2024/7/3 EURO2024 オランダ対ルーマニア 雑感
※素人によるオランダ視点での雑感です。
きっとこれ以上に酷くはならないと信じたくなるほど酷すぎたオーストリア戦から、一部メンバーを入れ替えて迎えたラウンド16の一戦は、開始15分程度まではルーマニアの勢いに押されながらも徐々に盛り返し、結果としてはこれ以上ないものを見せてくれた。
今回のEUROの開幕からやりたかっただろうビルドアップの形が、この試合では15分過ぎから良い形で何度も見られた。正直に言ってルーマニアの守備が杜撰だったこともあるが、対フランス戦で相手にやられ続けたアンカーの左右のスペースに入り込み縦パスを通す形を継続してできていた。
先制点から追加点まで、数多くのチャンスを作りながらも非常に時間がかかってしまいルーマニアに希望を持たせ続けてしまったが、83分に生まれた待望の追加点でそれも終わり。終了間際にはセットプレーのカウンターからダメ押しのゴールも生まれ、ベスト8に向けて弾みをつけることができた。
各選手評
Starting
GK
Verbruggen
開始から15分は自分たちのぎこちなさからルーマニアの攻勢に晒され多くの仕事をすることになったが、ゴールは割らせず。
その後はチームが安定し押し込む展開になったため、主にビルドアップ面での出番の方が多かったが、無難なパスに終始せず、時たま良い縦パスを入れてチームを円滑に動かしていた。
DF
Ake out 69'
チームと共に不安定だったオーストリア戦から打って変わってパフォーマンスを取り戻した。
Van Dijk
開始15分の間に、いまだに治らないDe Vrijとのギャップを何度か狙われたり、前半終了間際の中途半端なクリアなどでいくつか危険なシーンをチームにもたらしたが、大事には至らず。
普段の彼から考えれば、好調なチームの中で数少ない低調なパフォーマンスを見せた一人だった。
De Vrij
同じくチームが落ち着くまでは何度か苦しめられたが、落ち着いてからは安定した守備と、今日は何よりビルドアップへの貢献が素晴らしかった。
ヘディングシュートのシーンは一瞬入ったかと思ったがサイドネット。
Dumfries
前半、今回のEUROでは初めて出場したBergwijnらと非常に良く連動して数多くのチャンスを作り出した。しかしながら全てゴールには至らず。微細なディティールの部分で擦り合わせが必要。
後半、Malenに変わってからは前半ほど目立ちはしなかったが、要所要所で良いパフォーマンスを見せた。
MF
Schouten out 69'
中盤でのボール奪取、Reijnders、Simons、Memphisへの鋭い縦パス、味方を助ける動き。今日に関してはどれも素晴らしく、常にチームの助けとなり続けた。
Reijnders
Schoutenと入れ替わりながら、チームを円滑に回し続けた。
だがやはりシュートは課題。
Simons
間違いなく、彼の代表キャリアの中で今日が最高のパフォーマンスだった。
ライン間でボールを受け、常に相手にとって脅威であり続けた。
自身にもゴールを決めるチャンスはいくつかあったが、もたついたり一手間かけようとして相手に戻られたり打ち切れず。もっとシンプルに打っても良かったと思うのだが。
FW
Gakpo out 84'
素晴らしい先制ゴール、諦めずに繋げた追加点のアシストと、疑いの余地なくこの試合のMOM。
クロスに関してはもう少し改善の余地ありか。
Memphis out 90+2'
チャンスシーンには絡むし、彼自身にも惜しいシーンは訪れるのだが、本当にこの役割は彼でなければならないのか?
今日に関してはルーマニアのプレッシングの弱さに助けられた面も正直多く、割と余裕をもってボールを持てていたことで良さが出たが、このまま上手くやれるかと問われれば疑問符。
CKのキックの質は特に残念でしかなかった。
Bergwijn out 45'
Simonsが10番の位置でプレーするために、代わりの人材としてMalenより優先された。
Dumfriesが上がるスペースを確保するために中に入り気味でプレーすることが多くなるのだが、非常に上手くやっていた。後半、Malenに変わってからの右サイドの出来を鑑みるに、優先されるに足る理由があることを証明して見せた。
残念ながらケガの状況が良くなく、前半で交代。ハッキリ言ってもっと見たかった。
Sub
Malen in 45'
Bergwijnがケガを押しての出場だったこともあり、後半から彼に代わり投入された。
右サイドでの連動と言う面では正直Bergwijnに大きく見劣りしたが、貴重な追加点、そしてダメ押しのゴールと明確な結果を残した。
それ以外にもいくつかのチャンスメイクに大きくかかわり、オーストリア戦の悲しみからしっかり立ち直ったことを感じさせる良いパフォーマンスだった。
Van de Ven in 69'
Akeに代わり出場し、無難なパフォーマンスを見せた。
途中、圧巻のスピードを見せつけてくれたシーンもあり、見せ場はあった。
Veerman in 69'
失意のオーストリア戦から立ち直るチャンスを得た彼のパフォーマンスは決して悪くはなかったが、今日に関してはSchoutenが良すぎた。
決定的なシュートのシーンでは惜しくも決めきれず。あれを決めていれば間違いなく自信の回復に繋がっただけに決めたいところだった。
Weghorst in 84'
2点目が決まった直後に投入され、彼の良さである前線からのチェイシングでチームを助けた。
ボールプレーに関しては時間もなく評価できず。
Blind in 90+2'
試合を締めに登場。出場時間もほぼなく評価できず。
チームとしてやりたい形と、相手の形がこれ以上ないくらいに噛み合い、前述した通り前半15分過ぎて自分たちのやり方を確立できてからはひたすら押し込み続ける素晴らしい試合で、3-0としっかりと結果も付いてきました。
ただ何度も言いますがこの内容なら、前半でケリをつけて後半を楽に戦うくらいで行けなければならなかったのに、まったく決めきれずルーマニアに希望を残し続けてしまい、追加点が奪えたのは結局83分と試合終了がかなり近づいてから。相手がもっと強ければ、仮に今日のように上手くいっていてもどこかで追いつかれ、もっと苦しんでいたはず。フィニッシュの局面の精度はもっと高めないといけません。
次の対戦相手はオーストリアを破ったトルコに決まりました。反対側の山に比べれば明らかに恵まれた対戦相手ですが、我々はグループリーグでそのオーストリアに敗れていて、それを破ったトルコと当たるわけですから油断など当然できません。
さすがに今日ほど上手くチームとして回ることは難しいでしょうが、チームとしてやりたいことの流れがある程度見えた今、チャンスを作ることはできるはずです。後は決めきれるか。
次戦は7/7、日本では七夕ですね。時刻は4:00キックオフです。
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