ママ友が怖かった

元々人付き合いが下手で人間関係に悩みが尽きない日々を過ごしていた。

上の子どもが生まれた時、はっちゃけた私はママ友と呼ばれるものを作らなければ!と思い込んでいた。

近くに同じような歳の子どもを連れた人を見つけて仲良くしようと思ったけれど、ちょっと・・・面倒くさいな、と思ってしまった。

お買い物に一緒に行く、公園に一緒に行く、集まってお茶したり立ち話したり。何でもかんでも一緒に行動するのが私には合わない。井戸端会議的なアレも苦手だ。

石器時代から『男性は狩猟、女性は人間関係を上手く構成することが役割分担』と何かでみたけれど、性別だけで分担するのはあまりにも大雑把すぎない?と思った。

適材適所、と思う。私は石器時代だと生き残れないタイプだと悟っている。


話がそれたが、そんな生活をしつつも何とかママ友を作ろうと当時の私はもがいていた。

子どもが幼稚園に入園すると同時に仲良くなった人ができた。

Mさんの娘さんがうちの子と入園式で隣同士になったのが切っ掛けだった。

その後、数人話をするような人ができてお家に招かれたりしたこともあった。自宅に人から招かれるのも、招くのも、実は苦手な自分だったけど。

なんとなくスムーズにママ友関係が進んでいき、ちょっと安心していた頃だったように思う。

家のある方向が真逆だったので時々しか登園時に会うことはなかったのだけれど、その日はタイミングよくMさんに会った。

通園門の前に園長先生が立ち、子ども達に「おはよう」と声をかけていた。

私もMさんも「おはようございます」と返してにこやかに子ども達を教室に送り出した。

朝が苦手な私は「毎日早くから門前に建って子どもを迎えるって大変だよね。ありがたいね」と言うような言葉をMさんに話した。

「うん、そうね」と言うような返事を返したMさんだったが、その後に「でも何考えてるのか、腹の中はわかったもんじゃないよ」というニュアンスのセリフを私に言ってきた。

『え?何言ってんの?今、ニコニコして挨拶してたじゃん、園長先生に』と頭の中でプチパニックが起こった。

物腰の柔らかいタイプのMさんが毒づくのが恐ろしすぎた。

今Mさんが言ったセリフ、そのままブーメランだよ、と。

今は仲良く話しているMさんだけど、もしかしたら私のことも蔭でそんな風に・・・?

些細なことだったが、私の中ではもうママ友に対する疑心暗鬼が渦巻いてしまい駄目だった。

Mさんとは少しずつ距離を置くことになり、幼稚園で私は孤立した。

不器用にもほどがある、とは自分でも思うけれど。

ママ友に挫折してそれがストレスになり原因不明の頭痛に昼夜悩まされることになった。

寝ても起きても、お風呂に入っても冷やしても、どうやっても頭痛が治まらず『死のうかな』とさえ思った。

市販されている頭痛薬では効果がなく、かかりつけの医院でも現認がわからず、大病院の頭痛外来を受診してやっと頭痛は治まった。

子どもが小学校に上がっても幼稚園からスライドして入学した人が多かったせいもあり、ママ友は作らなかったしできなかった。

Mさんから私の悪評も出ていたようで一度、「Mさんと何かあったの?」と誰かから聞かれたことがあった。

『さっきまでニコニコしていたのに唐突に豹変したMさんが怖くて付き合えなくなりました』とは言わず、弁解もしなかったので私は変な人として確固たる立ち位置を得た。

幼稚園時代は親子一緒で行事に参加することも何度かあり、居心地の悪さは半端なかったけれど、それも段々慣れる。

ママ友が居なくても学校からプリントや連絡を貰うので破壊的に困ることはない。どうしてもわからなければ学校に連絡して聞けばいいし。

一度、園からママ友さん同士で組んで・・・みたいなことを言われて困った私は先生に相談してみた。忙しそう&面倒くさい顔をした先生は「自分で何とかしてください」としかアドバイスを返すだけ。『公立幼稚園の教諭はそんな暇ないのよ!ボッチが!』というわけだ。

別に公立を下げるつもりはないけれど、そんなことがあったので下の子は私立幼稚園に入れた。費用面では痛かったけれど心理的には随分楽でよかったと思う。

ママ友問題に悩みすぎて自殺寸前までの頭痛を抱えた私を主人も心配してくれて、参加できそうな運動会などの行事には主人も一緒に参加してくれた。ありがとう。

二人いるうちの子ども達はママ友が必要な年齢をとうの昔に過ぎてくれた。

振り返ってみると私はママ友に不向きな人間だった。

全部が全部、相手が悪いせいとは思わない。

私は人と親しくなると余計なことを言ってしまうし、そのせいで後々深く後悔して落ち込む。距離感の取り方が壊滅的に下手なんだと思う。

ママ友が必要かどうかは、その人次第。そう思う。

私には向かなかっただけ。

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