191102微分音和音

微分音和音を作る4つのギミック 【001】

こんにちは、こんばんわ、ユートピア
変拍子兄さんです。

最近はなんだか、微分音研究がはかどってきたので
定期的にその研究成果を書き残しておきたいな。ということで
Xenハーモニックマガジンという微分音ブログを連載してみようと思います。

このマガジンについてはさておき
まずはYoutubeで微分音と検索していただきましょう
そうすると、ヒットするのはこの動画

2019年4月ごろに投稿したこの動画ですが、半年で微分音に関する研究が進みまして、今の感覚では言い足りないことばかり。

今回は微分音和音を感覚に落とし込みつつ、いいかんじの和音作る方法を紹介します

Youtube動画では”間の音”をコードに含ませて検証するという動画でしたが
他にも微分音和音テクニックがあるぞ!ということでこのように…


https://twitter.com/OrangeTheKeyqa/status/1146192259647361025



しばらくたってTwitterでよりうまい使い方をまとめたりしていました。

まずは聞いてみてください、
意外と使い道あるんじゃないの?って思うことになるでしょう

そこで微分音和音を作るための4つの技法です

・バイアス
・ニュートライズ
・ハイリミットハーモニー
・シンインターバル

この4つ技法を使っていれば、通常の和音の感覚を発展させて微分音和音が作れます。動画に出てきた和音を例にとってみましょう
(聞きなれない言葉?そりゃ僕の名付けた概念ですからね)

Youtube動画の3分あたりで「ニュートラル3rd」という音程が出てきます
これは長3度、短3度のちょうど中間にあたる音なのですが
「ミ」より低いことから「ム」と呼んでいます つまりドムソ

ドムソ

①バイアス 
バイアスとは偏りのことで、思い込み・錯覚といったニュアンスで使われることが多いですね。微分音和音においてはこの思い込みが結構発生するのです
Cマイナー→Cニュートラルと順番に弾くと
相対的にニュートラルが明るく聞こえ、メジャーだと錯覚してしまいます
これがバイアスという技法です

特にバイアスの中でも、経時的なものをワープと呼んでいます
今回マイナー→ニュートラルと相対的に高く聞かせるということなので「ワープ」にあてはまるでしょう

また同時的なバイアスも可能です
ド ミd ソd という風にミソを両方とも半々音下げてしまいます
この和音はメジャーがくすんだような響きがします
このように和音を全体的に下げた状態を「ダーク」と呼んでいます

と逆に上げた場合は「ホット」と呼んでいます



     /経時的          → ワープ
バイアス -同時(和音) - 下げる → ダーク
             \ 上げる → ホット

バイアス系統の用語をまとめるとこんな感じ。


②ニュートライズ

ニュートラル=中間なのでニュートライズは中間化という意味になります
これは長と短のちょうど中間と最初に言った通りの感覚です
僕がよくやるのはミとファのニュートライズで、この考え方で24平均律の音はすべて使えてしまいます


ニュートライズという技法はコードやメロディだけではなく
キーに対して使うこともできます
つまりKeyC→KeyEキ という風に EとFの中間キーに移るということ

ハイリミットハーモニー

これは純正音程的なアプローチなのですが
通常の音楽は3倍音(完全5度)・5倍音(長3度)をもとにした和音しかありませんが、微分音を使うことで7倍音や11倍音を用いた和音を作ることができます

この高次倍音を使った和音のことをハイリミットハーモニーと呼んでます
そして7倍音を使ったものをセプティマル、11倍音を使ったものをアンデシマルと呼びます(13倍音はトライデシマルなど続いていく…)

これは感じ取るのが結構難しいです
ニュートラル3rdは純正音程でいうと11/9という比率で表現されます
11倍音は硬質で金属のような響きを感じますね。
11/9とは11倍音(長4度)に対する全音下の音(1/9)と捉えるわけです

この動画では1:05あたりCadd9,M11という和音で11倍音の例を挙げています。11倍音の感覚はこれが基本となります

ハイリミットハーモニー的にみたCニュートラルは
ドミソの「ミ」に11倍音的な響きを付加するために11/9に近い「ミd」に寄せるという和音の構成の方法です

また7倍音はブルースでよくフィーチャーされる音ですが、いなたく気だるさを帯びた響きです(Twitterの動画では1:40あたりですね)


ハイリミットハーモニーは感じ取るのも難しく、純正音程の比率を把握してないと成しえないもので、理性感性ともに感度を上げておかないといけない高度な微分音技法といえるでしょう

シンインターバル

シンインターバルとは同じ音程を積み重ねる和音の技法です
シン(syn、同)+インターバルということです

Cニュートラルは中3度+中3度と 中3度を重ねた和音と捉えることができます。
この方法は倍音を意識したものとは真逆の発想に近く、純正音程を無視した強烈な和音を構成することができます
ニュートラル3rdはふたつ合わせて完全5度になるので、そこまで変な和音にはなりませんが、違う音程・音律だとシンプルな発想から変な和音がバンバン生み出せてしまいますね

4度堆積をCbld4 と書きたいなと思ってますが、
もっと情報量の少なくてかつ堆積のニュアンスがある記法はないものか…?


それではまとめましょう

①バイアス → 和音の相対的な比較 全体的な上げ下げで錯覚をおこす
②ニュートライズ→ 2種類の和音・音程の中間をとる
③ハイリミットハーモニー→7倍音や11倍音を駆使した和音
④シンインターバル→同じ音程を重ねていく


ということでした。
まだまだ書き足りないですが今日はこの辺で!

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【宿題】
「微分音」の対義語を募集します。
普通の音のことですね。(積分音ではないです)
僕は「凡音」というのを思いつきましたが、悪口っぽいといわれました。
ボケでも真面目でもOK!気軽に宿題に挑んでください。



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