英霊召喚詠唱を改めてコネてみた

英霊召喚をこねてみた。こねただけなので今まで以上に個人的なあれ。
英霊召喚や聖杯戦争の仕組み知らんよって人は前回の記事見てください。

でも覚えておいたほうがいいところはおさらいしとく。
ただ今回は知らん人向けではないので普通に用語使うよ。
stay night、Apocryphaやstrange fake1巻くらいのネタバレはあります。

冬木の聖杯戦争では
本当は願望器を作るんじゃなくて
根源に至るのが目的で。

60年間、冬木の霊脈から魔力を集めて
その魔力を呼び水に英霊をサーヴァントとして召喚
サーヴァントに殺し合いをさせ
そのサーヴァントの魂を聖杯に閉じ込め
英霊が座に還ろうとする力を集めて
根源に至るのに必要な魔力を聖杯に貯める

というのが、聖杯戦争して聖杯作って根源に至る仕組み。OK?

さて、じゃあ英霊召喚詠唱について紐解いてみよう。
英霊召喚詠唱は下記の通り。
ベースはstay nightでの遠坂凛の詠唱、参考にZeroとApocryphaも。
必ず入るもの「」付きで
人により入れたり入れなかったりするものを()付きで書きます
横に※で入れる人や条件書いて、後で詳しく話します
何故か2重表記のところは/で2つ書きます

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。」
(祖には我が大師シュバインオーグ。)※遠坂一族専用?
 or(祖には我が大師~。)※遠坂家以外も家系によっては宣言できるらしい
 or(手向ける色は“赤”。)※聖杯大戦、赤陣営参加時
 or(手向ける色は“黒”。)※聖杯大戦、黒陣営参加時
「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、
 王国に至る三叉路は循環せよ」

「閉じよ/みたせ。閉じよ/みたせ。閉じよ/みたせ。閉じよ/みたせ。閉じよ/みたせ。」
「繰り返すつどに五度。
 ただ満たされる刻を破却する」

(Anfang./セット)※凛ちゃんオンリー掛け声みたいなやつ

「告げる」
「汝の身は我が下に我が命運は汝の剣に。」
「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

「誓いを此処に。」
「我は常世総ての善と成る者、」
「我は常世総ての悪を敷く者。」
(されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。
 汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者)※バーサーカー指定
or(?)※他、ハサン以外のアサシン指定詠唱が存在するらしい
「汝三大の言霊を纏う七天、」
「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」

ここまで。

ではこれを順番に紐解いていきます。
(わからないところは後日追記予定)

まずざっくり分けますと恐らく

「素に銀と鉄。~ただ満たされる刻を破却する」:聖杯での通信を宣言
「告げる。~天秤の守り手よ」:英霊への通信(聖杯通して)

となっていると思われます。
というのも、分解していくとわかりまして。
「告げる」より前って英霊に対する話ではなくて、
聖杯戦争参加者としての宣言や聖杯関係の文言が多いんですよ。
それに対して、告げる以降は英霊に対してだと思われる文言が多い。

ってことでさらに細かく分解していきましょう、


◎素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。

こちらは恐らくですが
聖杯へのアクセス、または聖杯の召喚システム起動のための文言だと思われます。
素に銀と鉄    →錬金術(アインツベルン)
礎に石と契約の大公→契約の礎
                           →令呪などを開発した間桐の技術?
だと思われます。
(大公って高い身分の方の呼び方なので間桐っぽい気もします)

もっと噛み砕いて言うと
 「聖杯ハードウェア(アインツベルンの錬金術)」
 「召喚ソフト(間桐の技術)」
の起動ボタンのようなものですかね。

遠坂がないのは、遠坂の提供が「土地=エネルギー」なので起動とは直接関係がないため、だと思われます。
ただし、この後の項目で「土地」「霊脈」「エネルギー」に関すると思われる詠唱はございますので、遠坂に関する詠唱の宣言は存在するようです。

○祖には我が大師シュバインオーグ。(他、祖には我が大師 系)

これはユーザーの信頼性の宣言でしょうか。
定説では「御三家のひとつである遠坂家がその権限で召喚するという宣言」といったところだったと思います。

個人的にはそれにプラスして「特殊なアクセス権限を行使する宣言」ではないかと考えてもおります。
というのも、この宣言をした魔術師というのが
・遠坂凛:エミヤ(アーチャー)
・遠坂時臣:ギルガメッシュ(アーチャー)
・相良豹馬:ジャック・ザ・リッパ―(アサシン)
・カーシュラ:リチャード一世(セイバー)
と、全員が全員、わりと特殊なサーヴァントなんですよね。
特殊な英霊はいないと言ってしまえばそれまでですが、
 エミヤ:未来(厳密には平行世界)の英霊
 ギルガメッシュ:最古の英霊
 ジャック:ほぼ悪霊
 リチャード一世:一人で多くの英霊を従える規格外(未知数)
と、まだすべてが明らかになっていないリチャードはまだしも
あとの3人って結構規格外の英霊。
そして今のところ宣言している祖がわかっている遠坂が面白くて
・シュバインオーグ → 第二魔法の魔法使い
          → 第二魔法は「平行世界の観測(時間軸の移動含む)
なので、「未来の英霊」「最古の英霊」「平行世界の英霊」といった
第二魔法要素の強い「遠い存在の英霊」にアクセスできてしまっている
のがポイントではないかと思っていまして。
こう見ると相良が、fakeの変異型ジャックではなく、悪霊型のジャックを呼んだのは、彼が呪術系+西洋の生贄魔術師だったことと関係しているのではないかとすら思えます。呪術または西洋の祖が、生贄・悪霊をうまく扱っていた可能性がありますね。
そう思うとカーシュラの家系が気になるところです…。

さて。ということで。これらの宣言は
「必須ではない、これがないと目当てを召喚できないということはないが、宣言内容に合っている祖の力を借りて、より目当てを引く確率を上げる」
というものではないかと、と考えました。
そうなると、この詠唱は「家系の祖の権限を利用し、英霊の座へのアクセス権限を特定範囲でだけ強める」といった効果があるのではないかと思います。

○手向ける色は"赤" or "黒"

これは言うまでもなく「聖杯に対してどの陣営か宣言する」というコードになると思われます。
聖杯の召喚ソフトが聖杯大戦モードでの起動となっているため、
どちらの陣営かはっきりさせることで、どちらの陣営が勝ったかの判定に使うのでしょう。


◎降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、
 王国に至る三叉路は循環せよ

こちらですが「聖杯にたまった魔力を引き出しますよ」宣言ではないかと思われます。

「降り立つ風には壁を、四方の門は閉じ」
 →聖杯の魔力を冬木の外に出さないように閉じる
「王冠より出で」
 →聖杯より魔力を引き出す宣言、王冠とは聖杯
「王国に至る三叉路は循環せよ」
 →恐らく 王国=根源 だと思われます
  三叉路(Y字型の道、3本交わる道)は2通りほど受け取り方があり
  ・柳洞寺大空洞、遠坂邸、教会の3霊地を繋ぐ霊脈
  ・アインツベルン、遠坂、間桐の三家を繋ぐ同盟
  のどちらかの意味ではないかと思われます。
  この間を循環し、根源を目指そうという宣言。


◎閉じよ/みたせ。閉じよ/みたせ。閉じよ/みたせ。閉じよ/みたせ。閉じよ/みたせ。

こちらは「聖杯を閉じて満たす」という文字通りのもの。
サーヴァント死亡時、聖杯を通って英霊の座に行きます。
この英霊の座に行こうとしている分霊を閉じ込め、土地から得られる魔力とは比較にならない魔力を得るのが聖杯で根源に至るだけの魔力を集める仕組み。

召喚するときは片道一回分の魔力ですが、
還ろうとするときはその一回分の魔力を継続的に発生させるわけで
引力をエネルギー変換して魔力にしている というわけですね。

つまり、聖杯の出口を「閉じる」ことで魔力を「満たす」ので
「閉じよ」であり「満たせ」なんですね。

回数が5回なので次の項目にて。


◎繰り返すつどに五度。
 ただ満たされる刻を破却する。

こちらですが、最初は五度目の聖杯戦争だからかなと思ったものの
他の聖杯戦争でも同じことを言っているので多分違うんですよね。

可能性としてあるのは「英霊を留める回数」の宣言ではないかと。
「願望器として完成される・聖杯が起動するのが5騎分」なので、
「5回【閉じる/満たす】をするまでは起動しない」という意味かと。

これに加えて「満たされる刻を破却する」ですが
「破却」とは「原型をとどめないこと」なので
「サーヴァント(英霊の分霊)」を「無色のエネルギー」に変換することを指しているのかと。
満たしている間、中のものを無色にすること というシステム上の命令文でしょうか。

そうなるとこの文言は「五回【閉じる/満たす】をする、それまでに内容物を無色のエネルギー化する」ということになるでしょう。


○Anfang./セット

凛ちゃんオンリー掛け声みたいなやつですね。
これはよく凛ちゃんが魔術を行使する最初に言うやつなので基本割愛しますが
多分ここまでが「聖杯という礼装の起動」だったので
ここから「英霊召喚」という魔術を行使する ための凛ちゃんの宣言と思われます。


◎告げる

凛ちゃんの「セット」に近いのですが、英霊に対して呼びかけているのではないかと。
「これからメッセージを入れますよ」とか「もしもし」くらいの意味合い。


◎汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

ここは文字通りですね。
「汝=英霊 は 我が=私の 下=使い魔 に」
使い魔にしますよ、と宣言するとともに
「我が命運は汝(英霊)の剣(力)に。」
使い魔にする代わりに、マスターの運命はあなたに委ねる という
信頼および契約の宣言。
使い魔ですが、決して奴隷ではなく、対等であるという意思表示かもしれません。英霊呼ぶんですしね。


◎聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

寄るべ とは 頼りにする相手 などの意味になります。
この場合は 聖杯に選ばれたマスター でしょうか。

そして「この意」は聖杯戦争の意(方針?)、
「この理」は聖杯戦争のルールと思われます。

つまり「聖杯が選んだマスターに従い、聖杯戦争の方針・ルールに従うならば召喚に応じてください」となります


◎誓いを此処に。
 我は常世総ての善と成る者、
 我は常世総ての悪を敷く者。

これは「英霊召喚」が「抑止力による人類の脅威を制圧するシステムを応用しているもの」という認識があればあまり難しくはないと思います。

「常世総ての善と成る」というのは「結果的に善となる=人類繁栄の継続に貢献する」
「常世全ての悪を敷く」というのは(敷く は 組み敷く の敷くとして)
「人類の脅威を制圧する」
つまりは「私は抑止力である(抑止力に成り代わる)」宣言であり、
その権限でもって貴方を降霊しますよという宣言ではないかと。

○されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。
 汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者

バーサーカー指定の詠唱ですね。
これはマスター=抑止力の成り代わり によって
どういった力として顕現するか指定されてる という状態だと思われます
本来の守護者は災害みたいなもの という説もあるように
時と場合に応じて、顕現の方法が違うのかもしれません。

他、ハサン以外のアサシン指定詠唱が存在するらしいですが、こちらは詠唱不明のため割愛。多分、ものとしては同じでしょう。

◎汝三大の言霊を纏う七天

こちら「三大の言霊」がわからないのですが
「三大の言霊を纏う = 第三魔法による顕現」という仮説を立てました。

サーヴァントの肉体は劣化版第三魔法によって作られています。
「霊体(英霊の分霊)が魔力の肉体を持つ」はまさしく「魂の物質化」です。
つまり、これは「第三魔法によって身体を作りますよ」と伝えているのかと。

「七」はサーヴァントの数ですね。
この「七」という数字ですが、設定上理由がございまして
本来の英霊は、人類悪(ガイアの怪物含む)に対抗するため
七騎の守護者として降霊するようです。
そして、聖杯戦争はこの仕組みをモデルにしているのだとか。
FGOのロンドン編でも出てきましたよね。
つまりこの「七天」は「七騎の守護者」という意味だと思われます。

よって「汝三大の言霊を纏う七天」とは
「第三魔法の系譜によって身体を得た七騎の英霊」
つまり「七騎のサーヴァント」のことでしょう。

◎抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ

「抑止の輪」とは恐らくですが
「抑止力により、守護者としてく降霊するための入り口」だと思われます。
英霊の座の出入り口のひとつですね。
つまり「抑止力の仕組みを応用した通り道を作ったからそこ使って」といった意味になります。

「天秤の守り手」については、英霊・守護者のことと思っていいでしょう。
天秤の意味にもよりますが、
ご存じの方も多い通り、英霊や守護者って正義の味方ではなく、
人間が長く繁栄するための防衛装置であり、バランサーですから。
悪を退治するのではなく、均衡を崩し、災いを消すという意味で。

つまりここは、「英霊に対し、抑止力の通路を通ってくるように案内を出している」と思うのが妥当でしょうか。


だいたいこのようなところだと私は考えております~なんて遊んでみました。
あくまで個人的見解ですが、いかがだったでしょうか。
今度は再契約なども洗ってみたいですが、詠唱の意味を考えるのは結構面白いのでおすすめです。

追記
王冠〜のあたりについて「カバラでは?」といったツッコミもいただいたのですが、今回は作品から読み取れる、型月作品の世界説明に直接出てきてる要素に限っております(あんまり作品外から持ってくるのが好きくないという単なる好みマン、あと面倒臭がりなのであった)
他にもオカルト系に詳しい方からするとトンチンカンな部分があるかもしれないのですが、あくまでも原稿の合間に好きにこねこねしたかっただけなので流し見でもしてやってくださいね〜ダブルミーニングってことにでもしといてちょい。
でもカバラは面白い説というか、結構合うのでそっちのが多分正しいですし、人類悪の件もあって正直引っかかるのでまた別の機会に参考にいたします。(今回は霊脈の起動文言がある方が聖杯への呼びかけっぽくて私が好きなのでこのままです、ごめんね)