがってくると、うーん?違うなとでもいうようにプラスチックから意図して落ちる。

イライラして、プラスチック包装を分解して幼虫を乗せ、恐る恐る、人間の足で12歩くらいのことろにやっとある土に生えた木の根本に置いた。

プラスチック包装は持って帰るのはキモくて、ドラッグストアに戻ってゴミ箱に捨てた。

もう一度、その木の下を覗いてみる。
幼虫は、木から離れようとしている!!

役に立ったなんていい気になってんじゃねえよ。

このセミのせい、正しくは自分の自分への酔いへの気づきから、今日の一連の私のした仕事内容がすごく嫌になった。また自分が嫌いになってしまった。


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