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別れから半年後

今年の3月に母がこの世を去りました。享年84歳でした。
母と同居時はこちらにお邪魔させていただき、愚痴を落とす事でなんとか暮らしていましたが、介護施設にお願いすることができてからはずいぶん救われました。
母にとっては納得のいかない最後だったかもしれません。
私は母の死に目には会えませんでした。
ほぼ寝たきりにになり、床ずれなどが見られるようになってしまった母。
最後に病院へ行くための付き添いをした時にはもう私のことはわからなくなっており、会話もありませんでした。

介護施設から母の最期が近いという連絡を受けた時、タイミング悪く私は熱を出し、寝込んでいました。
動こうにも動けない状態で「そちらに行けそうにない」とするしかなく。
そのままの別れとなりました。

あれから半年ほど経とうとしています。
母は小さな骨壷に納められ家に帰ってきました。
まだ納骨はしていませんが、毎日好きだったコーヒーを供えています。

母のわがまま+認知症の症状の悪化で私はノイローゼ寸前になり、このままでは自分が死ぬか、母を手にかけてしまうのではないかと思うほど母が嫌いでした。
母に会いたくなかった。
お骨を持ち帰る事も少し戸惑いがありました。
それなのに半年ほど経つとその感情が少しずつ薄れていく。
嫌な部分がぼんやりと霞んでいく。
小さの頃に大好きだった母への想いが蘇る。
不思議な物だな、と思います。

私にはもう親兄弟と呼べる人はいません。
兄はずいぶん前に消息不明だし(多分どこかで生きてはいると思いますが)、夜逃げして去った父が私に連絡してくることはないでしょう。
最後は母だけでした。
でも私には家族ができました。それだけが救いです。

穏やかに歳を重ね、私と同じ思いを子供にさせないように過ごしていきたいです。



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