『迷える子羊へ』

ようこそ。
あぁ、申し訳ありません。いきなり声をかけてしまって。
祈るでもなくぼうっとしているものだから、心配になったもので。
謝らないでください。ここは教会です。祈る者も、そうでない者も受け入れる。そういう場所です。どうぞ、心ゆくまでお過ごしください。
……もし、お悩みがあるのなら、わたくしが伺いましょうか。

なるほど……そんなことがあったのですね。さぞつらいことでしょう。
わたくしとしてもとても心が痛みます。
包み隠さず話していただいて、ありがとうございます。
これは「懺悔」ということになりますね。
貴方の罪は赦されることでしょう。
いえ、貴方はもう赦されるのです。
「わたくし」が、貴方を赦します。
貴方の罪を知るのはわたくしとあなただけ。
これがどういうことか――お分かりですね?

さぁ、祈りなさい。
このわたくしの――俺様の為になぁ……!
ひゃーーははははは!!

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