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LB6の最後の最後で「名なしの妖精」が出てきた理由の話


・はじめに



よるとりです。
4月12日に向けて脳内の身辺整理シリーズです。
もう明後日発売じゃん!助けてくれ!


今回は名なしの妖精、ホープちゃんについてです。

あの名なしの妖精、なんで最後にちょっとだけ出てきたんだろう、とみなさん思いませんでしたか? すみません、私は最初思っていました。
しかしながら、ちょうど読み返してる時にその理由が見えたのでnoteにまとめます。

みなさんLB6をクリアしてだいぶ久しいかと思いますので、改めてホープちゃんについて振り返りから行きたいと思います。

・ホープちゃんについて

妖精円卓領域アヴァロンルフェ、第一節。記憶を失った藤丸とトリスタンは、「名なしの森」内の集落の妖精たちに迎え入れられました。

人間は妖精にとって一緒にいるだけで充実感を得られる、いわば娯楽品。藤丸は快く迎えられたものの、そんな先住妖精の中で、イジメ紛いの扱いを受けている、傷ついた翅を持つ、風の氏族の少女。

それが「名なしの妖精」、後に判明する名前はホープ。

彼女は妖精が生きるうえで必要な「目的」を失い、それと同じくらい大切な「名前」を失って、滅びる寸前の妖精でした。

そんな彼女が、こっそりとキャストリアから「もういらない名前だから、名前を使っていいよ」と藤丸の知らないところでやり取りがあったことが第30節で明かされます。

ビフォー
アフター

なにげにこのイベントの前後で、彼女の名前が「名なしの妖精」から「妖精の少女」に変わってます。芸が細かい。

・ホープちゃんはなぜ最後に現れたのか

それでは表題にある通り本題に入ります。
ホープちゃんがなぜ最後にキャストリアの前に現れたのか。
それは「キャストリアから貰った名前を返すため」です。


ここから進めていく内容に上記で挙げる内容が含まれるため、お暇な方は読んでいただけると嬉しいです。

第29節で玉座に辿り着いたアルトリア・キャスターは、モルガンの設置したロンゴミニアドを行使してケルヌンノスを倒し、役目を終えました。
アルトリア・キャスターという名前は、「王の名を唱えるもの」。
役目を終えたら「アルトリア」という名前は、「アルトリア・ペンドラゴン」のものになってしまう。

いわば妖精国ブリテンの玉座を最後に頂いた「名なしの王」と成り果ててしまったアルトリア・キャスター。

第30節のこのシーンでは名前欄もこうして「失意のあなた」と名前を奪われた状態になっています。

わたしの名前を使ってください。
アルトリア・キャスター。

アルトリアでも、キャスターでも、
どうせならどっちでも!

ふんだ、どうせもう使わないんだし、
遠慮せずバンバン名乗って!

───ありがとう。
大切に───大切にするね。

このお名前、だけじゃなくて。
あなたの心を、いつまでも、いつまでも。

彼女の名はホープ。
最後の最後で、星の光を見つけたもの。

ホープちゃんは目的も自分の名前も忘れた、消えてしまう最後の最後に「アルトリア・キャスターの名前と心を大切に守る」という新たな目的を得ました。
第1節の最後に、モース化してオベロンに止めを刺されてしまったホープちゃん。しかし、あの不思議な空間で再び名前を失ったキャストリアの前に現れ、必死にアルトリアを悪意の渦から守ってみせました。

ここで名なしだったキャストリアに「アルトリア」という名前が戻ります。
ホープちゃんがずっと守ってくれていた、大切な彼女の名前。

あんなただの思いつき行為で、
わたしをずっと守ってきた。

あんなどうでもいいことで、
今もわたしを信じてくれた。

───それは、特別なことでも、
尊(とうと)いことでも、ないけれど。

他人から見れば、取るに足りない理由だけど。

(略)
そうだ。
わたしだって、凄い理由なんてない。

わたしだって、彼女と何も変わらない。

(略)

でも。
うん、でも───

それがどうした。
私はそれで充分だ。

あの星を裏切りたくないだけ。
この気持ちを捨てたくないだけ。

そうしてアルトリアは「とるにたらない理由でも、頑張り続ける」と奮起して守護者になる選択を選びました。
最後に出たホープちゃんはそのために出てきてくれたようです。気づいた瞬間オイオイ泣きました。オタクはすぐ泣く。

・おわりに


このプロット、最後にホープちゃんが守りに来るというくだりだけでも全然成立しそうなのに、「貰った名前を返す」というぱっと見すご~くわかりづらい要素を入れるのが粋ですよね。
守護者として契約するために名前が必要だったから、とかの理由もあるかもしれません。

これも余談ですがホープちゃんの名前の由来は、「パンドラの箱」のオマージュで最後に希望が出てくるというところから引っ張ってきてるのかなと思いました。


読み返していてそうではないかなぁと薄っすら思う程度の話ですが、これを読んだ方にもそう見えたと思えるなら幸いです。
では失礼しました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。


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