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僕の彼女はずっと家にいる
冬が嫌いで外へ出たくないと言うから
出なくていいよって言ったら
ずっと家に篭ってる
パグと一緒に温かい部屋でぬくぬくだらだら過ごして僕の帰りをひたすら待っている
車でなら出掛けてもいいと言うから
家の前まで迎えに行くと厚着して小走りに駆けてくる
町外れの大きな本屋で別行動して互いに袋を手にまた出会う 
神様、こんな毎日が続いてください

僕は幸せだ
彼女がいつものんびり笑っていたから
僕の彼女はご飯を作って僕の帰りを待っている
朝、僕が出掛けるとベランダに出て手を振って見送る
ときどきパグも持ち上げて一緒に見送ってくれる
三階のベランダを見上げながら僕はこの幸せのためなら何でもできる、と思って仕事へ向かう
彼女が僕の存在に必要だった
それだけが僕の生きる理由になった
しあわせを知らなかった頃の僕には考えられない現実がここにあった
僕は愛を知ってる
彼女が笑えば万事快調
この世はしあわせなのだ

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