モナカ
街のはずれの
あくびした旅館の
二の間のテェブルの上に
ぽつんと置かれている
モナカ
あれは 食べ物ではない
たぶん 食べる人はない
だから 残っているとゆうことは
たらい回しにされている
モナカ
毎日毎晩 菓子皿の上に
毎日毎晩 ただ鎮座して
男と女の その肉のむつみあいを
黙ってぢーっと見ている
モ ナ カ
そうして逢い引きのあとの寝顔から
出来たばかりの夢を万引きしている
その夢と現実は
愉楽のための悲歎
希望のための絶望
汗と 涙と たまに滴る血の臭い
毎日毎晩 菓子皿の上に
毎日毎晩 ただ鎮座して
男と女の その肉のせめぎあいを
黙ってぢーっと見ている
夢の最中
・
黄色い太陽の
昧爽どきを 思いだしたら
伽藍とした 旅籠の部屋に
虹色の髪に 包まれたモナカが
佇んでいるのが 見えたんです
それでぼくはひかりをあつめて
・
https://www.youtube.com/watch?v=zBWbpFz3wac
・
人気ない
朝の川辺を
散歩してたら
偏光する最中の
プリズムの回折が
分光を元に戻すのが 見えたんです
それでぼくは
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