新人営業時代の苦悩とお金の重み

こんにちは。加藤です。

「はじめまして」の記事で、コスメのこと書くよ☆と書いたわりに全然コスメ関係ない記事ばかりですが、いかんせん文章作成に慣れていないので、まずは書きたいと涌き出るものをひとつひとつ形にしていこうと思った次第です。

さて表題の件。
「加藤は営業が苦手」という話です。

「営業」という仕事どころか、人になにかをお願いしたり、なんなら普通に話しかけるのすら苦手な加藤です。それでよく新卒で営業職やったよ。
仕事中の人に話しかけるとき、なんなら書類に判子をもらうときですら「お忙しい中お手をとめてしまい大変大変申し訳ありませんが加藤のためにお時間をいただけないでしょうか申し訳ありません」っていう気分にいちいちなるくらいの人間なので(慣れたらそんなことはないよ☆でも慣れるまでに3年とかかかる)、ましてや忙しく働いている中にアポもとらずに飛び込んで話を聞いてもらってその上お金まで頂戴するなんて大それたこと、本当に苦痛でした。

新卒一年目で入った会社では、求人広告の営業として配属されました。

大学時代、就活で自己分析はきちんとできてなかった。こんなに(一般的に言う)営業適性が無いのに、周りの華やかで意識の高い友人らにどっぷり影響されて、ガンガン営業するぜ!コミュ力あります寧ろ得意です!みたいに思い込んでました。
思い込んでたし、装ってた。じゃないと何かに取り残される気がしたから。ばかだねー。

求人広告といっても色々ですが、最初の商材はアルバイト雑誌でした。
求人広告にも種類があるなかで、1番値段が高いのは多分「正社員転職」や「新卒」を扱うもの。サイトとか、フェアとか。大体ひとつ売り上げれば何十万~何百万になると思う。
たいして、アルバイト雑誌の広告は単価が安くて、大体数万円とか。
つまりある程度売り上げを上げるには、顧客数を増やすしかなかったのです。

もうね。駄目だった、加藤には。合わなかった。
本当に我慢ならないとかゆとりとか責任感ないとか色々あるけどまさにその通りだと思うけど失敗した。

最初の飛び込み営業が本当に出来ませんでした。
お客様は飲食店が圧倒的に多いんだけど、休憩中とかに入っていく勇気がかけらも無かった。
足がすくんで入れなかった。
一人で飛び込みできたの、期間内で1~2回とかだと思う。本当にすみません。無理でした。
テレアポはまだ出来たので、新規開拓はほとんどテレアポかは受注してました。
でも新人って、「最初は一日百件飛び込んでこい!」「名刺○枚もらってこい!」てあるじゃないですか。いくらテレアポで受注いただいても、筋トレみたいなもので、飛び込み営業からは逃れられませんでした。結果、早期で退職してしまいました。

いま思い返しても恥ずかしいし思い返したくもないんですが、そんな中でひとつだけとても印象に残っていることがあります。

とある飲食店(ラーメンだったかな)のお客様に営業をしていたときのこと。
営業ノウハウもなく、売り上げを立てないと上司に詰められる日々、かつ飛び込み営業ができないからやっと取れたアポで絶対成約につなげたい私はひたすらチラシを見せて、キャンペーンで安いだの他社より安いだの、値段で売るトークをしていました。

先述の通り、アルバイト雑誌の広告は比較的安価なんです。スタンダードな広告枠をひとつ売っても売り上げ目標の数%くらいのお値段で。
そのときは確か2万円くらいの掲載料だったと思います。
安いから!新規掲載だと○%オフ!他社に比べてこの値段!いまならキャンペーン併用で更に○%オフします!そんなことしか言えない情けないわたしにお客様がおっしゃったのが、

「安い安いって言うけどさ。その2万円をうちが払うために、うちが何杯のラーメンを売らなきゃいけないかわかってるのか?」

と。

当たり前のことなんですが、衝撃でした。

そこのラーメンは一杯700円。
お店の方が一生懸命作ったラーメンが10杯売れても、まだ届かない値段。

すごい恥ずかしかった。

その後どうなったのかはもう記憶にありません。
きっと受注はいただけなかったのだと思います。

でも、その衝撃だけは、今もわたしの心に重たく残っています。

人様からお金をいただくのって、簡単なことじゃない。
そのいただくお金の裏に、また別のお客様がいらっしゃる。そのお客様が別のお客様に信頼を積み重ねた結果いただいたお金を、軽い気持ちでいただいてはいけない。

暫くはそれを言い訳にますます営業活動ができなくなりました。だったら見あう価値を提供すること、お客様のために何ができるかを考えることが成長になったと思うんですが、あの頃の私はいまよりもっと未熟で、そんなこと考えれずに「お金もらうの恐い(=悪いことをしている)」ような感情に飲み込まれてしまいました。

その営業職は早々に辞めてしまったけれど、他の会社で営業や仲介業者の仕事をしてきました。あの頃より大人になってそれなりに社会経験を持った私の心のなかに、お客様から教えていただいたことは今では教訓として残っています。

お金をいただく以上、見あった仕事をしようと。
お金をいただくときは、その裏にある色んな人の信頼に恥じない仕事をしようと。

今は営業職ではありませんが、会社から給料をいただく以上、きちんと対価に見あった仕事をしようと心がけています。

で。なんでこんな話をしたかと言うと。

最近、キラキラ起業女子☆やら、自分ビジネス☆やら、好きを仕事に☆やら流行ってる(ようにみえる)のに驚いていて。
お金を産み出すって本当に難しいし、それを継続的にマネタイズしていってそれで生計立てるのって私からしたら天と地がひっくり返るくらいのことに思えてしまって。

もちろん、好きなことをしてお金もらえたらとっても素敵だと思うけど、なんていうか、そんな「キラキラ」とかいう単語で片付けられるような簡単なものではないと思う。
サラリーマンでもアルバイトでも派遣でもなんでも、働いたらお金がもらえる仕組みの中にいるっていうだけで大分守られているなと感じるのです。(お金がもらえるって意味でね!雇用の安定性とかはまた別の話。)

だから起業ってそんなキラキラ☆したものではないんじゃないかなあ。したことないから分からないけど。
いろんな価値観がありますが、私にはできないな、と改めて思いましたというお話です。
ディスってるように聞こえたらすみません!

明日も粛々と、お仕事頑張りましょう!

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