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N平均律に切り込め!-エンハーモニックレベル編-【026】

こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんのお時間です

本日はさまざまな平均律の音名をどのように決めるか?という
お話です

最初に思いつくのは
ド=0としてそれ以降を番号で呼んでいく方法(ステップ記法)
これが普遍的な表し方ではありますが、
音程のイメージが全くできないことから
ステップ数でピッチネームを呼ぶのはあまりおすすめできません

そこで僕が提案するのは
せめてCDEFGABの面影は残して音名を決めようというコンセプト

その音名の決め方として、以下の3つのコンセプトを使用しています
①エンハーモニックレベル
②ベーシックスケールコンセプト
③オッドノーテーション
の3つのコンセプトです

ベーシックスケールコンセプトというのは
その平均律の基本スケール(メジャースケールに近いもの)はナチュラル
つまり、臨時記号はつけない でおこうというコンセプト、ポリシーです

12平均律に近しい音程にCDEFGABと名付けて
その間の音数(エンハーモニックレベル)を調べて臨時記号を決めていこう
そして、近しいものがない場合は似て非なる文字を使って
ベーシックスケールにしようというのが僕の提起するルールです。

今回はその1のエンハーモニックレベルについて
お話していきます

◆おさらい:12平均律と24平均律の音名

まず手始めに12平均律と24平均律の音名を書いてみましょう
12と24が基本となっているので特殊なことは起こりません

画像1

画像2

このようになります12平均律は見慣れた子たちですね
24平均律も、このマガジンの読者なら見慣れてるかとは思いますが
一応、解説しますと
C+50cent→Cキ (Cジャンプ)
D-50cent→Dd (Dドロップ)
と呼びまして
CとDの間は3音(エンハーモニックレベル3)なので
C Cキ C#/Db Dd D となります
またEとFの間は1音ですので(エンハーモニックレベル1)
E Eキ/Fd F 
と言う風にジャンプとドロップが重複します

色のルールは便宜的にやってるだけで、重要なものではないですが
ナチュラル(幹音)は白 #/♭は黒
ジャンプは赤 ドロップは青 
ナチュラルが半音になってる部分の間は緑 
としています

◆エンハーモニックレベル

さあ、先ほどからちょくちょうく顔を出す「エンハーモニックレベル」について本題に入りましょう
エンハーモニック=異名同音 という意味で
通常はC#とDbといった話です

エンハーモニックレベルというのは
幹音間の派生音の数を示しています

画像3

エンハーモニックレベルごとに臨時記号をどのようにつけるか
ルールを決めておくことであらゆる平均律に対応することができます

(例)
エンハーモニックレベル0→ C D
エンハーモニックレベル3→ C Cキ C#/Db Dd D

厳密にいうとCDEFGABの中には
C-Dといった全音 と E-Fといった半音がありますので
全音エンハーモニックレベルと半音エンハーモニックレベル
の2種類がありますが
もちろん全音=2×半音 でないこともあります

◆ハーフトーンワイズ(半音幅)

エンハーモニックレベルごとにどのように臨時記号を振るのか
考える前に半音=何セント とするかあらかじめ決めておく必要があります
12平均律では半音=100セントで
24平均律は半々音=50セント という取り決めがあったため
キ # ♭ d という記号が難なく使えました。

1ステップが何セントなのかは平均律によって異なるうえ
何ステップが半音、#1つ分なのかを決める必要があります
これがハーフトーンワイズ なのです

24平均律では100セント=# 50セント=キ であったことから
1ステップが100~75セント→1step=#
1ステップが75~50セント→1step=キ

としましょう

ダブルシャープや8分音に対しても拡張できるように
厳密には相乗平均で考えて√(100×50)=70.7セントとするのが
いいのですが結果は変わりません

3分音などもここでは基本シカトでいきますので
1step=67セントの18平均律なども無理やり キ として表記します
(18平均律だけ特別扱いして3分音記号使ってもいいんですけどね)

◆スワップ現象

そして僕の定義するルールではスワップという現象が起こります
たとえば19平均律
キ=63セント #=126セント となるので
#と ♭の位置が逆転します
ジャンプドロップだけで書くと C Cキ Dd D ですが
シャープフラットだけにすると C Db C# D と言う風に
#より低い位置に上の音の ♭が来てしまう現象です

このスワップを利用することで
キ # ⩨ x  の4つをスワップさせ
偶数ならエンハーモニックレベル8まで 4分音系で表すことができます

◆エンハーモニックレベル別 臨時記号定義

それでは、実際エンハーモニックレベルごとの
臨時記号のつけ方を定義していきましょう
キ×2=#というルールは変わらないので
厳密にいうとCキ=Ddbという事も起こりますが
こういう場合は近い方を優先して、割愛しております

・#♭のみで可能な範囲
エンハーモニックレベル0→ C D
エンハーモニックレベル1→ C C#/Db D
エンハーモニックレベル2→ C Db C# D

・4分音記号で可能な範囲
エンハーモニックレベル3→ C Cキ C#/Db Dd D
エンハーモニックレベル4→ C Db Cキ Dd C# D
エンハーモニックレベル6→ C Ddb Cキ Db C# Dd C⩨ D
エンハーモニックレベル8→ 
C Dbb Cキ Ddb C# Db C⩨ Db Cx D

・半音エンハーモニックレベル

エンハーモニックレベル0→ E F
エンハーモニックレベル1→ E Eキ/Fd F
エンハーモニックレベル2→ E Fd Eキ F

8分音を使うとさらにはレベル数が高いものも表記できます
エンハーモニックレベル3→ E E' Eキ/Fd F. F
エンハーモニックレベル4→ E Fd E' F. Eキ F

ノンスワップ型

エンハーモニックレベルが奇数の場合、スワップが起こらないため
新しく記号を導入する必要があります
中間地点をC#/Dbとして その間に6分音や8分音を使うことで

エンハーモニックレベル5→ C CΓ Cサ C#/Db Ddl DL D
エンハーモニックレベル7→ C  C’ Cキ C#. C#/Db Db' Dd D. D

という風に表すことができます
それ以上のレベルも同様の思考で考えていけば何レベルでも対応できます
(3分音・6分音・8分音については深くは触れないでおきましょう)

◆果たしてここまで必要あったのか??

ここまでくれば、ほぼほぼの平均律は困りませんが
果たしてここまで細かく考える必要はあったのか??
特に僕は13~24平均律を対象に調べていこうと思ってるので
エンハーモニックレベル3,4あたりで十分ではあります

エンハーモニックレベル7となると48平均律あたりの話になってくるので
かなりマイクロトーナル…
まあ必要が生じた際にエンハーモニックレベルをあげて新しく記号を考える
というのが別の平均律を攻略するための第1の基本戦略となります

◆〆

実は、エンハーモニックレベルだけでは、
ドレミファソラシドがしっかりしている平均律にしか対応できませんので
今後は第2、第3のルールを使用して音名を考えていくことになります

ということで、N平均律の命名法その①でした。

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