200103_ETソムリエ

めざせ!平均律ソムリエ!【029】

こんにちは、こんばんわ、ユートピア
変拍子兄さんのお時間です

本日はさまざまな平均律をたしなみ、違いを楽しむ
平均律ソムリエになりたい!という渋い趣味を持った方へお届けしようと思い書き上げました
おなじみのテレプストラキーボードで12~25平均律までが揃いましたので、この子らの違いを楽しんでいきましょう



・なぜ25までなのか?


12平均律が最もポピュラーですので、その半分の24平均律までは差を認識できるだろう、ということで12-24平均律を用意しました

これに25平均律を加えたのは単に僕がそろそろ25歳になるから以上の理由はありません、完全におまけです

・事前知識

音名の命名法に関して僕なりのルールがありますので軽くまとめておきます

①ナチュラルスケール
基本の7音音階CDEFGABに近いものを選定します
場合によっては7音音階を基準としないほうがまとまりがいい場合もあります

②エンハーモニックレベル
幹音(調号がつかない音)の間の音数のことです
これを把握することで調号を振っていきます
CとDの間に2音あれば、エンハーモニックレベル2と呼びます

③オッドノート
ナチュラルスケールを決める際に
CDEFGABに近いものがなかった場合、
Ð ε ᖶ Ⴚ Λ Б といった似て非なる文字を使用します

④3分音/4分音システム

まずステップと言う言葉ですが、
ある音律における最小の音程幅のことです
12平均律であればCから1ステップ上に行きC#となります


その際臨時記号が必要となりますが、
その幅が半音の場合#/♭ 
その半分の4分音(半々音)の場合はキ/dで表します
これは正確に何セントというよりは、大体100セントあたり、50セントあたりと幅をもって決めています

1ステップを半々音として扱う場合、1ステップの上下はキ/dを使います
C→Cキ→C#→C⩨→D C←Ddb←Db←Dd←D
という風に変化します

発展的な話ですが
1ステップの長さに応じて3分音を用いることがあります
その場合は
C→Cサ→C⩩→D C←Dlb←Ddl←D
と、見慣れない記号ですが、このように定義しています


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前置きは以上ですね
あらゆる平均律で遊んで、未知の世界の音にバンバン体当たりしていきましょう!

画像をクリックしますと、実際に音をならして遊ぶことができますので
気になった平均律はどんどん鳴らしてみましょう!


・12平均律
通常の平均律です

画像15


・13平均律

画像1


12平均律に近い音が壊滅的にないのがこの音律
1ステップは92セントと微妙に狭いので、トライトーンに近づくにつれてずれていきます。
そのためCDEFGABっぽく選ばれた7音を
CÐ ε ᖶ Ⴚ Λ Б という変な文字づくし(オッドノート)で表しました 

C→Ðb→Ð という風に間に#/bの音が一音入るため
エンハーモニックレベル1ですが
ᖶ Ⴚ間が特殊で、ᖶ→ᖶ#→Ⴚb→Ⴚ とエンハーモニックレベル2になっています 

・14平均律

画像2


7平均律をさらに2等分した音律です
第3音と第6音が長とも短ともつかないことから
ε Λ を使用しています

7音とも、C→C#→Dのエンハーモニックレベル2で
EF BCの半音の箇所が出現しないのも7平均律系の特徴です
ε#=E、Б#=Bとしてもいいのですが
シンプルさを保つためにやりませんでした

♭も用意していますが、C#=Dbと言う風に音程は同じです

・15平均律

画像3


5平均律をさらに3等分した音律です
5平均律は変拍子兄さん式でC Ð F G Б と表記しまして
今後も5平均律系で出現します
調号は、C→C#→Ðb→Ð という風に表記します

5平均律が並行して3種あるわけですが
基本の5平均律+もうひとつの5平均律=10音スケール
といったようにスケールを構築すると
和音の種類が2種類だけになるというのが15平均律の面白いところです

・16平均律

画像4


ディミニッシュの4音をさらに4等分した音律です
この音律では一風変わった記法を使用しておりまして
8分音記号を使用してます

24平均律基準で音名を決めており25セントの差を↑/↓ で表記します
平常どおり、4分音の範囲で収まる場合はキ/dを使用しています

C→→Cの列が8平均律になりまして
その上下の列は音名を見ればわかるとおり、同じです
16平均律はこのような幾何学的パターンがあるのが面白いところですね


・17平均律

画像5


完全5度(3/2)を近似できる平均律のひとつです
エンハーモニックレベル2でC→C#→Db→D
という風に調号が変化します

音が増えるのは黒鍵の位置に当たるもののみで
EF、BC間はそのまま、エンハーモニックレベル0となります
これまで通用していたC#=Dbといったエンハーモニックが通用しなくなると捉えとよいでしょう。


・18平均律

画像6


ホールトーンスケール(6平均律)をさらに3等分した音律です
通常はCDEFGABに近い音を基準にして#bを考えていきますが
18平均律ではホールトーンスケールを基準にして調号を付けました
ホールトーンの6音をCDEႺ Λ Бとして
C→Cサ→Ddl→Dとしています

まあ、C#→Dbとしてもよかったのですが 
ホールトーンを3等分しているところもあり、3分音システムで表したほうがいいかな、と思ってこうなりました。

・19平均律

画像7


完全5度(3/2)に加え、長3度(5/4)も近似できる音律です
C→Cキ→C#→Dというエンハーモニックレベル2の形式となっています
19平均律のメジャースケール7音は割と違和感ない7音です
注意深く聞けば、EやGに違いが分かってくるのですが
その違いが分かれば、平均律ソムリエへの道は近いですね!

・20平均律

画像8


5平均律をさらに4等分した音律です
5平均律C Ð F G Б
C→Cサ→Ðlb→Ðdl→Ð という風に4分割しています
1step=60cent ですのでここでは3分音システムを使用しています

画像9

こちらのように7音を基準に組み立て
C→Cキ→Dd→D という風にした場合もあります
Eに近いものがなくオッドノートになっています
セントで表すと ε=360セント Fd=420セント 
となり純正のEにも12平均律のEにも近いものがないといことが分かりますね。

ちなみにですが
基本スケールを5音とする場合「Pentatonism」 
6音とする場合を「Hexatonism」7音とする場合を「Septatonism
と呼んでいます
20平均律ではPentatonismとSeptatonismの見方があるというわけですね


・21平均律

画像10


7平均律をさらに3等分した音律です
7平均律のCDεFGΛB を基準に
C→Cサ→Ddl→D と3分音を使用して3分割しています


・22平均律

画像11


こちらも完全5度(3/2)・長3度(5/4)ともに近似できる音律です
3度が5/4よりのものと、81/64よりのものがあるため
前者をE、後者をεとして使用してます
同様にB、βも設定しています

基本スケールがCD ε FGA β で
全音の箇所のエンハーモニックレベルは3となり
C→Cキ→Db→Dd→D となります
これにEBも捨てがたいということで追加された状態になっています

この影響で
D→Dキ→εb→εd→ε となるところが
D→Dキ→Ed→E→ε という風に変化しています

・23平均律

画像12

こちらは24平均律よりひとつ音が少ない音律です
基本の7音はCDE ᖶ Ⴚ ABとしています
トライトーンに近づくほど12平均律からずれた値をとるようになっていきますので
パッと見た目でFGあたり、なんかおかしいな、ってことが察しがつくようにしました。

調号はC→Cキ→Db→Dd→D 
24平均律と同様なエンハーモニックレベル3の形です


この音律で面白いところは
BC間は通常通りエンハーモニックレベル1(B→Bキ→C) となっていますが
Eᖶ間がエンハーモニックレベル0 となっています


・24平均律

画像13


12平均律を倍細かくした音律です
ジャンプ(キ)、ドロップ(d)という4分音記号は24平均律で生み出され
ほかの平均律では、それを縮めた・伸ばしたものとして利用されています

調号の変化は、C→Cキ→C#/Db→Dd→D
エンハーモニックレベル3です
オッドノートは特に使用しておりません

・25平均律

画像14


5平均律をさらに5等分した音律です
5平均律ですので C Ð F G Б の5音を基準に
C→Cキ→C#→Ðb→Ðd→Ð
という風に4分音システムを使用しています
C#≠Ðbとなっており、エンハーモニックレベル4となってます



・〆

これにて
12-25平均律のテレプストラキーボードがすべてそろいました
これで大抵の微分音は網羅できますね
あとは、純正音程やボーレンピアス、31・53平均律といった純正系の平均律このあたりをおさえれば文句なしです
もう平均律ソムリエとしての道を一歩進んでますね。

欲を言えば、それぞれの平均律の特性にまで踏み込んで
これらを使ってどのような表現をしていくのか?といったところまでやりたいところですが
さすがに量が多いので、今日はこの辺で引き揚げようかと思います

ぜひ平均律の聞き比べをお楽しみください!それでは!


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