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吉澤暁子先生へのお手紙 2024.8.12

吉澤暁子先生へ

お久しぶりです、沖縄の吉川です。

2022年9月。zoomで一度だけ面談させて頂いた時に確信した何かを頼りに、吉澤暁子先生に師事しようと決意したのが遠い昔のことのように感じられます。

その余韻で少しずつ歩みを進め、2023年5月に米沢ツアーに参加し、先生にお会いすることは叶わぬまま2023年9月に教室に入門。大久保縁先生に短期特別他装初級レッスンをして頂きました。そして2024年4月には奄美大島ツアーに参加し、先生を通して米沢と奄美大島という美しい布を生み出し続ける土地に足を踏み入れることが出来ました。

先生が虹の橋を渡ってから一年の間に、お弟子さんたちのInstagram投稿からは「先生との約束を果たしました」という嬉しい報告が相次ぎ、着付け師・着付け講師として個人で開業される様子がそれぞれ個性豊かに発信されておりました。

先生が情熱のままに立ち上げた『吉澤暁子きもの着付け教室』には「お生徒さん」「弟子」という区別があることも大久保先生とのレッスンの間に知りました。

お弟子さんたちの素直で一途なきものへの向き合い方、美味しいものへの意欲、日々言葉を大切に文章を綴っておられるところ等を通して、いまでも吉澤先生を感じることが出来ております。先生亡き後もお弟子さんたちを通して『吉澤オーラ』を体感出来るのは、先生が弟子に対してとても真剣に厳しくそして熱を持って指導にあたられていたからなのでは、と感じております。

そして、先生が「大久保という宝を得て」と(株)アンベリールを設立される際に書かれた大久保先生とは、先生が亡くなられた8月のあとの9月に、約束通り【他装初級コース12回を4日間におまとめ特別個人レッスン】の受講が叶い、しかとご縁を結ぶことが出来ました。

先生が不在になられた直後ということもあり、大久保先生がどれほど吉澤先生のことを愛し理解していたかが会話の端々から感じられ、それはそれは嬉しく楽しい時間を過ごすことが出来ました。そしてその時に、先生の故郷大阪府八尾市に嫁がれたお弟子さんの鯖戸さんともお会いし、『京洋食まつもと』『和小物さくら』という先生に縁の深い場所でご一緒することが出来ました。その時にはまだ先生のお骨がだんな様のまっちゃんの元にあり、お店の2階の畳間で手を合わせることが出来ました。

着付けのスキルはとにかくやり続けること+現場の積み重ねしかないと思っておりますが、ひとつだけ吉澤先生とのzoom面談で伺ったことをここで反芻しておきます。

・一流の着付け師を目指すなら、ひたすら数をこなす写真館のような所で経験を積むのはリスクがある

・上質なものの扱いを身につけるには上質なものに触れられる環境で経験を積む必要がある

今年の10月にある『きものサローネ2024』には現地に伺い、吉澤先生が実行委員を務めて活躍されていたイベントをしかと体験することを決めております。

他装の基礎の基礎がまだまだ身についておりませんので、吉澤先生の直弟子の先輩方の動き、働きぶりを目に焼き付けておこうと思います。

それでは、また来年またお手紙を書きます。

たまにはひょっと現れてドキッとさせてくださいますように…

吉川 夏子

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