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幸せの青い世代へ

私の最後に担任をしたかわいい子どもたちが本日卒業式だということで、noteに溢れんばかりの想いを綴ってみました。


幸せの青い世代へ

皆さん、ご卒業おめでとうございます。

「Blue Bird」3年前、皆さんの幸福を願ってそんな名前の学級通信を書いていた記憶があります。
あれから月日が経ち、変わってしまったようで変わらない日々を過ごしていることでしょう。

みなさんの成長した姿を直接見ることができないことがとても残念ですが、きっと立派に成長していることでしょう。まずは、今日この日まで一歩ずつ歩んできた自分を褒めて、認めてあげてください。例え、褒めることが一つも見つからなかったとしても、前に進んでいないと思っていても、それでも「よく頑張ったね」と褒めてあげてください。他の誰よりも自分を褒めて、大切にしてください。これからもずっと。

本当に、卒業おめでとう。そして成人おめでとう。
そんなあなたに私が送る最後の言葉はこちらです。

「大人にならなくてもいい、自由になれ。」

さて、3年前に「自由と責任」を偉そうに教えていた私は今、「自由に無責任」に生きてます。教師という職業からは身を退き、変わらず好きなことを好きなときにやるような自由な生活をおくり、毎日を楽しく生きています。なんだか最近は教師という職業が不人気ですが、私は最高に楽しい職業だと思っています。教師が嫌だったということは決してありません。いつか戻るつもりです。しかし、自由を失うことは怖いので相応の準備をしています。

私が自由が大切だと思い、自由を教える理由は、自由な子どもを見ることが好きだからです。子どもが好奇心のまま動き、目の前のことに一生懸命になる自由な姿が大好きです。しかし、私は不自由な大人を見る機会が多いです。もし仮に、みなさんが大人になり、不自由になっていくのだとすると、私はとても悲しい気持ちになります。なぜなのでしょうか。何が原因なのでしょうか。何度考えても答えはわかりません。

きっとみなさんは学校生活の中でそんな答えのない問題にたくさん出会ったでしょう。それはこれからも変わりません。だから最後に一つだけ教えたいことがあります。

それは、「灰色を受け入れよう」ということです。

人は白や黒に分類したがる生き物です。みなさんも青・赤・黄色に分類された覚えがあるのではないでしょうか。しかし、世の中のすべての物事は灰色です。絶対に正しいことなどなく、絶対に間違っていることなどありません。それでも人はすぐに答えを知りたがり、安易に決めつけて考えることをやめてしまいます。まぁ確かに灰色が好きな人は少ないですからね。
それでも灰色はあなたのもとにやってきます。これからの人生ではさらに難しい問題や大きな悩みに直面することがあるでしょう。それらはとてもとても灰色です。

そんなときに何かを分類して決めつけてしまうと、あなたは不自由になります。そこからあなたは動けなくなるでしょう。ノストラダムスの大予言で1999年に人類が滅亡すると決めつけてしまった人は必死に滅亡しなかった理由を探していました。とても不自由で生きづらかったかと思います。だから、考えることをやめないでください。答えのないものをずっと考え続けてください。答えが出ない灰色が存在することを受け入れてください。いつかやってくる灰色からみなさんの周りの大切な人を守れるように、どうか考えることをやめないでほしいです。そして何より、考え続ける人は自由で上品であると私は思います。

日々を灰色の中で生きることはそのための鍛錬です。安直ですが、私は有事の際に備えて毎日鍛錬をしている消防士が好きです。そんな風に、日々灰色と向き合うことを大切にしてください。10年後のあなたが笑うために、今のあなたが灰色を受け入れることが必要不可欠です。

そういえば、キリスト教にはこんなお祈りがあります。

神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。 変えるべきものを変える勇気を、 そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

平静の祈り

というわけで、なぜ私がこの祈りを伝えたのかという灰色を最後にプレゼントします。


最後に
ああ、想いを込めすぎて、みなさんの幸せの青を灰色で汚してしまいましたね。自由な生活を送ってるとはいえ、人肌から遠い生活をしていると文章を書く力が衰えた気がします。3年前の日々を思い出しながら執筆していました。とても懐かしいです。1年という短いつながりでしたが、みんなが笑顔でいてくれるだけで私は毎日幸せでした。本当に感謝しています。あなたの笑顔が私を幸せにしたことをどうか忘れないでください。そして、きっとそれは私だけではないはずです。
もしまた、会うことがあれば、また笑顔で話を聞かせてください。


最後の最後に
退職前にクラスのみんなに他愛もないポエムを毎日送信していたことがありました。そんな中とある生徒から最後に「これからも続けてください。」とのメッセージがあり、それがきっかけで3年前から始めたnoteの毎日更新。1年しか続かなかったけど、まだ見てくれていたら嬉しいな。


- fin -


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