Ivy初稿

S1
紫ツヅラに膝枕してもらっている
紫   気がついた時には、私は誰かの膝の上で寝ていた。
ツヅラ「あ、気がついたんだね!よかった!」
紫   どうしてここで寝ていたんだろう?これまでのことを思い出そうとしても、頭が痛くなるだけで、何も分からなかった。
ツヅラ「あなたの名前は?」
紫「すおう…ゆかり…」
紫   名前と言われてスッと出た言葉がそれだった。
ツヅラ「ゆかりちゃん?いい名前だね!私は七隈ツヅラ。よろしくね!」
紫「よろしく…」
ツヅラ「じゃあ、私はお母さんが心配するだろうから、もう行くね。1人で帰れる?」
紫「うん。」
ツヅラ「よかった!じゃあね!」
ツヅラ咳き込む
紫   咄嗟に「うん。」と返事してしまったが、私の帰る場所はどこなんだろう…?考えているうちに足は帰路へついていた。
紫捌ける

S2
ツヅラ登場
ツヅラ   今日も、誰にも話しかけられなかった…。病気がちであまり学校に行けてないせいか、私には友達が一人もいない…。
学校に行ける日の朝は、
「今日こそ友達を作ろう!」
って意気込んで出かけるけど、いざ学校に行くと、クラスメイトの話題にひとつもついていけず、空気を壊してしまうかもしれないと考えて、話しかけることすら出来ない…。
落ち込みながら今日も1人で家に帰っていた。
紫登場
ツヅラ   すると、向かい側から今にも倒れそうなくらいフラフラして歩いている女の子が来た。
紫倒れる
ツヅラ「!?大丈夫ですか!?」
ツヅラ駆け寄る
紫「どこに行っちゃったの…?」
ツヅラ   そう彼女は呟いて意識を失った。なんでだろう。私は前からこの子のことを知っているみたいだった。年齢は私と同じくらいに見える。もしかしたら、同じ学校で廊下ですれ違っていたのかもしれない。
紫静かに捌ける
ツヅラ   なんて悠長なことを考えていたけど、ここでは通行人の邪魔になることに気づいた私は、慌ててすぐ近くにあった公園まで彼女を連れていった。私くらいの背丈はあるのに、彼女は私でも運べるくらいなぜか軽かった。
ツヅラ捌ける

S3(回想シーン)
ツヅラ紫登場
紫「どうして?なんでまた私を独りぼっちにするの!?」
ツヅラ「そんなつもりじゃ…」
紫「嘘だよ!最近他の子とばっか一緒にいる!いつも私を置いていくんだ!」
ツヅラ「確かに、最近お友達ができて嬉しいけど…」
紫「ほら!私より他の子といた方が楽しいんじゃん!」
紫走って捌ける
暗転
ツヅラ俯いて捌ける

S4
紫真ん中に横たわる
SE:チュンチュン
明転
紫気だるそうに起きる
紫   記憶がないからか、夢を久々に見たという気分だった。なんだか懐かしいようで、すごく胸の中がザワザワする夢だった。
ただ、その夢がなんだったのか、考えると頭が打ち砕かれるように痛くなる。
考えるのはやめよう。
そうだ、気分転換に散歩にでも行こうかな。
もしかしたら、歩いてたらふと何かを思い出すかもしれない。
紫捌ける

S5
紫歩いて登場
紫   気分転換に気ままに歩いていると、昨日出会ったツヅラという女の子と同じような服を着た子たちが、吸い込まれるように入っていく建物を見つけた。
もしかしたら、ツヅラって子に会えるかもしれないと思って、そこに足を運んでみた。
紫キョロキョロする
紫   辺りを見渡して探してみるけれど、ツヅラという子らしき気配が感じられない。
紫「ねぇ、何話してるの?」
紫   私の横を通り過ぎた女の子たちそう話しかけてみた。でも、みんなまるで怪物でも見たかのような恐ろしい形相で私を見てきた。
他の子にも話しかけてみたけど、何かを叫んで走って逃げる子や、手を擦り合わせたり、泣き出しているような子もいた。
私、怖がらせるようなことをしたのだろうか?それとも、みんな、知らない人に話しかけられるのが苦手なのだろうか。
暗転
紫捌ける

S6
ツヅラベッドに座る
明転
ツヅラ咳き込む
ツヅラ   昨日道端に倒れた子を助けた後、私は体の調子が悪くなってしまった。朝になっても調子が戻らなかった。とても悔しい。学校にも行けなかったし、あの子に会った時の懐かしいような感覚が、只事のように思えなかった。もう一度会ったら、何かを思い出す気がしていた。
ツヅラ咳き込んで寝る
暗転

S7(回想シーン)
暗転
紫登場
ツヅラ起き上がる
ツヅラ「なぁに?また抜け出してきたの?」
紫「別にそんなんじゃ!」
ツヅラ「ふふふっ、素直じゃないね」
紫「…体調はどうなの?」
ツヅラ「…もう長くないって。」
紫「……………そっか。」
ツヅラ「…ふふっ、そんな悲しい顔しないで。残りの人生、あなたと笑顔ですごしたいの。」
紫「…そうだね。ごめん。」
暗転
紫捌ける
ツヅラもう一度寝る

S8
明転
ツヅラ起きる
ツヅラ   なんだか懐かしいような夢を見ていた。あぁ、こんなこともあったな、って感じている自分にとても驚いた。
そして、なんだか今すぐあの子に会わなければいけない気がした。
少しだるい体を何とか動かして、私は外に飛び出した。
暗転

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