『山のお茶屋さん』

いらっしゃいませー!
お客さん、おひとり様ですか?かしこまりました!ご案内しまーす。
今日は全然お客さんいないんで……って、こんな山奥だからほとんど毎日いないんですけど……とっておきの席ご案内しますね!

お客さんは今日は何の御用でこんなところまで?――なるほど、リフレッシュですか。言われてみればお疲れの顔、してるかも?あっ!気に障ったらごめんなさい!
でもそんなお客様にぴったりの席、ご案内しますね!じゃじゃーん!お外の紅葉を眺められるお席でございます!

今、シーズンなんで!赤やきいろ、オレンジも。濃い色も薄い色もいろんな色が混ざり合って、キレイでしょう?
それに見てください。すぐ近くを小川が流れてるんですけど。散ったもみじがゆらゆら流れていくんです。散っても川に彩(いろどり)を与えてるみたいで、素敵ですよね。
それにこの近くは静かだから、鳥の鳴き声とか小川のせせらぎぐらいしか聞こえないんです。私もいつも癒されてて……って私が一番お邪魔してますね!あはは……。お決まりになりましたら呼んでくださいね。

え?この景色を伝えたい人ができた?詩が書けそう?……お客さん、詩人なんですねぇ~。きっと有名な歌になっちゃったりして?
もちろん、その素敵な作品が仕上がるまで、ゆっくりじっくりしていってくださいね。応援しています!


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