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風と、太陽。月と、太陽。

1年前、10数年間わたしを支えてくれた愛犬・王子が突然この世を去った。

命日に近い先週末、藤井風くんの愛に溢れた歌と演奏を全身で感じるために、サンドーム福井へ。

いつも王子と一緒に聴いていた風くんの音楽。時には一緒に歌い、時には踊る飼い主をまん丸で穢れのない瞳で見つめていた王子。

福井での全身全霊を傾けた風くん渾身のパフォーマンスは、わたしの心の中に棲む王子にもしっかり届いたらしい。帰りの雪道を歩いていたら、ふと彼の名前が口をついて出た。

「SUN♡」

愛犬の名前はSUN=サンという。王子はニックネーム。実はその瞬間まで、サンドームのサンをSUNに重ねて考えてはいなかった。

SUNが「僕だよ、僕がここにいるよ」って、心の中から呼びかけてくれたんだなぁ。あー、気づかなくてごめん。たった1年なのに、キミの名前に反応してなくてごめん。ぐっと胸が詰まって、同時に温かくもなって、強烈寒波にめげずに来てよかった、と改めて思った。

仕事で徹夜の時、人間関係で悩んだ時、家族の心配事が続いた時、いつもいつも心を照らして支えになってくれた、わたしだけの太陽。10数年前、ペットショップで売れ残っていたキミと目が合い、その瞬間に連れて帰ると決めて、うちの子になった。

身体が大きいのにビビりで、無邪気で屈託がないのに序列はしっかり守り、先住女子犬2頭をお姉さまと崇めていた。彼を迎える半年前に亡くなったナイト的な男子犬の後役を担うはずが、末っ子の甘えん坊気質全開で6歳上のお姉ちゃん犬にべったり。

時が経ち、お姉さん犬たちが順番に亡くなり、ひとりと2頭と東京から青森へと移住し、最後に残ったキミと1対1で過ごした5年。序列筆頭になった躊躇い。腕枕に慣れるまでの練習。マイペースでのお散歩。お互い、新鮮な日々だったよね。

わが家のわんこファミリーは、血縁関係はないけれど、同い年の女子と男子、7歳下の女子、さらに6歳下の男子の4頭。末っ子男子のSUNをわたしの最後のわんこと決めていたので、弟妹を迎えることはなく、寂しい思いをさせたと思う。ごめん。

末っ子って可愛いよね、産んではいないけどw。犬育てにも慣れて不安が少ないし、先住犬達が色々教えたり、面倒見てくれたりするから、手がかからないし。そして、最後まで残るから、愛情を独り占めすることになる。風くんもきっとそうだったんだろうな…。

わたしの第1王子は死ぬまでSUN。第2王子が風くんw。

さて、福井のライヴ。宮城で聴いて感動して、どうしてももう一度生で聴きたかった『The sun & the moon』は、前回以上に美しく、吸い込まれるように澄み切ったピアノと歌声で、無限に広がる宇宙が見えるような壮大な世界観。昨年眺めた石垣島の満天の星空を思い出した。

福井は、最高以外の言葉が見つからない素晴らしいパフォーマンスだったのに、どうやらまだまだ進化を続けるらしい。最終の神奈川に行ける人たちは天国を体験するね、きっと。

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