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天穂のサクナヒメ

メインスタッフわずか2名が5年かけて作った話題のゲーム、「天穂のサクナヒメ」。今作はお米を育てることで主人公サクナを強化していき、敵を倒してステージを進んでいく横スクロールアクションゲームである。横スク好きとしては無視できない作品だった故、流行に若干乗り遅れつつ一週間かけて一通りクリアしたので、全体を通した簡単なレビューをしたいと思う。

このゲームにおいて注目してほしい点は大きく分けて二つ。「農業パート」と「アクションパート」である。

農業パート
先述した通りお米を作ることでサクナのステータスが上がり、ステージ攻略がスムーズになる。アクションが苦手な人でもどんどん育てればクリアしやすくなるし、逆にスリリングなプレイを楽しみたい人は田んぼそっちのけでガンガン攻略していくこともできるため、難易度の塩梅が分かりやすく設計されている。田植えから収穫までの面倒の見方によってサクナの上がるステータスに偏りがあり、例えば品質(種籾の厳選)にこだわらずとにかく大量に作れば命(HP)が上がり、数は少ないがより厳選された種籾で作れば神気(SP)が上がる。他にも水温調整、田植えの間隔、肥料のレシピ、収穫の時期や精米方法など様々な要因で変化するため、じっくり研究しようと思えばかなり奥の深い内容となっている(事実、発売当初は農林水産省のHPが攻略サイトとして見られていた程、実際の米作りに忠実な仕様となっている)。これを聞いてめんどくさそうと思った貴方も、ちゃんとNPCにお任せする機能があるから安心してほしい(なんだかんだ楽しくて自分は終始自力で育ててしまったが)。そしてただ作るだけでは当然終わらない。収穫した米はクエスト前に他の作物と一緒に食べることで一時的に能力が上がったり、次の年に向けた田の肥料にしたり、通貨としての役割もあったりと用途は様々である。他の作物はクエストの道中で拾えるほか、作物以外に集めた素材で新しい装備を作ったりもでき、モンハンやドラクエを彷彿とさせるRPGの王道的仕様も加えられている。

アクションパート
自分が一番目当てにして買ったのがこの部分であるが、非常に手に馴染む操作感で個人的には大満足だった。ここではSwitch版の解説をしていく。
基本となるのはYの弱攻撃とXの強攻撃。どちらも連打するだけで勝手にコンボが発生する。それに追加で武技と言われるスキルをAボタン+4方向に好きなように設定でき、単体でも強弱攻撃と組み合わせても使用可。そしてこのゲーム独自の仕様として、Rで羽衣を伸ばし、つかんだ敵の背後に回り込むというアクションがある。このY,X,A,Rはそれぞれ独立したアクションのため、複雑に組み合わせるコマンド入力やコンボなどはなく、直感的なバトルが楽しめる。最初に手に入る武技が敵を後方に吹き飛ばす技なのだが、吹き飛ばされた敵が他の敵にぶつかると連鎖的に吹き飛んでいくので、混戦状態では非常に強力で尚且つ見ていて気持ちがいい。敵に攻撃する時の効果音も「ビシ・バシ」といった軽快なものが多く、演出も派手で爽快感がある。さらに先述したRボタンの羽衣ひとつで、戦闘以外にも地形を掴んで移動・壁に張り付く・ジャンプで届かない場所に行く等多彩なギミックが行えるため、複雑な操作を必要とせずにスムーズなステージ探索が行える。

「簡単操作でお手軽コンボ」、「軽快なSEと派手な演出」・「テンポ良く進む攻略」。おさえるべき所をしっかりおさえつつ、稲作シミュレーションというオリジナリティと先述した難易度の塩梅も兼ねて、ライト層からコアゲーマーまで幅広く楽しめる至高の一品だった。音楽も和風テイストが非常にマッチしており、個性豊かなキャラクター。ストーリーも心温まるものであった。そして何より、元気いっぱいのサクナを動かすのが楽しい。貴方もサクナと一緒に、お米で世界を救う冒険に出てみてはいかがだろうか。

<文責:エンガワ>


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