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7th Hero / Fate 配信開始しました。

 2021年10月20日に配信開始になった3曲入りアルバム (声と制作:全部わたし)「7th Hero / Fate」の紹介です。

↑各種配信先のリンクはだいたいここ。Spotify、Amazon Music、Apple Music、YouTube Musicなどなど。今回は配信先が主に海外なので、リンクたどれてないところ多数 笑

 ↑YouTube のトピックチャンネルっていうのが自動生成されてました。そこに行けばアカウントなしでも全曲聴けるはず。

アルバムについて

  まず、こちらの3曲とも、「過去作」という扱いです。2015年から2016年に制作したもののリマスターという扱い。本当は過去ものはそのままにしておこうと思っていたんだけど、今の環境でリマスタリングしたらそこそこ聴ける形にはなるんじゃないかと思ったのと、以前ネットに上げてたものを聞いて気に入ってくださって音楽的なことと紐づけて発信してないsnsアカウントを探し出して繋がってくれた方がいて、本当に嬉しくってすごく気力がわいたことがあったんです。

 だから、一人の人にでも好きだと思ってもらえるものなら「稚拙で恥の上塗りなので」とか言ってないで「稚拙でもこれが等身大なんです」って腹くくって出しちゃったほうが、うれしくて貴重な体験を私にさせてくれたこの曲を死なせるよりはるかにいいなと思って。

 制作環境、というか自分自身の生活環境自体がこの頃と大きく変容しているし、5年も前に作ったものってやっぱり今現在の感覚と同じとは言い切れないので、あまり掘り下げずに中身そのままで聴きやすい形にすればいいや、って思ってたんですけど…

 PCを何代か(物理的に何台)またいで作ってるので都度都度いろんなものがなくなったり使えなくなったりしてるんです。

 DAWソフトで音を貼り付けてく作業になるんだけど、そのリンク先が不明になって音が無音になってる箇所がいくつもあった。ソフトシンセも使えてたものが新しい環境になったらなぜかエラーが出たりとか、設定したファイルが行方不明だったりとか。

 なので、以前に作ったものを聞きながら、どこの箇所がなくなってるのかをチェックして、別の音色で埋めていくとかここに入れたボーカルのファイルはまずどれなんでしょうね、を以前使ってたPCのHDDから探していく作業。ここでまず時間食いました 笑

 さて、曲の紹介をしますけど、2013年から現在に至るまでの8年超の時間の中で考えたこと全部入れたから、長いよ。

7th Hero (words music vocal わたし)

 曲の紹介をします。まず、イメージ元の説明からだな。
これを作ろうと思って始めたのが2013年の夏です。このころはねえ、ここ数年で一番いろいろあってどん底みたいな時期だったんだけど、そこからもう一回浮上するっていう気持ちが強かったから、そのことがテーマになっている。

 当時は、っていうか今もまあそうなんだけど、だいたい曲を作るときってスポーツ観戦してるときに浮かんだことだったり、この光景は残しておきたいわーって思うような、心を動かされたなにかだったりをモチーフにすることがほとんど。この曲は100%プロ野球からイメージもってきてます。心の拠り所が野球観戦だったんだもの。

 2013年ていうと、広島カープファンの私的には「いい加減優勝してくれないかな」と思ってた時期だったし、当時よく行ってたのが神宮球場で、当時の神宮っていうとイメージする人は当時東京ヤクルトスワローズに所属してた田中浩康さん(現在は横浜DeNAベイスターズのコーチ)なんですね。

 前年には田中選手は絶対的な存在だったんだけど、この年はかなり試練だったと思う。最終的に広島カープ見るのより田中選手が絶対的な存在として戻ってくるほうに肩入れしちゃって自分は一体どこのファンやってんだと思う状態になってましたが、思い入れがかなり強い選手です。で、「7」は田中浩康選手が当時つけてた背番号からもらいました。野球的に言っても7回くらいに出てきて試合決めてくれる人はヒーローだし、そのあたりも絡めてこのタイトル。歌に使う言葉のイメージも「アナタの強さは私わかってんだから、またステージに戻ってきて君臨するんでしょ?」といった感じ。

 イントロ部分のイメージはまたちょっと違う角度で、これ、広島カープの菊池選手の守備の華麗感出したくてこういう音。自分が見てる菊池の守備ってこういうイメージなのよ! でいいか。結構難しいことを軽快にやって見せてちよっと笑ってる感。若干日本的ななにか、っていう音のテイスト入れたかったんだけど、たぶんあれだ、菊池は忍者っぽい、と言われてたところからのイメージだ。

 この当時カープでは菊池涼介選手が2年目で。前年なんかいい選手出てきた、ってなったんだけどこういう選手出てきてくれるとチームが一気に盛り上がる気がする…と思ったんです、(ていうか当時見てるカープファンの人は全員そう思ったと思うけど)。それまで「暗黒時代」が長かった我がチームとしては、こういう人が出てきてくれると突破口になるはず。気持ち的にもそうでしたよね、彼の躍動を見ていると鬱々として「どうせ」と思いたくなっちゃう気持ちの風向きを変えてくれてた。

 この曲の構成は、真ん中に「生まれ変わり」をイメージする部分を持ってきてる。この曲のテーマは「再組成」、一度出来上がったものの組成を変えてまた別の強いものに生まれ変わるってイメージね。正にこれはその時の自分の状況だよなってあとから思ったんだけど、何かに行きづまったように感じたとき、ゼロから始めるっていうよりちょっとだけ考え方にテコ入れするとか、やってることに一味加えてみたりするとか、スポーツなんかだと「違うポジションに挑戦してみる」っていうのもあるか。とにかく、自分のまったく持ってないものをどこかから持ってくるんじゃなく、自分の中に既にあるものの使い方を工夫するってこと。ビジュアル的なイメージだとこの箇所は寝てる間に自分の中で切り替わってるようなイメージ。つまり意識の上でやることっていうよりも無意識下で勝手に完了してる、ってイメージです。

 音の部分でも、基本のベースラインは同じ動きしてるんだけど、そこに2度4度ってずらした音を重ねていて、基本は自分自身、で、同じ、だけどバランス調整をして流れを作ります、っていう形にしています。

 この曲はリズムこんなかんじ、こういうノリでこういう構成にしたいってところから作ってるから、なんか言葉を入れたいなってなったんだけど最後までメロディがなかった。だから最終的に言葉はそのまま単語を並べてすべて同じ音程でしゃべってるだけであとで音階つけた箇所とかわりといくつもあります。機械と人の50/50くらいの感覚出したかったの。人の意志100じゃなくて、人の意志50、人の立場で言うと自動的感(つまり天の意志)50くらいの感じにしたかったので。

 ちなみに、ほとんどの箇所が都度都度メモ帳に言葉書いてしゃべって録音してるだけなので、歌詞カードってのがない。なんて言ってるかほんとにわかんないところすらあるので復元できない。ボーカルの元ファイル探すのも大変で、ひとつながりで残ってるわけじゃないのでエフェクトかかってる一部とか、かかってない長尺のとかいくつもの中からここの部分はこれを切って使ったな、とかいうのを一個ずつ確認して取り出す作業が一番大変だった。まあ、再組成がテーマなんだから真にそういう曲になったってことですね。

7th Hero (0524 mix)

 これは一曲目のリミックスで、自分の中では「生まれ変わり」の部分が一番好きなのでそれをメインに持ってきてる。0524は自分の誕生日の数字だし、先に紹介した田中浩康さんも同じ誕生日だからちょうどいいな、っていう決め方。生まれ変わりがメインテーマなら、誕生日っていいやん、ていう。ここに使ってる言葉は、「いろんなことをやっても無駄なことってひとつもなくて、いずれバラバラと思えたそれらが全部自分の夢を照らす光になってくれる」っていう願いから。

 上記のふたつの曲の最後に「Can't you feel?」って入れてるのは、要するに生きてる人みんな、うまくいってないように思えてもまだ先があるからその時を虎視眈々と待て、って言いたくて、そのこと、その兆候を「さんざん講釈垂れてきましたけど、つまりこれはアナタのことだよ、わかってるよね?」ってみんなに言ってるの。

 劣勢に見えてもほんとに何が起きるかわかんないから、その時を待って動けっていうの、スポーツ的だよなー、と思う。スポーツ観戦が趣味じゃなかったら思いついてないと自分で思う。


Fate

 これは2016年制作。作り始めはその数年前だったはず。当初作ったバージョンだと辛さと痛々しい感情が強くって、これはやりすぎかもなーという感じだったのでしばらく時をおいて再編しました。なにしろ一番沈んでるときに作ってたものだから仕方ないんだけど、「この世の全部幻じゃん」っていうのを、明るく肯定的な意味じゃなくて否定的な意味合いで表現してる度合いが強くて、さすがにあとあと聴きたくなくなるかもしれん、と思ったので。

 タイトルは運命って意味ですけど、まあ、どっちかっていうとマイナススタートの感覚ですね。なんでこんな目に、みたいな感情ありきのテーマなんだけど、不穏と不安と諦めと受け入れっていうプロセスがあって、その、受け入れたあとにどう闘っていくか、みたいなことを表現したかった。闘ってる最中も心の痛みは抱えたままなんですけどね。「心の中に血が滲むみたいな" Why?"という感情込み」のイメージ。

 スムーズと思ってた道がなんとなく不穏な感じになっていて、ある種の理不尽と葛藤しながら剣を構えて闘ってるイメージなんだけど、(その剣はどっちかっていうと攻撃じゃなくて自分を守るために構えてる感じだね)最初のバージョンになくて作り替えたときに間奏という形で入れたのは「でも、その理不尽のなかにも肯定できる思い出や経験はあったはずだ」という回想と「この状況をマイナスととるか活かそうと思うかは自分次第なんだ」って気づいて決断するようなイメージ。そこからまたサビ(のイメージは闘ってるとこよ)という繋がり方にした。

 世の中、そういう思いで何かと闘ってる人はたくさんいると思うんだ。そういう人の背中には、本人には見えないかもしれないけど風が吹いてて、うしろにいる人にはそれがはっきり見えたりするんだよね。

 耐え難い出来事や理不尽なことに苛まれて自分の運命を恨んだりしたくなることもあるかもしれないけど、それを肯定的な力に変えられる人もいる。そういうのって本当にちょっとした判断ひとつですっと道が変わっていったりするもので、自分のとらえ方ひとつだったりするんだよね。強いから不運を幸運に変えられるんじゃなくて、一旦今ある状態を受け入れるプロセスを挟むことで少しずつ風向きが変わってくるような感じを表現したかった。

 この曲は以前「無料おためし!」っていうキャンペーンで配信を無料でやってくれるっていうのを見つけて一年限定で配信してみたことがある。このころ本当にバタバタしてたんでなんのプロモートもしなかったから本当に1円にもなりませんでしたけど 笑、今聞いてみたら別にお蔵入りにすることないんじゃないかと思えたから数年経て出してみます。リマスタリングはしたけど、実質ほとんどいじっていない。

 7th Hero とFateを組ませたのは、どちらも逆境の先にあることがモチーフで、逆境をプラスに変えられる人ってすごいと思ってあこがれてるし、自分の経験でも何がプラスに転じるかわからないっていうのは本気で言えることなので、世の中今大変な人多いと思うから、たとえ逆境由来だったとしても、これから先はプラスに向かっていける、ってラインをイメージの中でこの世界の空間に引きたいなという気持ちの表れです。

ジャケットのビジュアル

 ここの記事のタイトル画像として貼ってるのが、「7th Hero / Fate」のジャケット用に作成したものです。この両曲のイメージで合わせるとなにかなーと考えていくと、運命の輪とか思い浮かんだんだけど、数字も捨てらんないから時計の文字盤と運命の輪の間ぐらいのもの、にして、サイコロは偶然性と自分の意志との間にあるもの、のイメージですね。7はいれとかないといけないからサイコロでちょうどいいやと。

 当初なんか時計の文字盤的な写真撮って合成しよっかなと思って、レジン作品用のシリコンモールド買ったのよ、文字盤の。でもレジン流し込むとしたら色どうしよう、ってなって、ならモールドの写真とって反転すればいっか、ってなったんだけど写真とったらホコリが目立つ。

 あーめんどくさい、わかったよ、ってなって、Adobe Illustrator開いたのいつぶりなんだろ、それで文字盤らしきものを作ってレイヤーにしました。あとは自分で撮った葉っぱの写真の重ねてある。

 ちなみに、サイコロをアマゾンで買ったら、「あなたへのおすすめ」として「10個入りサイコロ」とかを紹介するメールがくるようになりました。いや、サイコロそんなに次から次へと数要らないから。撮影のために買っただけだから。

音楽配信っていうのをやってみて

 今年、配信を改めてやってみて思ったのは、数年前にやろうと思ったときとは状況が全然違うこと。配信の手続きをしてくれる各サービスも当時よりも配信先は当たり前に世界中にたくさん、になってるし、無料でやろうと思えばできることだし、敷居が高いなと思ってたマスタリングも、使いやすいソフトが手が出る値段で売ってたりする。作るプロセスそのものを楽しんで、いくつ売らないとどう、ってことよりもポートフォリオ的に自分の作ったものをおいてもらう、ってことが可能になった。

 自分はライブ活動とかのパフォーマンスをするわけではないので、認知度を高められるプロモーションに力を入れてくれるようなところにお願いしてるわけじゃなく、月額じゃなくて一度お金を払ったらその後は追加金なく配信し続けられるところを選んで頼んでます。(パフォーマンスがメインの人は、月額はあるけどプロモーションしてくれたりすそ野が広がるようなシステムをもってるところに頼んでパフォーマンスを見たいと思ってくれる人を増やす、ということをメインで考えることになるかな、と思います)

 これって、もしかしたら自分が死んでから先の時代にみつけてくれてなにか面白がってくれる人がいたらと思うとわくわくするな、という夢のため。先のことはもちろんわからないし、風向きひとつで全部消えていく可能性もありますけど、知らないところで面白がってくれる人と出会ってくれる可能性っていうのをずっと夢見てわくわくしてられるって経験がしてたいな、と思う。一人の人が気に入ってくれて自分を見つけてくれただけであんなに嬉しかったんだから、そのためにやってたいなーって思うんだよね。

 これも今回配信する曲たちを作ってたときには到底考えられなかったことなんだけど、「私のためにお金払ってください」って人にわざわざ言わなくても良い状況下で何か好きなことをできるって自分にとっては幸せなことです。今は「買ってください」じゃなくて「ここにあるから時間あったらいつか聞いてみて」って気軽に言えるシステムになってるから。何か形にしたとき、お客さんに直接お金出してもらえない限り何もやってないも同然、ってなっちゃうといつしかやる気もしなくなっちゃうけど、とりあえず置いておくことができるようになるとそれだけでも何もやってないって自分で思わないですむからね笑、ゆるく長く楽しく続けていきたいことはこういう気分で関われるのは理想だなって思います。

 音符が溢れてくるみたいな才能はないけどやってると楽しいからやめなくてもいいやと思える今が幸せ。

誰かの心の平穏やきらきらを取り戻すお手伝いがしてみたい。