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宮本浩次の指差す未来へGO!宮本浩次 五周年記念Birthday Concert 「GO!」@ぴあアリーナMM

2024/06/12(水) 宮本浩次 五周年記念Birthday Concert 「GO!」@ぴあアリーナMM

再び6月12日にぴあアリーナMMへ降り立つことができるとは思ってもいなかった。
昨年の宮本さんの57歳のBirthday Concert「my room」は、このぴあアリーナで行われ、全編宮本さんの弾き語りで聴かせてくれた、圧倒されるステージだった。

あれから早一年。昨年はエレカシの35周年アリーナツアー後の開催だったので、アリーナツアーをやりながら、ソロのリハーサルもしていたのではと想像する。夏はエレカシでフェスに出演し、秋には野音。ソロでは恒例になりつつあるロマンスの夜。配信でカバー曲をリリース。そして、大晦日はエレカシで2回目の紅白出場。エレカシとソロ、両方を行ったり来たりするような、めまぐるしく忙しい一年だったと感じる。
年が明けてからはしばらくのち、エレカシが今までお世話になってきたアミューズとの契約満了を機に、事務所独立という爆風ニュースが吹いた四月。

その名も!
株式会社 elephants 


カブシキガイシャ エレファンツ!!


何かが起こりそうな気がする
そんな四月の風が吹き荒れた。

その後、宮本さんはソロで春フェスに出演し、そして事務所独立後、最初のコンサートとなった2024年6月12日、ソロ五周年記念Birthday Concert 「GO!」と題し、再びぴあアリーナMMで催された。

今回の私の座席はアリーナの64列目やや下手側。アリーナ席が当たるとこの位置が多いような気がする。アリーナの後ろから数えたほうが良いくらいの後ろであった。昨年は2階席だったのでステージもモニターも見やすかったが、アリーナはどうしてもずらりと並んだ前方の人の頭が視界を遮る。それは仕方がない。ステージは遠いが、後ろの座席も私は好きで、盛り上がる上階を見たりするのも楽しい。こんな大きな会場を満員にし、感動の坩堝のする宮本さんホントすごいよってかみ締める。

上演予定時刻18時30分を5分ほど過ぎて、会場は暗転。スクリーンにはキラキラとした星屑のような映像。バンドメンバーが登場。ほどなくして、宮本さんも登場。

Woman“Wの悲劇”より

歌いだしから絶好調なのが分かった。この日に合わせて来たって感じだった。伸びやかで繊細で力強い。宮本さんの歌声が再びぴあアリーナで聴けてうれしい。昨年のバースデーコンサートは弾き語りだったので、演奏と歌と両方を一人でやらなければならなかった宮本さん。めちゃくちゃ練習されただろうし、その分、それまで見たことないステージでかっこよかった。今回はバンドメンバーありのステージなので歌に集中している宮本さんを見られた。

一曲目の登場時は、花道の先端でスモークの中から現れたようだった。残念ながらその瞬間を私は見落としていた。いったいどこを見ていたのだ。

宮本さんはうっすらヒゲが生えていて、裾の長いコートのようなジャケットのようなものを羽織って登場。流れるように波打つシルエットは美しく、きっとシルク。ライトの加減もあるのではっきりとはわからないが、表地は濃い鈍色。裏地は目を見張るような鮮やか紫。ところどころで、わざと裏地を見せていた。そこが気に入ってご購入されたのでしょう。

Rain

愛だけを信じて~の歌詞の部分で、口からマイクを離しているのに、宮本さんの歌声が響きわたっている。つまりメインボーカル部分が録音で驚いた。コーラスや、RAINBOWみたいに被せてくるような歌詞は録音を流すことがあるが、今回のようなパターンは初めてで驚いたし戸惑ってしまった。

部分的につまり口パク・・・

口パクとか言うな!とつっこみ、これの意図はいったい?と考える。
歌詞が早口で尺内で歌い切れないからの策なのか、それともその部分を観客に歌わせたいのか。

口パク部分では、宮本さんは録音のメインボーカルにハモリを入れたり、客席に向かって、抱きしめるようなポーズをしたり、これはこれで楽しかった。客席に向かってマイクむけるとかだと、はっきり意図はわかるが、どっちだろう。どっちでもいいか。

悲しみの果て

横浜ベイベー!
いい感じだぜー!
始まるぜー!!

夜明けの歌

しみじみと歌いあげてくれた夜明けの歌。
ステージ全体が明るくなってようやくわかった。
ベースはキタダさんだ!
キダダマキさんが帰ってきてくれた。縦横無尽ツアー時はこの曲ではウッドべースを弾いていたが、今回はそれはなし。飄々としつつ存在感あって、確実なずしりとしたベースの音を耳で探す心地良さ。宮本さんに洒落っ気のあるやつと言わしめるキタダさん、おかえりなさい。

獣ゆく細道

スクリーンのアートワークがMVっぽくてかっこよかった。
そして、今回は宮本さんのバースデーコンサートでもあるし、ソロ五周年だから、ゲストとか出たりする?出るとしたら林檎さんかスカパラかななんて妄想していたが無かった。
宮本さんは自分が歌いたい人だから、ゲストで呼ばれて歌うことはあっても、自身のステージにゲストを招待することは今はないか。何年か先で可能性はあるかもだが。

獣ゆく細道で、小林さんのピアノが素晴らしくて。もうさすがとしか言いようが無い。今回のサポートバンドは縦横無尽ツアーの面々。つまり磐石の布陣。キーボードが小林さんなのはもう安心安定で、宮本さんが歌をゆだねているのがよくわかる。

ツアーでもご一緒してくれる小林さん。なんだか弾いてくださるのが当たり前みたいになっているが、こんなに小林さんがキーボードで入ってくれるステージを見られることはとても貴重で贅沢なはず。ありがたい話である。

ここからはたたみかけるように曲が続いた。今回の宮本浩次ソロ五周年記念バースデーコンサートのハイライトだった。

going my wayは軽快でポップで、ハイ!ハイ!ハイ!のクラップが楽しげで、花道では抜き足、差し足の歌詞の通りの抜き足、差し足を披露。膝関節の柔らかさを見せてくれた。

エビバデー!の掛け声が聴こえたかと思うと、スクリーンには宮本さんの幼少期の写真が登場。おなじみの赤ちゃんのころの写真、水遊びをする水着姿や誕生日ケーキを吹き消す宮本少年。続いて、NHKみんなのうた「はじめての僕デス」のアニメーションが映し出された。イントロが流れ、10歳の宮本少年の歌声が流れ、それに合わせるように58歳宮本さんが歌う!歌う!歌う!

うれしくて盛り上がりすぎて、興奮しすぎて、ちょっとよく覚えていない。

よろしく頼みます!!って歌ってくれた。何年か前のオハラブレイクで少し歌った話がうらやましかったが、今回聴けてうれしかった。

スクリーンには初出しな感じの宮本少年の写真。昭和な子供時代のかわいい、かわいい、なんてかわいい。
ご実家から写真を持ってこられたのだろうかとか、写真を選ぶときにお父様と懐かしい話をされたりしたのだろうかと想像した。愛情に満ちた写真で、見ている私も幸せな気持ちになった。

Passion と風と共にを歌う。スクリーンには放送されたアニメーションも映り、放送時のことを思い出したりした。
みんなのうた3本立て、もう大サービスだった。

すぐにsha・la・la・laのイントロが始まる。
宮本さんに水を飲む隙も与えない、遠慮なし容赦なしな感じがいい。

マイクスタンドを自分で運びながらちょっとずつ花道中央へ移動する。
ところどころ歌詞が怪しかった。
曲終わりに合わせて、またマイクスタンドを運びながら歌いながらステージに戻る。
最後は小走りになる。

今年もキラキラのミラーボールを見られた。
降り注ぐ光の粒は持って返ることは出来ないけれど、光の世界で歌う宮本さんの姿を目に焼き付けたい。

風に吹かれて
宮本さん、体側をありったけ伸ばしながら腕を左右に振る。
体側があれだけやわらかく伸びるってすごすぎる。
歌うたいは体も柔らかくなればならない。

ギターをかきならし、今宵の月のように。

ぴあアリーナの液晶はとてもきれいで、宮本さんのその年齢らしい首のシワとかもよく見える。私はそれがとてもかっこいいと思う。ご本人はほうれい線が・・・と言ったりするけれど、白髪やシワが増えたりすることは今を生きている証だと思う。

後半、ギターはいつものように背負って歌っていた。

歌い終わり、投げキッスをしながら、ギターは背負ったまま下手へ引っ込む。

19:33

第二部スタート

白シャツ、黒ジャケの見慣れた宮本さん。
一人で登場。

おもむろに始まる、解き放て、我らが新時代。
つまり、カラオケ。
歌い終わりに、ステージ中央でおならブーーー!

サポートメンバーの登場。
イントロを聴いて驚愕。
エレファントカシマシのおかみさん!!

えー!おかみさんやるー?
おかみさん布団干すのーーー?

おしりペチペチ。
おかみさあああああああん。
シャウトにニヤニヤしてしまう。
すごい声量だ。

ココロに花を
昨年のmy roomを思い出す。
昨年は弾き語りだったが、今年の宮本さんはサポートメンバーを携え、ボーカリストに徹していた。

まだまだやるこがある。

腰を落とし、ステージから上階に向かってまっすぐに指を指す。
ソロ活動五周年。
58歳。
事務所を独立し、まだまだやることがある。
宮本さんの真剣な気概を感じる。

アウトロのOH YEAH!のところでタンバリン探すけど、見当たらないのか間に合わなかったのか、エアタンバリンをしていた。

なんてあったかいやつらなんだ!。
伝わってるぜーーー!
大好きなうた。
君に捧げます。

みんな、誕生日おめでとう!
今日は偶然6月12日生まれの人が集まっているとききました。
みんな誕生日!おめでとう!
オヤジギャグです!
ああ、オヤジギャクなんて言わなきゃよかった!

何を言っているのかよくわからなくて、ポカーンとしてしまった。
宮本さんなりの盛り上げようとするギャグ・・・?
見事滑っていたけど、そばに石くんいたらちょっと当たることもできたけど、ソロだからね居ないね。仕方ないね。

みんなおめでとう!
愛してるぜ!
素敵なやつらばっかり!
愛してるぜ!
P.S I love you

曲の終わりにタンバリンようやく見つけて叩いていた。
良かった。

エブリバディーーー!
どうもありがとう!
最高のコンサートに、
最高の音楽を届けにきました。

君だけに言ったんじゃなくて!
仕事でもあるんだけど!
やることは決まっているんだけど!
言わずにはいられない!

ありがとうーーーー!!!

照れ隠しか、言い訳っぽくあんまり言っちゃいけない本当のことを口にしつつ、歌ってくれたのは、

あなたのやさしさをオレは何に例えよう

仕事とはいえ、誕生日にコンサートをしてくれてこちらこそありがとうだ。

名越さんのキラーフレーズ。
玉田さんの手ドラム。
キタダさんのベースでハッピーバースデー。
コンポーザーでチームリーダー、小林さんの贅沢鍵盤。

横浜ベイベー!!!
宮本でーーーす!
お見知りおきをーーー!
と言って、投げキッス!


さあ!がんばろうぜーーーー!

宮本さんの力強い歌声が響き渡る。

鍵盤強めのアレンジで俺たちの明日。

宮本さんが歌いながら花道へ動き出すと、名越さんとキダダさんも一緒に連れてきてくれる。

花道にかっこいい3人衆が立ち並ぶのは壮観。

しばらく花道センターで歌っていた宮本さんだが、そのうち二人を残して自分は客席へ舞い降りる。

これは俺たちの明日では高確率でやってくれるファンサービス。花道周辺をぐるりを宮本さんが歌いながら歩いてくれる。
もちろん歓声が沸く。

しかし、その歓声がいつもより大きい。

私はアリーナ後列のため良く見えないのだが、どうやら宮本さんがいつもの花道周辺だけでなく、遠くの通路を通っていた。そのうちスクリーンのカメラが切り替わり、狭い通路を宮本さんが歩く姿が映る。

俺たちの明日の曲に被さるように

わああああああああ!!!

歓声がものすごかった。

私が立っていたブロックの前列の通路も通ってくれ、ほんの少し近くで宮本さんの姿を見ることができた。会場スタッフさんの誘導とカメラさん、宮本さんがそばに来たという超興奮の観客。スポットライトに照らされたその世界は眩しく輝いていた。

興奮の俺たちの明日のファンサービスが無事に終わり、ステージに戻ってきた宮本さん。


ャケットを着て、昇る太陽。

イントロを聞きながら、かぶりを振る宮本さん。
この曲の歌詞には宮本さんが詰まっている。

凄まじい気迫、険しい表情、コンサートの終盤でもこの声量には感嘆の息がもれる。

すてきなすてきな日々が!
みんなに!
君に!
たくさん、やってきますように!!!

ハレルヤーーー!!!

スクリーン前にバルコニーのような足場が登場。

宮本さんが駆け上がって歌う。
ジャケットも脱ぐ。
銀色の紙吹雪が発射される。
その一枚がこれまた奇跡的に宮本さんの胸に張り付く。

銀色の紙吹雪が舞う中、58歳になったばかりの宮本さんが懸命に歌っている。

一生懸命に歌う宮本さんはかっこよくて、美しくて、力強い。

宮本さんは歌うことが大好きで、10歳のころから合唱団で歌い、ずっと歌い続けている。
その道で生業として生きるには試練は多く、天職であったかもしれないが、その何倍も努力をしてきた人だと思う。歌に対しては真剣で強烈。それと同時にそんなに純真な気持ちをずっと持ち続けていられる源は何なのだろうと、時折見せる素直な表現に戸惑いを覚えるほど。

宮本さんがソロ活動を始めて五周年。エレファントカシマシのバンドとはまた違う境地を切り開き、見たことない世界を見せてくれている。その世界の広がりは未知数で、宮本さんの指差す未来には、懸命に歌う宮本さん本人の姿が見えているのだろう。
その姿を見るために、自分は自分で己の選ぶ道を懸命に生きていこうと、また力をもらえるのだ。

まだまだ、何かが起こりそうな気がする

宮本浩次さん、58歳のお誕生日おめでとうございます。
素晴らしい時間をありがとうございました。


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