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犬猫の“里親”になる。フォスターとつくる保護猫団体の新しいかたち

「フォスター」という言葉を聞いたことがありますか?

いわゆる「預かりボランティア」のことで、保護猫団体から猫を預かり、譲渡先が見つかるまで一緒に暮らす人たちのことです。

人間でいうところの里親にあたりますが、保護犬・猫の“里親”は譲渡先を指すこともあり、ややこしいですよね。(譲渡先を里親と呼ぶのは誤用とされはじめています。)

今回は、「保護猫活動に興味あるけど自分に何ができるかわからない...」「保護猫活動をしてるけど、先が見えずに不安」という方へ向けて、フォスターとしての保護猫活動のはじめ方やフォスター制度が実現する未来について考えていきましょう。

そもそもフォスター制度って?

フォスターとは保護された犬や猫を自宅で一時的に預かるボランティアのこと。保護犬・保護猫が新しい家族に出会うまでの間、心身のケアを行いながら一緒に過ごす大切な役割を担います。

引用:
一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル「フォスターアカデミーとは」

フォスター制度とは、上記の通り保護犬保護猫をボランティアスタッフ(フォスター)の自宅でお世話する取り組み。犬猫はひとつの家族と一緒に暮らすことで人間に馴れていくので、フォスター制度を介した動物は譲渡がされやすくなっていきます。

一時的な家族とはいえ、譲渡後にその縁が切れるわけではありません。例えば一部では、譲渡先の家族が家を空けるときに、実家に帰るような感覚でフォスターの家で一定期間を過ごすこともあります。

フォスターはなんで必要なの?

犬猫の保護活動と聞くと、ひとつの建物(シェルター)に複数の犬猫が共同生活をしている姿をイメージすると思います。

施設それぞれが、犬猫にとってより良い空間づくりをおこなっていますが、複数頭の犬猫が同じ空間で過ごすことは感染症のリスクを高めたり、保護団体の負担も高めたりします。

ここに一時的に犬猫を預かる「フォスター」がいることで、シェルターで管理する犬猫の数が減るため、病気の感染リスクや負担を抑制できます。

さらに、犬猫1匹1匹が受けられる愛情が増えることもフォスター制度のメリットです。

シェルターでは保護団体スタッフが同時に数十頭の犬猫を管理するので、1匹1匹に割ける時間はどうしても限られてしまいます。

一方でフォスター制度では、犬猫は家庭に預けられるので、十分な愛情を受けて暮らすことができます。そのぶん、人間との信頼関係が築かれていくのです。

なぜ?メリットだらけのフォスター制度が浸透しないワケ

フォスター制度を普及させるにはまだまだ多くの壁があります。

さまざまな問題があるなかで、筆者が一番課題だと思っているのは「保護団体に求められるスキルがこれまでの活動と異なる」点です。

犬猫の保護活動は基本的に、対象となる犬猫と獣医師、団体のスタッフなどと関係者が限られています。

しかしフォスター制度では、フォスター(とそこで暮らす犬猫)と遠隔で連携していく必要があります。

これまで犬猫に向き合うことが多かった保護団体が、町中のフォスターと連携するとなると心身に負担がかかることは明らか。メリットが大きいのに浸透しない理由はここにあると考えています。

neconoteが目指すのは「フォスター制度のモデルケース」をつくること

先日のnoteでも紹介した、わたしたちneconoteが考える「まちシェルター」は、まさにフォスター制度のモデルケースをつくっていく取り組みです。
フォスター制度の導入により増える保護団体の負担を、中間的な立場が担っていく仕組みをつくっていきたい。

フォスターのマネジメントや譲渡会のプロデュースなど、フォスター制度導入により発生する新しい業務をneconoteのような中間支援団体が請け負う。そうすることで、保護団体はこれまで通り保護した動物に集中することができます。(もちろん、フォスターのもとで暮らす犬猫も含まれます。)

保護活動における「管理・譲渡」のステップに中間支援団体が入ることで、保護活動自体の質を担保することにも繋がるので、譲渡促進や保護活動の啓蒙にも繋がっていくと考えています。


もしフォスターに興味があれば、まずは近隣の保護猫団体に聞いてみましょう。「預かりボランティア」という名前で募集されていることもあります。

ボランティアではありますが、なるための必須条件も。基本的には猫が暮らせる環境(ペット可物件//脱走防止など)と猫への気持ちが重視されます。
詳しい条件は団体によって異なるので確認してみてください。



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