アイカツメモ#夢という言葉

Signalize!

アイカツ!最初のOP曲「Signalize!」とは、詩的で浮遊感のある、ちょっぴりダークな雰囲気に定評のあるアイカツ!の名曲です。その中にこんな歌詞があります。

残酷な夢が夢で夢になるんだ

夢が3回登場して、「夢」が持つ意味を複数に捉えることができるパートです。現在、2通りの解釈を持っているのでお伝えします。

a)「残酷な夢(アイカツ!を続けていくことに対する不安感)」は「夢(実体のないもの)」で「夢(残酷さをとりはらった後の"残酷な夢")」になるんだ

b)「残酷な夢((アイカツ!を続けていくことに対する不安感)」は「夢(残酷さを兼ね備えた、目指すべき場所)」で「夢(残酷さを理解した上での憧れ=夢であることの強調、決意)」になるんだ

これに関して、どちらが正しいとか、他が間違いとかはありません。ですが、どちらが " らしい " かをもう少しシリーズ全体を通して考えたいと思います。

SHINING LINE*

アイカツ!2期に登場する「SHINING LINE*」ですが、星宮いちごのストーリーがクライマックスに向かいつつ、大空あかりに主人公のバトンを渡していくような曲になっています。ここで歌われている「光のライン」は、アイカツ!シリーズを通じた概念として非常に的確で、表現としての評価も高く、名曲だと言われる所以ともなっています。

その中に、こんな歌詞があります。

「知りたい キミはどんなふうに 信じる夢を 歩いてきたんだろう

「教えて キミはどんなふうに 不安な夢と 向き合っているの

「なりたいだけじゃダメだなって 夢のままじゃ違うなって

アイカツ!に身も心も捧げ、青春真っただ中を生きる少女たちの迷いや不安が歌われています。その不安は、"光のバトン"を渡され、渡すことによって自然に消化されていきます。"夢のままじゃ違う"というのは、受け取った夢から、渡す夢に変えるという意味でしょう。夢を渡すという形式は代々受け継がれるものですが、どのように変容させていくかは、各アイドル次第です。

スタートライン!

アイカツスターズ!の最初のOP曲「スタートライン!」の登場には、当時期待と不安をもっていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。なにせ今まで積み上げてきたスターライトを軸としたアイカツ!とは別の世界が描かれるわけですからね。この曲は、非常にエモーショナルな歌詞として印象強いです。出だしの歌詞がこちらです。

夢は見るものじゃない 叶えるものだよ

夢を実体として、人生の中に取り入れていく、勇気のフレーズではないでしょうか。アイカツ!で培われた完成は、しっかりとバトンを貰って、アイカツスターズ!に受け継がれています。

STARDOM!

アイカツスターズ!2期の最初のOP曲「STARDOM!」ですが、非常にパワフルな歌詞が特徴で、虹野ゆめの持つ芯の強さや運命的な力が非常にストレートに心に届く曲です。この中の歌詞では、

憧れは次の憧れを生む 私はここだよ                 震えるような高みへと 夢は夢を超えていく

とあります。憧れは次の憧れを生む、の部分はSHINING LINE*の項であった、光のラインと符合していますし、私はここだよというのは、同項の独自の夢の変容にあたります。

夢は夢を超えていく とありますが、おそらくですが、前任のS4から受け取った夢を、自分なりに成長させ、より大きな夢にしていくことだと思われます。これは、バトンを渡す準備段階ともいえます。

結局Signalize!の夢はどっちだったのか

各項を踏まえて考えると、

a)「残酷な夢(アイカツ!を続けていくことに対する不安感)」は「夢(実体のないもの)」で「夢(残酷さをとりはらった後の"残酷な夢")」になるんだ

を個人的に持つ回答としたいです。

SHINING LINE* であげた、"光のバトン"を渡され、渡すことによって自然に消化されていくと書きましたが、それが残酷さを取り払うことと似ています。また、全体的に夢の変容について歌われる傾向にあることが読み取れるので、b)であげた強調、決心という感情は合いにくいのかなというのも理由になります。





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