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#技術

宇宙開発における技術のデュアルユース 国内での議論と現在地

2022年7月、日本の科学者の代表機関である日本学術会議が国内の先端技術研究に関して発表した、ある声明が話題になりました。それは、軍事用途と民生用途、その両方で特定の技術を活用する「デュアルユース」に関するものです。 これまでの日本学術会議は軍事目的の研究は行わないとし、デュアルユースを一貫して否定する立場を取っていました。 しかし上記の発表において日本学術会議は、軍事用途と民生用途は「単純に二分することはもはや困難」であると発表。デュアルユースに関して、軍事目的のための

まずは社内で宇宙を使い倒す。三井物産流・新産業の創出法とは〜宇宙は社会課題を解決するのか#2〜

気候変動や自然災害、少子高齢化……。 私たちが直面している社会課題の解決策のひとつとして「宇宙空間」の活用が注目されています。 このシリーズでは、グローバルに活躍する様々な業界・業種の皆さんとNECの独立シンクタンク・国際社会経済研究所(IISE)の理事を務める野口聡一さん、NECフェローの三好弘晃さんとの対談を通じて、宇宙利用の可能性を探っていきます。 第2弾となる今回は、三井物産 モビリティ第二本部 航空宇宙部 宇宙事業開発室 室長の重枝和冨さんをお迎えして、宇宙事業

人員削減や港湾の渋滞緩和…日本郵船に聞く海運業界の課題とニーズ〜宇宙は社会課題を解決するのか#1〜

気候変動や自然災害、少子高齢化……。 私たちが直面している社会課題の解決策のひとつとして「宇宙空間」の活用が注目されています。 このシリーズでは、グローバルに活躍する様々な業界・業種の皆さんとNECの独立シンクタンク・国際社会経済研究所(IISE)の理事を務める野口聡一さん、NECフェローの三好弘晃さんとの対談を通じて、宇宙利用の可能性を探っていきます。 第1弾となる今回は、洋上からロケットを打ち上げる事業構想を立ち上げた、日本郵船 株式会社 イノベーション推進グルー

技術の社会実装には“目標の革新”が必要だ〜宇宙は社会課題を解決するのか〜

気候変動や自然災害、少子高齢化……。 私たちが直面している社会課題を解決策のひとつとして「宇宙技術」が注目されています。 このシリーズでは、NECの独立シンクタンク・国際社会経済研究所(IISE)の理事を務める野口聡一さんとNECフェローの三好弘晃さんと、グローバルに活躍する様々な業界・業種の皆さんとの対談を通じて、宇宙利用の可能性を探っていきます。 今回は第0弾として、野口さんと三好さんに、IISEとNECが宇宙ビジネスに注目している理由や対談企業に聞いてみたいことなど

光衛星通信がもたらす「想像を絶する」未来ーー技術者が語る可能性と、民間企業が握るカギ

何百機、何千機もの人工衛星が連携しながら空高くを飛び回り、地上に豊かな暮らしと大きな市場をもたらす。近年そんな宇宙を活用したビジネスが世界的に加速しており、2040年に市場規模は現在の約3倍の100兆円になると予測されています。 宇宙と私たちの暮らしに大きな変革期が訪れているいま、次のカギを握ると言われているのが「光衛星通信」(※)。レーザー光を使うことで人工衛星同士や衛星と地上との間を通信できる技術です。 光衛星通信が注目される背景はなんなのか。実用化された先、私たちの