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S&Mシリーズ(著者:森博嗣)

「S&Mシリーズ」とは森博嗣先生が執筆するミステリィ小説シリーズの一つである。講談社ノベルスから1996年に発行した『すべてがFになる』からスタートした。理系ミステリィの金字塔と呼ばれているこのシリーズは物語中に登場するトリックに工学系の要素がちりばめられていたり(いることもあるヨ)、執筆された当時では最先端のコンピュータに関するネタが載っていたり、登場するキャラクタの思想や思考は哲学的で、作者の多趣味より来る多くの知識も生かされている。そのほかにも他の作家には見られない珍しい特徴たっくさんある。ちなみにこのシリーズ名は登場人物の名前の頭文字から取ってきている。

「理系・工学系の話やコンピュータの話が難しくて読みづらそう」と思う人も少なくないだろう。いっけん入門に必要な事前知識が多そうで敷居が高く思える。だが安心してほしい、実際は全くそうではない。なんせ一般文芸のミステリィ小説である。メタ的に言うと、一般人が理解できるトリックやエンタメじゃないといけないし売れない(ちなみに彼の著書の累計発行部数は1300万以上ある)。実際私がこの本を初めて手に持ったのは15歳の時だが問題なく楽しめた。

読み始めて最初に気に入ったのは登場人物の台詞回しで、それは今でも一番のお気に入りだ。登場人物の言動の端々から知性を感じる。言葉選びがクレバーでかつセンシブルかつスペシャルである。(意味よ伝われ!)登場人物の多くが学者や学生や刑事だからという理由もあるがそれを抜きにしても、人物の思想がストーリーの進行を変に邪魔しない整然とした構成で作者の技量の高さが感じられる。

ここまで散々外堀を埋めるような文を書いてきたが本題に入ろう。このシリーズのおすすめの個所だ。それは「個性的な登場人物」。ここでは特に癖の強い三人を紹介する。

このシリーズの主人公:犀川創平は国立N大学工学部建築学科の助教授、探偵役である。類稀なる分析・考察力を持つが基本的に事件の真相に興味がない。コーヒーはホットのブラックしか飲まない。

このシリーズのヒロイン:西之園萌絵は国立N大学工学部建築学科に在籍し、事件を持ち込む助手的な立ち位置である。優れた家柄・容姿を持ち頭も抜群に良い。行動力も人並み以上にありそのせいで事件によく巻き込まれ首も突っ込むし、犀川が事件に巻き込まれる原因のほとんどが彼女である。叔父が愛知県警本部長であることを利用して警察に知り合いが多く彼女のファンクラブまで存在する。犀川に一途な恋愛感情を抱いているがなかなか実らない。(早くくっつけ!!)(ほんとキャラ濃いな君)

このシリーズ最大のキーパーソン:真賀田四季は天才である。正真正銘の天才プログラマ、「人類のうちで最も神に近い」と呼ばれている。存在がでかすぎて他のシリーズにも彼女の影が偏在する。これ以上説明するとネタバレになる。ごめn

上記の通りたいへん濃ゆい。とにかくミステリィ小説にしてはキャラクタが個性的すぎる。

最後に、小説からだと履修しにくいという人はドラマやアニメなどのメディアミックスもあるのでそちらから沼るのもいいと思う。

うまくまとめきれずに個人の感想をぶん投げたような拙い文章になってしまったが、多面的な魅力のほんの一欠片でも伝わって少しでも興味を持ってくだされば幸いだ。

P.S. 刊行順に読むのがおすすめです

<文責:Daniel>


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