[Test]31平均律の31音を使いこなす方法【035】


こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんの時間です。

今回は31平均律を実際に、活用していくためのセオリーを構築していきます
31平均律ですから、31種類の音があるわけです。
こいつらを、スケールの一音として活用できるように網羅していきましょう。

◆鍵盤モデルの復習


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まずは軽く復習と行きましょう。
31平均律を理解するための第一歩として、鍵盤をもとに理解するというお話でした。

上の図をご覧いただけばわかる通り
白鍵が3つ、黒鍵が2つに分裂した形状の鍵盤をイメージします
白鍵の3つは真ん中がナチュラルで、1Step上がった/下がった音程があります。(7+7+7)
そして黒鍵は#と♭が別々となり5+5 これで合計31音となります。


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そして、臨時記号の考え方もこれに照らし合わせて
1Step(僅音)高いものにはΓ(グリップ)/低いものにはL(ロップ)
という臨時記号を付け
#♭の代わりに(サープ)/dl(ドラット)という記号を振ります
これは#♭より狭いことを意味します。

これが31平均律音名の概要です。
さて、こいつら実際に使いこなしていくためのスケールセオリーを紐解いていきましょう。

難易度も↓このように分けてみました

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◆スケールの設定方法

スケールチューニングが可能なDAWを想定して
実際に31平均律を設定する方法にも触れておきましょう

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このように設定して
チャンネル2を38.7¢上げ、チャンネル3を38.7¢下げた形で使っていきます
黒鍵の5音はシャープ系になっているので、
フラットとして使いたい場合はチャンネルを変更して音程を調整するという使い方になります
例えばDdlの場合は、1Step高いチャンネル(チャンネル2)のC#のノートを使用します

セカンダリードミナントやRelated Two Fiveなど
シャープ系の和音を使っていきたい方はこちらのチューニングがおススメです。クラシック・オーケストラ系の和声感を好む方にもおすすめです


別のチューニング方法として、黒鍵の5音をフラット系で揃えるというやり方もOKです。その場合はこのようになります。

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こちらは、モーダルインターチェンジやネガティブハーモニーなど
フラット系の和音をメインで使用したい方におすすめです。
ジャンルでいうと、ジャズやフュージョンといった浮遊感・逸脱感をよく取り入れる方はこっちの設定がおススメです



◆Lv1 メジャースケール

・スケール

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31平均律のメジャースケールです
聞いた感じも12平均律の時とあまり変わりませんので、同じように使用可能です。
つまりダイアトニックコードの7種は普通に使えます

細かな違いを解説すると
12平均律では全音と半音が2:1の幅なのですが、
31平均律では5:3となっています、
全音はやや狭く、半音はやや広く感じることでしょう

和音的には、
5度が狭いためやや曇った印象に
長3度は純正の386¢に近いので、調和した感じになります
減5度(ディミニッシュ)は5倍音・7倍音とも純正に近いため、こちらも調和感のあるディミニッシュとなります


・コード

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使用可能なコードはこのようになります
普通のダイアトニックコードですね。
31平均律ではフラットよりも狭いdl(ドラット)になるところが注意です

・例

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7種のダイアトニックコードを網羅するカノン進行を使用例としましょう。
この7音に関してはまとめてこのコード進行で取り扱います。
31平均律だからといって、特に何かあるわけではないようですね。


比較として12平均律の場合も載せておきましょう



◆Lv2 フラット系のスケール


Bdl Edl Adl


・スケール

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お次はフラット系のスケールから着手していきます
Bdl Edl Adl の3音を使いこなしていきましょう
この3音は
Bdl ミクソリディアン
Edl ドリアン
Adl マイナー
として追加しました。(マイナー一発でもいいんですけどね。)

そして、31平均律変換の原則:♭(フラット)→dl(ドラット)
となります
半音上げる場合、下げる場合も2Stepなので
下から上げる場合と上から下げる場合は一致しないというのが
31平均律のキモです
そこさえ押さえれば、12平均律のフラットと扱いはなんら変わりません

31平均律においては、下方5倍音も純正的になるので
マイナーも調和した響きになります
そして、下方倍音:ユートーナル感がはっきりしているのが特徴です

・コード


・例

C Bdl F G
F Em Edl Dm

F G Adl Bdl

______________________

Ddl Gdl

・スケール

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マイナースケールよりも、フラットパワー(?)が強い部類のスケールを扱っていきましょう。
Ddl フリジアン
Gdl ロクリアン
この2つですね、こちらもチャーチモードシリーズですので臆することはありません。

・コード

Cm Ddl
F G Gdl Ddl

・例


__________________________________

Cdl(BΓ)

・スケール

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BEADGとフラットを付加していくことで、新しいスケールを作っていきましたが、ついにCにまでフラットの力が及んだスケールです。
これは全音低いリディアンといえます。


◆Lv3 シャープ系のスケール

・スケール

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Fサ リディアン
Gサ ハーモニックマイナー
Cサ パラレルメジャー

セカンダリードミナントを使用する際もこれらのスケールと同様な使い方



◆Lv4 フラット系ハーフモーダルインターチェンジ

さて、ここからは中級編
24平均律でもよくでてきた、2つのスケールの中間をとるという技法で
31平均律を攻略していきます

31平均律では、全音は5Step
ミファ・シドの間は大半音=3Stepとなりますので
ハーフが通用しません。

ですが、ナチュラルとサープ/ドラットの間は2Step(小半音)ですので
ハーフが使えるということになります。
ということで、手始めにフラット系のスケールでハーフモーダルインターチェンジをしてみましょう

・スケール

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・例

BL

EL
AL
DL
GL

◆Lv5 #系ハーフモーダルインターチェンジ

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◆Lv6 セプティマルスケール

ここからは上級編です
24平均律を使いこなすうえでも出現したセプティマルスケールです。
31平均律の場合、7倍音が正確に出せるため、
24平均律より純正の7倍音の表現が可能となります。

そのため、7倍音の系統として使用可能なピッチは幅広く
今回紹介するもの以外でも、まだまだあります。
今回は7倍音と3倍音を組み合わせた、基本的なピッチだけ押さえておけば十分でしょう。

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(スケール名は思いつかなかったので、何らかの機会にまとめて定義します)

Aサ
Dサ
Eサ(FL)
Bサ (CL)
 ホールトーン


◆Lv7 アンチセプティマルスケール

ここからが31平均律の真骨頂で
7倍音ユートーナルを使うというものです
24平均律では7倍音オトーナルと7倍音ユートーナルの中間位置に音程が存在することから、この2つ明確に分けて使うことができません。

しかし31平均律ではこの両者を使い分けることができるため
このLv7での表現が、かなり新鮮なコードワークとなるでしょう。

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◆総括


◆〆

以上が31平均律の各音を活用する方法となります
実際には、スケール構築のための見方はまだあります
例えば7倍音を2重にしたダブルセプティマルであったり、
7倍音と5倍音を組み合わせたツートーンスケールなんかも考えられます。

チャーチモードのようなスケールのまとまりを考える理論なんかがあれば面白いとも思ったので、もっとスケール論を精密に組み立てたいところですね。

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