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ある日
僕は死んでしまった
こんな筈じゃなかった
僕は死んでしまったことに、死んでしまってから12時間程かかって気づいた
彼女が出掛けて眠ってる間に死んでしまったから、司法解剖されてしまい、その最中に気がついたのだ

ここはどこだ?
彼女はどこだ?
僕の魂はそう思ったときには彼女のところにいた
彼女はいつものベットで横になっていた
僕が彼女の足下に現れたとき、彼女はすぐに目を開けた
そして起き上がって、僕の足下に手を出して、今、気がついたんだね、と泣いた
僕は、誰にも聞こえない大きな声でわんわん泣いた
僕の泣く声は、誰にも彼女にも届かなかった
彼女は身体を折り曲げて毛布に顔を埋めて、暗い海底に沈んでいく沈没船のように涙を流さずに泣いていた

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