高円寺で飲んだくれ阿佐ヶ谷でヨソの猫に浮気をした② シトラバ

よくうろついてはいたけれど、阿佐ヶ谷から高円寺まで高架下をあるくのは初めてだった。新しくてとてもキレイで両サイドに可愛らしいお店も沢山。キョロキョロと散歩番組の様だった。

高架下から一度追い出される箇所があるのだが、出た先で不思議なお店に遭遇する。団地の1階部分だけがお店をやっているような。建物前のひらけたスペースは見晴らしがよくお店の入り口まで少し距離があった。日があたり眩しいそのスペースは、そんなことはないだろうけど、常連ではないわたしを受け入れていない気がした。羨ましいなと思いながら通り過ぎた。

駐車場となっている高架下を抜けると突如、昭和漂う高円寺に入って行く。ありとあらゆる人間を受け入れてきた結果のような場所だ。時間が浅くお店のほとんどは閉まっていたため荒廃感に凄みを増していた。
餃子ゼロ円てどゆこと?
キャッキャ言いながら家人と散策した。

目的地がまだ支度中であることは把握していたので
楽しく呑める美味しそうなお店を求めてウロウロした。
家人はクラフトビールが好きで、これを引き合いに出すと10割釣れる。
土曜日の午後2時に昼食お預けで、空腹でない大人はいないであろう。家人がそれ故にイライラしないようクラフトビールのお店がこちら方面にあるようだ、などとハンドリングかました。

わたしのiPhoneが教えてくれたのとは別のお店だったが
イギリス人と思しき半袖Tシャツの若者が表の席で揚がった芋をつまみながらビールを煽っているお店にはいった。

三月初めに、寒くないのかね。

シトラバというそのお店は、サーバーの口がいくつも壁からはえている夢見たいな場所。盛り合わせで出てきた鴨が特に気に入った。
入り口付近の4人組がおかわりを連呼している。マフラーを首に巻いて今にも帰りそうな格好のおじさんは、メガメガジョッキにオレンジ色の何かが入ったものを飲んでいた。本当に楽しそうに飲んでいたのとあまりにも大きなジョッキに吸い寄せられて、わたしもニコニコと笑いながらおじさんのおかわりをカウントしていた。

もう、4杯のんどる。どこにおさまるんだろう。

おじさんはマフラーを巻いたまま
何度もトイレへ消えていった。

4時半を確認したところで抱瓶へ移動することにした。

イギリス(妄想)青年はまだ半袖だ。


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