繭に籠る

大丈夫分かってる。
大丈夫。
大丈夫。

ゆっくりと目を開ける。降り注ぐのは温かいシャワー。
私は水を溜めていない浴槽に横になっているだけ。

分かってる。

これはただの感傷にしか過ぎない。
勝手に期待して、勝手に裏切られた気持ちになって、勝手に傷付いてるだけ。

分かってる。

誰かが悪い訳ではなくて、ただ歯車が噛み合わなかっただけで、また噛み合わせようと、上手く回そうと皆考えてるって。

大丈夫、分かってる。

分かってるよ。

分かってるし、私もちゃんと歩み寄るつもりでいるから。

ただ、

今は一歩踏み出すのがひどく億劫なんだ。

きっとさ、もう少し時間が経てば笑えるから。

笑えるように頑張るから。

だから、今はまだもう少しだけ、このまま眠らせて欲しいんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?