medu4/Qアシ くらべてみた(免疫)

免疫の膠原病分野について、Medu4とQアシを比較してみました。
ここの分野は、一つ一つの疾患に対して検査値や全身症状など覚えることが多くて難しいですよね……

まず初めに

medu4は1時間を目安にした講義、Qアシは疾患ごとに講義が区切ってあります。この辺は前の記事でも紹介したので割愛します。
テキストの目次では、medu4が関節疾患、全身疾患、血管炎と3章構成にしているところをQアシでは膠原病と1つの章にまとめていました(講座自体は疾患ごとに細かく分かれています)。

あと、著作権的に問題になるのでテキストの一部とかは載せてません。いわゆる「こんな感じで載ってます」的な表現でこの先進めていこうと思います。

medu4の講義構成

medu4は基本的にテキストがすべて文章で書かれています。

・この疾患は~~~という病態で~~という側面があり~~~~~です。
・血液検査の所見は~~~が増加し、~~~が低下します。
・治療は~~~を用いて行いますが~~~~~です。

こんな感じです。先生の途中のメモも文章で書かれることが多いので、ノートを見直したときに講義を受けなおしている感覚になります(~っぽい症状、~~に注意!等)。
講義での説明はテキストに書いてあることに基づいていますが、復習的な知識はしっかりと振り返って基本的に板書してくれます(フェリチン上昇する疾患なんだったっけ?汎血球減少きたす疾患は?等)。

また、その疾患に代表的な症候と合併症については表でまとめてあることが多い印象です(つまり単語だけ)。
〈~~病の全身症状〉
眼→∼炎、~~症状、~~~
皮膚→~~斑、~~炎、~~~
膠原病は覚えることが多いので仕方ないですね……ただ、それぞれ先生の説明があり、一見単語の羅列に見える表でも覚えやすいように単語の順番が工夫されていました。

講義内の説明は「イメージ」をつかむことを重要視した説明が多く、医学的に正しくなくてもイメージがつかめて理解できて問題が解ければOK、的な側面が少しある気がします。いわゆる「覚えやすく試験の点が取りやすい」講義です。
なので簡易的な図は載っていますが、病態を説明する図は少なめです。
典型的な画像所見については臨床像(単元の終わりについてる問題)のページでカバーする形になります。

Qアシの講義構成

Qアシは参考書に近いテキスト構成になっています。
【臨床像】
・~
・~
【診断】
・~
【治療】
・~
■全身症状
(ここに図)

覚えることがコンパクトにまとまったyear noteのような印象です。テキスト自体は単語多めで構成されていますが、先生がそれらの繋がりを説明しながらマーカー&板書します(~という疾患は、~~という病態です。だからこれらの症状がでてくるんですね)。
特に病態の機序に関しては図を用いて詳しく説明されています。膠原病分野は自分で問題練習をするとKey word中心で勉強が終わってしまいそうな分野ですが「理解して覚える」ことができます。
講義の説明はテキストに書いていないことも口頭で説明があります(この疾患は一般的には○型アレルギーだけど●型アレルギーもあるとか(春季カタル、過敏性肺炎、ABPAとかそういうメジャーなやつじゃない)、RAだったらDIP以外に障害されにくい関節の話とか)。元々テキストに載っている知識だけでも充実してますし、先生が行ったことを全部覚えれば疾患の全体像を掴むのにスムーズで、国試に受かる以上の実力がつくと思います。

全体的な説明は「正しく理解して覚える」感覚に近く、細かい病態の機序も丁寧に説明されています。病理所見も疾患の説明ページに図があり、テキストだけでカバーできない部分は講義中に「病みえの●●章参照」的なテロップが入ります。medic media社が発行している参考書と合わせて使うのには最適です。

比べてみた

膠原病分野を比べてみて、2つの予備校で特に違うと感じた点がいくつかあります。

①病態について
関節炎・膠原病の章では覚えにくいもの、紛らわしいものがいくつかあると思います(少なくとも自分は)。例えば、RAで補体が低下するのは血液?関節液?とかSLEでは補体↑↓どっちだっけ?とか、気を抜くと間違えそうです(自分は)。
これについて、medu4は「炎症なのに補体が下がる疾患のほうがイレギュラー。補体が下がる疾患をまとめて押さえておきましょう。SLEも(RAの関節液と同じで炎症が)激しすぎて補体を消耗するので血中で低下します」なのに対して、Qアシは「RAは関節液中で補体が消費されて低下。SLEは全身に補体(免疫複合体)が沈着して血中補体がなくなって低下」と説明していました。

Medu4は覚えやすさに特化しています。試験で補体が低下する疾患はどれか?と聞かれたとき、あらかじめ「補体が低下する疾患」でまとめておいた方が本番にすぐに思い出せそうですし、それらの疾患を「なんか炎症が激しそうな疾患だったな~」と押さえておけば(自分の脳内の説明が医学的に端折られてても)得点はとれそうなので。
それに対してQアシは、RAの関節液中/SLEの血中での機序をそれぞれ分けて詳しく説明することによって、納得した上での理解がしやすいと思います。本番で度忘れしても、「SLEは3型アレルギーだから、免疫複合体が作られて……」と導けば解けそうな気がします。
「補体低下」という現象に対して共通点を見出して覚えやすくするか、しっかりと病態を理解して覚えるか……この辺は学習者それぞれに合う合わないがあるでしょう。

補足すると、Medu4の問題練習でも病態から導いて解くやり方は使いますし(逆に覚える項目を減らしている分、分からないことは導いて解くしかない)、Qアシもゴロ合わせみたいなのは使います(ゴロというかギャグ?)。


②過去問の扱い(なんとなく感じたこと)
「SLEの活動性の指標は??」

病みえ的にはdsDNA抗体、血清補体価だそうです。病みえ的には、と言いましたが過去問でも95H2、102I30で出題がありました。

Medu4ではSLEの活動性の指標について、「小児のSLEの活動性の指標について、白血球や補体価、赤沈などがあげられます。子供に限定せず、これらが大きく変動したらやばいかなというイメージがある~」と説明しています。
おそらくですが、102I30の「小児のSLEの活動性を示すのは→白血球数」を反映した説明だと思います。

QアシではSLEの活動性の指標について、小児の白血球数(102I30)に関しての記述は疾患のまとめページには見つけられませんでした(小児科の講義ノートにあったら大変申し訳ないです)。そして「SLEの活動性を示す指標は血清補体価と抗dsDNA抗体でこの2つは重要。」と説明しています。これは95H2で出題がありました。

おそらくですが、Qアシは小児という限定された出題よりも一般的な活動性の指標をテキストに採用したのではないかと思います。抗dsDNA抗体と補体について実際に出題はありましたし、SLE自体が若年女性に多い疾患なのでこちらの指標のほうがSLEという疾患を捉えやすいのでは、と思います。

Medu4はより最近に近い出題内容をテキストに採用している気がします。確かに昔と今では出題傾向も大きく変わっていますし、より直近の過去問のほうが出題される確率も高そうです。

ぶっちゃけた話Medu4の過去問検索で95H2は見つけられませんでした(100回より前の問題だとMedu4は検索してもあんまり出てこない)。

これを踏まえた上でなんですけど、medu4は100回までの過去問で出たことは忠実に載せますが、それ以外のことは載せない傾向にあると思います(この辺は普段使っててそう思った)。SLEの活動性の指標に関しても、「小児→白血球数」と出題されたのでそのまま載せたんだと思います。テキスト上で「小児では〜」と書かれると、じゃあ成人ではどうなんだ?って感じはありますが、出てないのでテキストには載りません。

そういえば夏MECでも似た問題が出ました。
ちなみにMECのテキストではSLEの活動性の指標について、抗dsDNA抗体、補体、血球数と説明されています。なんかいい感じに収まった表現ですね……

正直ガイドラインとか成書まで調べる元気と時間がないのでどっちが正しいとかまでは言えませんが、、
直近の過去問の内容をしっかりカバーできるMedu4
100回以前の問題~近年の問題をチョイスすることで疾患を網羅的に学べるQアシ
という感じですかね

③過去問の扱い
Felty症候群について、どれぐらい覚えてますか?

過去問で出たのはQBオンライン的に3回です。しかも全部100回より前です。
medu4ではFelty症候群については2行しか説明されていませんが、過去問の出題内容はそれで全部カバーできます。
QアシはFelty症候群について、悪性関節リウマチと対比させつつ記載しています。悪性関節リウマチは113回とかにも選択肢で入ってますし、国試に落ちた自分でも知っていた疾患です(Feltyは知らなかった)。そんな疾患とFelty症候群を対比させつつ記載しているので、medu4よりも詳しめな説明になっています(medu4は悪性関節リウマチも2行しか説明ないけど)。

国試に合格するならMedu4の知識だけでいいと思います。100回より前に3回同じような内容で出題されただけなので。MECのテキストに至っては説明が1文です。コスパよく勉強して、テキストに載ってないことが出たら、どうせ他の人も解けない!と潔く割り切れる人はmedu4をお勧めします。
ただ、もっと高得点をとりたい!とか、逆にfelty症候群についてテキストに全然載ってないからモヤモヤする……どんな疾患でも病態、治療まで1セットで勉強しないとスッキリしない!って人はQアシをお勧めします。

④その他もろもろ 気付いたこと
治療とか薬とか、この辺詳しいのはQアシだった。膠原病分野だから特にそう思いました。



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