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第5期ポケカ四天王決定戦にガラルマタドガスを持ち込んだ訳


ネバシヒロカズです。
タイトルの通り、11/5に行われた【第5期ポケカ四天王決定戦】に出場させて頂きました!


結果は残念ながら敗退してしまったのですが、たくさんの方々から応援コメントを頂けて嬉しかったです。本当にありがとうございました。


また、個人的にリスペクトしている凱選手と真剣勝負の場で対戦できたことは一生の思い出となりました。なぜかと言うと、私がこれまで多く使ってきたデッキが【ウルトラネクロズマGX/カラマネロ】【レッドパーフェクション】で、凱選手が大型大会で使用していたものだったからです。
さらに、PJCS2022で【ターボパルキア/雷】を見た時に「これは使うしかない!」と思い、3か月ほど使い続け、CL横浜2022でも使用していました。


さて、本記事では今回使用した【裏工作+ガラルマタドガス】のデッキ作成経緯や、それに至るまでの過程などを書きたいと思います。

イベントの余韻があるうちに投稿したかったので、文章多め&意味が分かりづらいかもしれませんが、ご了承ください。

■デッキ選択で意識していること

まず初めに、私が大会で握るデッキに対して、個人的に意識しているポイントについて説明します。

①初見殺しができること
これは私の性格的な部分が大きいのですが、珍しいポケモンや、オリジナルデッキで勝ちたい、という思いがポケカを始めた頃からあります。(ポケモンのゲームでもマイナーポケモンを好んで使っていました)

また、対人戦において単純に初見殺しが強いと思っているのも理由です。
そう思うようになった背景としては、SNSの普及により、実績のあるデッキレシピが以前より入手しやすくなったことが挙げられます。
(例えるなら、少し前のオリジンパルキアVstarです。ヨネダタクヤさんのnoteをベースにした構築が圧倒的に多い時期があったと思います)

初心者の方が完成度の高いデッキを握ることで「対戦における強い動き」を実感でき、上達のスピードが上がるため、構築が世に出回る事はとても素晴らしい事だと考えています。(本人が意図せず広まる場合は違いますが…)

反対に、デメリットを挙げるとすれば対戦相手にある程度の情報が渡ってしまっている事です。
ポケモンの採用枚数や、エネルギーの総数、サポートの構成などが知られているという事は、一般的には不利な状況といえます。

そこで、相手に知られていないデッキ、カードを使用することで、自分は相手を知っているが、相手は自分を知らない、という有利な状況を生み出します。それが時には相手のミスを誘い、こちらは常に最善手を打ち続けることができます。
2018年のポケカブームから始めた自分にとっては、経験でもプレイスキルでも上回るプレイヤーに対抗できる可能性がある、唯一の要素だと考えています。

過去の事例を出すと、CL愛知2021ではレッドパーフェクションにポケモンキャッチャーを採用して、溶接工で加速しながら相手のメインアタッカーを叩けるようにしました。
また、PJCS2021で使用したレッドパーフェクションではクチートGXやこくばバドレックスVを採用し、苦手だった白馬、マホイップ、ニンフィア、れんげきテンタクルに対して奇襲できるようにしました。

②先攻でも後攻でも強い動きがあること
一般的には、ポケモンカードは先攻が有利とされています。しかし、毎回じゃんけんに勝てれば良いのですが、そうもいきません。自分はじゃんけんが苦手だと感じてる人もいるのではないでしょうか?
私もじゃんけんが苦手でした。先攻を取りたいデッキを使う時に限って、負けてしまいます。。

ですが、CL愛知2021でレッドパーフェクションの練習をしていた時、あるデータに気が付きました。
それは、後攻の方が勝率が高いことでした。環境デッキに対して、先攻時と後攻時で勝敗の記録を付けていたのですが、明らかに後攻の方が強かったです。

(タネ切れ勝ちが狙えたり、後1のマリィで事故ることがなくなったり、要因はいくつかありました。また、先攻1ターン目にサポートが使えていたサンムーン環境と違って、明らかに先攻のパワーが落ちていました。)

その頃から、自分から後攻を取ってもいいんだ!と思えるようになりました。また、例え先攻を取るタイプのデッキでも、後攻時にも強い動きがあるデッキを選択するようになってから、勝率が安定したと感じています。

ちなみに、私が言う【強い動き】の最上級が、サイドを進めることです。
(ex.メロディアスエコー、おとぼけスピット)
次点で、展開補助です。
(ex.どんどん呼ぶ、アビスシーク)
こうして見ると、環境上位のデッキは共通してこのような動きがありますね。

③再現性があること
上記の通り、せっかく初見殺しのコンボを考えていても、本番で成功できなければ意味がありません。また、そもそもゲームが続かないと、コンボを決める以前に負けてしまいます。

そこで、自分が使うデッキに対して、序盤における最低限の動きを決め、それが安定して出来るように調整を重ねたいところです。
(例えば、ルギアにおける最低限の動きは「1ターン目にルギアVを場に出すこと」ですが、先攻なら1体、後攻なら2体置きたいところです。さらに、手張りが必要なデッキであれば、エネルギーに触れるかどうかも確認します)

再現性に関しては、デッキ選択というよりは構築の側面が強いかもしれません。序盤の安定性を上げること=特定の場面で使用するカード(やまびこホーン、ネジキ、ロストスイーパーなど)の枠を減らすことに繋がりやすいです。そのような枠を削って勝てなくなるのであれば、おそらくそのデッキで現環境を勝つことは難しいと判断していますので、デッキ選択にも多少影響していると思います。


【まとめ】
①初見殺しができること
②先攻でも後攻でも強い動きがあること
③再現性があること

以上のポイントを踏まえて、今回の四天王決定戦に向けた話をします。




■前提となる条件

まずは、環境予想をする前に、前提となる条件について整理しました。

①新弾パック「パラダイムトリガー」の発売後である
 世に知られていないデッキ、というのはそれだけで選択する価値があります。おそらく、今回参加する人の半数以上が新弾のデッキを組んでくることが考えられました。

また、今回環境の中心にいたルギアVstarですが、仮にデッキタイプは予想できてもサブアタッカーの布陣まで完璧に予想することは困難であり、実際にムーランドや、マナフィ・ノコッチの両採用は予想外でした。


②参加人数が5名であり、事前に公表されている
 誰とマッチングするか分からないシティリーグやCLと違い、今回は特定のプレイヤーとマッチングすることが比較的簡単に予想できました。自分から見てマッチングする可能性が高い相手は、

ササキ選手>ヤマノ選手>凱選手orとーしん選手 と考えていました。


③対戦形式はBO3、ダブルエリミネーショントーナメントである
 このルールのおかげで、25分一本勝負だと選択しにくいデッキも視野に入るようになりました。また、1敗しても残れることから、苦手なデッキが1つあっても、他の3つに有利が取れていればOKという判断ができました。



■対戦相手のデッキ予想(参加者発表直後)

参加者が発表されてから、最初に考えたデッキ予想が以下の通りです。
まだあまり情報がなかったので適当です。

とーしん選手:ルギアorレジギガス。
最近はこくばバドレックスやパルキアなど、環境上位を使用している印象が強かったので。


凱選手:ルギアorロストバレット
Tier1から逃げるな、を体現しているので。

ヤマノ選手:レジギガスorその他
レジの大本命。どうしても意識してしまいます。

ササキ選手:ルギアorロストギラティナ
今年の大型大会はすべてパルキアを使用されていましたが、今回は他のデッキを使う可能性の方が高いと考えていました。ルギア対パルキアを検証した際にパルキア側が不利だと感じたことと、雷アタッカーが増加するとその影響を受けてしまうことからです。長く使っていたデッキを変えるタイミングであれば、新弾のルギアを使ってくるか、複数のプランで戦えるロスト系のデッキを選択すると思いました。


自分:ミュウVmax
WCSでも使用したミュウだと予想されていそう、と思っていました。実際、この時点ではこれといった候補デッキがなく、ミュウも視野に入れていました。


【まとめ】
・ルギアとそれ以外で半々くらいになりそう
・ルギアを握らない人はレジギガスかロスト系統になるかも
・ミュウを使いそうな人が自分以外にいない


■環境予想(パラダイムトリガー発売前)10/7~10/20

10/7に決定戦の参加者について公式から発表されてから約2週間は、ひたすら新弾のカードを試していました。実際に試したデッキは、ルギア、レジドラゴ、レジエレキです。

〇ルギア
高耐久、高火力のルギアを筆頭に、サブアタッカーも豊富で初見殺し性能もあり、弱点も消すことができ、正にやりたい放題。また、再現性についても問題ないレベルだと感じました。

唯一、後攻の時にあまり強い動きがないことがネックでしたが、Vガード付きルギアが相手の攻撃を耐えるか、中盤から非ルールだけで戦うようにすることでサイドレースを逆転できるので、あまり気になりませんでした。

〇レジエレキ
練度のあるターボパルキアをベースに、クワガノンVを強く使える構築を試しました。感触は悪くなかったのですが、ルギアに対して勝率が思ったより良くなかったことと、ノコッチが採用されているとさらにルギアが重くなってしまうので、あまり流行らないだろうと感じました。

〇レジドラゴ
元パーフェクション使いとしては楽しいデッキでしたが、「再現性に難あり」という初期評価を自分の中で覆すことができませんでした。

この中では、やはりルギアのデッキパワーが群を抜いて高いと感じました。
次に、ルギアに勝てるデッキについても検討しました。

ぱっと思いついたのが、ミュウVmaxとレジギガスです。

ミュウVmaxは先攻でも後攻でも2-2-2のサイドプランを狙うことができ、森の封印石の登場でデッキパワーが底上げされました。

レジギガスは頂きへの雪道を搭載することで、相手の展開を遅らせることができます。また、ベルト付きレジエレキでルギアもワンパンできることから
5分以上だと感じていました。


【まとめ】
・ルギア強すぎ&構築の自由度ありすぎ
・ドラゴとエレキは思ったほど…
・ミュウとレジギガスは対抗できそう?


■シティリーグの入賞レシピチェック (10/21~10/28)

パラダイムトリガー環境でのシティリーグが始まり、各地でルギアとミュウが暴れていました。
そこで、上位入賞していたルギアのレシピを集めてみると、いくつか共通点が見受けられました。

〇ポケモン
・イベルタル+リザードン+雷の組み合わせが多い
・バケッチャの採用率が高い
・Vmaxを倒せるポケモンが採用されている(イベルタル、レジギガス)
・マナフィ、ノコッチはあまり採用されていない

〇グッズ
・入替札の採用が少ない

〇サポート
・セレナ3-4枚に対して、ボス1の構築が多い

〇スタジアム
頂きへの雪道や、崩れたスタジアムの採用が多い


【まとめ】
・バケッチャの採用率が高く、雪道でアッセンブルスターを妨害するのは厳しそう
・仮にジュラルドンVmaxを使用しても、突破されそう
・入替札の採用が少ないので、状態異常は有効かも
・アーケオスをトラッシュできるセレナが好まれて、ボスが減っている


以上の情報を踏まえて、自分が使うデッキの方針を大まかに決めました。
・ルギアに勝てる
・ルギアと戦えるデッキ(レジギガス、ロストバレット等)にも勝てる
・ミュウは切っていい


10/29~10/30に泊まり込みで練習する機会があったので、そこに向けていくつか候補デッキを用意することにしました。そこで生まれたのが、次の4つでした。

①裏工作+ガラルマタドガス
②モスノウバレット(フリーザーのワイルドフリーズでマヒらせる)
③アルセウス+空ピカ(雪道+マリィで妨害しつつ、弱点を突く)
④ミュウVmax(逃げのデッキ)


さっそく、練習で試したのですが②と③が早々に消えていきました。。。
モスノウバレットは後攻でユキハミ+マナフィを用意できなければアメイジングライコウに蹂躙され、崩れたスタジアムもしんどい。
アルセウス+空ピカは雪道による妨害が思ったより効きづらく、先攻でも後攻でもルギアに破壊されました。


■裏工作マタドガスの誕生

10/26作成

最初に組んだリストです。
雪道が駄目ならドガスはどうだろう?という思い付きから適当に組みました。フーパファイヤーの要素を取り入れて裏工作インテレオンやファイヤーが入っています。

試しにルギアと対戦してみると、「あれ…、意外とやれる?」と感じました。壁用のルギアはシティ入賞レシピにあやかりセレナ3+ボス1構築にしていたため、ドガスが刺さる刺さる。また、レジギガスに対しても毒のダメージ+シューターでサイドが取れるので、かなり手応えがありました。
そこで、本格的に煮詰めることにしました。



10/29練習後

合宿初日の練習後に調整したリストです。
先攻1ターン目にドガースが置けない試合があり、少しでも確率を高めるために、VIPパスを採用。現物とボールを含めると、ドガースに触れるカードが13枚となり、良い感じ。また、パスを入れるならカイで触れるようにしたいよね、ということでカイを増やしました。
ちなみに、この段階でファイヤーと裏工作インテレオンは一回も使用していなかったので抜けていきました。




10/30練習後

合宿2日目の練習後リストです。
ネズの使用感が良すぎたため、再び採用。



本番使用リスト

合宿後は練習の機会が取れなかったので、本番まで何人かに相談に乗ってもらってました。最初の反応はみんな一緒で、「本当にそのデッキで勝てるの…?」という感想でした。とりあえず思ったことを遠慮せずに言ってもらい、それに対して自分が回答していく、、というのを繰り返して、反論が甘かった部分や自分でも疑問に感じた部分を変えるようにしました。

最終的にやまびこホーンやボスといった終盤で使用するカードを削り、初動に全振りする方針で固まりました。


こうして、ルギア、レジギガス、ロスト系統に対して有利(だと思っている)なデッキが仕上がりました。
しかし、苦手なデッキに対しては何もできずに負けてしまうので、本番で使用するまではめちゃくちゃ怖かったです

ちなみに、苦手なデッキとは主に以下です。
ミュウVmax:フュージョンエネ、封印石で動かれる
パルキア:ワザを打つ要求が低い、カイで動ける
アルセウス系全般:トリニティノヴァを1回宣言されたら即降参レベル
レジエレキ+クワガノン:グッズロックしんどい、封印石で動かれる

今回の四天王決定戦では、これらの苦手なデッキは少ないだろうと予想ができ、仮に1戦落としてしまっても、他で勝てれば問題ないルールだったため、持ち込む選択ができました。

逆に、苦手なデッキに当たる可能性が高く、25分だと時間切れが怖いので、シティリーグ等に持ち込むことはおすすめできません。本当に四天王決定戦のためだけに考えたデッキです。


■あとがき

まずは、ここまで読んで頂きありがとうございました。
本番では、皆さんも知っている通り、ルギアとパルキアに負けてしまいました。

今回は、ある程度環境の予想が当たり、比較的有利なデッキを持ち込むことができたと思います。
しかし、ルギア側にボスが2枚採用されていたことや、苦手なパルキアと2回対戦することになるなど、予想を外していた部分もあり、読みが足りなかったな、と実感しました。

また、凱選手との3本目では、BO3の対戦経験の浅さが出てしまいました。
余計なポケモンを置かず、ガラルマタドガス2体だけで戦う選択肢もあったのですが、自分が楽をしたくてライコウを倒す方を優先してしまいました。。。

ですが、画面の向こう側で見ていた選手と同じ舞台に立つことができて光栄でしたし、またいつか挑戦したいと思いました。

最後に、とーしん選手、凱選手、四天王就任おめでとうございます!
これからも1プレイヤーとして応援しております。

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